前引大鋸

west2692008-09-23

福々亭には太い栗の木がもう一本あったのでマサカリ大工に依頼し、板に曳くことにした。こちらの道具は前引大鋸と呼ばれる文字通り大きなのこぎりを使った。昔の、確か葛飾北斎の絵に出てくる道具だが、現在生業として使っている人は滅多にいないといわれる。
彼はそういう古典的な道具を好んで使っている貴重な職人だ。

人力による製材だから、力加減やスピードや木の硬さが、のこぎりの軌跡となって残る。そうした痕跡を消さないよう、軽くサンドペーパで刺を取り、硝煙を混ぜた柿渋を塗って炉縁に仕上げた。

今日の一枚は「前引大鋸」。後ろに見える丸太が栗の原木。これを囲炉裏の炉縁に曳いた。