雨が漏っても大丈夫。

west2692008-09-18

今日の一枚は栗の原木。樹齢は50〜60年。

再生中の福々亭の庭で育った栗の木を、マサカリ大工に依頼して柱に製材した(9月8日・9日の日記参照)。マサカリ大工曰く「山育ちの栗は真っ直ぐに育つが、里の栗は曲がりくねって育つ。枝も多い」。だから、建築に使う栗は山育ちのものを使うのが普通なんだそうな。
厳しい目で丸太をより分け「こんな庭木の栗で上手くやれるかなあ」等々言いながら、魅力的な柱を仕上げてくれた。

下の写真はその栗の柱が屋根を突き抜けているところ。

当然のことながら屋根の下で切断する予定だったが、柱の仕上げを気に入った福々亭の主からは「切らずに屋根を貫通してくれ」との要望が出た。


雨漏りは心配だ。しかし、好奇心には勝てない。屋根に上って「こんな感じにしたらどうか」とダンボールで帽子の模型を作って柱にかぶせてみた。
最初は戸惑っていた職方も「雨が漏っても文句は言わない」とまで言われると、反対にファイトが沸くものらしい。完全に防げないまでも、何とかして雨が漏るのを先延ばしにする気になっていった。
監督・大工・板金職が喧々諤々と議論を始め、叩き台の模型をもとに工夫を盛り込みながら作り上げた。建築が面白く感じる瞬間です。


ちなみに栗の木は水に強いと言われているが、写真のように地面に転がして雨曝ししたのではやはり芯から腐ってしまう。貴重な木材なのでそれ相応の保管方法が必要だ。