2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

雑草、岩を割る。

柔らかな草の根だからといって侮ることは出来ない。今日の一枚は岩から生えた草。石割れ草というらしい……。 これも現在保存修理工事中の宮光園の庭で見つけた。3月23日紹介のさざれ石のすぐ近くに転がっていた。 この石も日本庭園の庭石だから、文化財の一部…

タフな素材

今日の一枚。古い新聞です。昭和11年2月15日の読売新聞。保存修理工事を始めた宮光園の外壁に貼ってあった。建物の中にある荷物を運び出し、後年の増築部分を撤去すると、こんなものが出てきた。というより、以前からあったのだけど光が射さない暗い場所だっ…

淋しい話

今日の一枚は法務省。設計したのはエンデ&ベックマンという外国人のコンビ。東京のど真ん中、皇居の周りにはまだこんな建物が残っている。関東大震災も東京空襲でも甚大な被害を受けながらも改修され今まで生き残ってきた。 もう1つの写真は「東京中央郵便…

アマカネは便利な言葉

今日の一枚は 「ヤゲンブラ」。 甲府の山交デパートで、生花の小原流と相棒がコラボレーションを行っている。これはその相棒の作品に花を活けたもの。 ちなみにヤゲンブラとはニューギニアに住むある部族の長老である。何でそう命名したのかは謎だが、何とな…

長いお別れ

今日の一枚は「飾りだな」。馬の背中に乗せた鞍の部品をこんな風に使った。 白土三平の忍者漫画には「賢明な読者は既にお気づきと思うが、実はこの**なる人物は○○の変装である」などといった但し書きが時々ある。ところが、その但し書きを読まないと、いや…

長いお名前

今朝は早速、昨日の長い名前の書類(建築士法第23条の6の規定による設計等の業務に関する報告書・第6号の2書式)を持って役所に行った。 窓口では「はい、これを出しに来ました」「ああ、それね」で終了。「あ、うん」の呼吸で簡単に終わった。もちろん、長…

春は夕暮れ

昨日は龍ヶ崎に移築民家の調査に出かけた。前回見た多宝塔をスタッフを連れて、もう一度見たいと思っていたが、やはり暗くなるまでかかってしまった。残念だがまたの機会。とりあえずびっくりドンキーでハンバーグを食べて帰途に付いた。 大和村まで戻ると高…

唐珍木

今日の写真は唐珍木。これは切り倒した後の断面。見た目は随分太いが年輪を数えた現場監督の話によれば樹齢27、8年といったところらしい。唐珍木という名前の由来も何処から来たのかも謎だ。最初は「唐変木」を聞き間違えたのかと思った。とりあえずこの辺り…

さざれ石

今日の一枚は「さざれ石」。勝沼は宮光園の庭にある。風化が進みあちこちボロボロ崩れ落ちている。最初見たときはコンクリート製の鉢なのかと思った。考古学者にして文化財の研究者であるM氏の説明によればこれは「さざれ石」だとのこと。 実在することも驚…

幻のリベット接合技術

今日の一枚はリベットの断面。リベットとは昔の鉄骨の接合に使われる技術で、簡単にいえば現在のボルトみたいなもの。学生時代に鉄骨構造の授業で教わったが、ボルトで締める代わりに、熱して熱くなった奴を差し込んでカンカン叩いて頭を潰して抜けなくする…

ハウスクエアー

今日の一枚は増穂町の山の中に置いてあった壷の群。これが油壷ならアラビアンナイトだが、これはキムチの壷。 今日は横浜の中川にあるハウスクェアにいった。ここは住宅展示場である。展示場の中にあるセミナーハウスで200年住宅についての話をするのが目的…

ありふれた風情なのだ

今日の一枚はミキモト。銀座で偶然見つけた。ピンク色の凹凸の無い外壁のせいか夕暮れと一緒にそのまま消えてなくなりそうだった。現代の都市は相当変わったデザインでも、たちまちありふれた風景に取り込まれてしまう。カメラを構えている傍らを無関心そう…

黒猫印の葡萄酒

語学に堪能な読者は既にお気づきなことと思うが、昨日の猫の名前「シュバルツ」には黒いという意味があるらしい(「らしい」と書いたのは辞書で確かめて無いから)。学生時代に住んでいた板橋本町の商店街にある酒屋では「シュバルツ カッツ」という酔っ払い…

ぎゃあぎゃあ騒ぐうるさい奴

カラスの話。続き。昨日のカラスは話しを聞いた知り合いが、哀れに思ってちゃんと埋葬してくれることになった。感謝である。 そんな訳で今日の一枚はカラスと言いたいところだが、近所で頻繁に見かける割には撮影が難しい。代わりに黒猫。名前はシュバルツ。…

からすのネグラ

今日はもうすぐ完成する実施図面のチェックで事務所に詰めていた。夕方、サイレンが鳴りだした。 景気が冷え込んでいるのためか、春なお寒い日々が原因なのか定かではないが、最近不審火が多い。困ったことだ。我が家の方向から音が聞こえるので念のために屋…

ホームページの初体験

昨日は貴重な休日を潰してホームページを作った。 日曜日に家にいられるのはめったに無い。そんな訳で初めての挑戦でもある。「小田原の家」の紹介ページだ。こんな風に出来た。ちょっと見てください。「⇒」 。HTMLとか称する言語を使う。大まかなフォーマッ…

新米のスパイ

今日の一枚はスツールの「ツェット」。ツェットとはドイツ語で「新米のスパイ」という意味(青池保子さんの『エロイカより愛をこめて』の一連のシリーズを参照のこと、これが判る人は漫画好き)。 好きな椅子の1つにリートフェルトの ジグザグチェアーがある…

製材の話

今日の一枚は建て方前の材木。柱や梁、土台などが混じる。これを組み立てて家が出来る。ある年の2月、設計の依頼を受けて訪ねて行くと、裏山につれて行かれた。山の斜面には松や桧や杉やサワラが転がっていた。約200本ある。現在は「葉枯らし」中だが、これ…

珪藻土にベンガラを混ぜる

昨日のベンガラ混入仕上げのきっかけはこの一枚。これは珪藻土にベンガラを混ぜている所。 経歴不明・正体不明の古い民家「小木人の舎」再生工事の現場。 経歴不明というのは創建年代がわからないという意味で、正体不明というのは改変が著しく元形が判らな…

ベンガラ土壁

今日の一枚。あんこでもない。味噌でもない。泥を混ぜているところ。「三つ子の魂云々」ではないが、子供の頃泥団子を良く造った。団子状の泥の固まりを手のひらで擦っていると段々艶が出てくる。今でも土の壁をなでるのは好きだ。最近知ったが泥団子の磨き…

石の中に入る

今日の一枚は大谷石の採掘場。ちょっとボケ気味なのは三脚を忘れたから。これは大谷石を切り出した後に地下に出来た大空間。つまり石の中だ。だから見えているのはすべて大谷石(もちろん鉄の手摺は除く)。刳り抜くにしても積み上げるにしても、単一素材の…

牛奥の土

古い民家を移築する際に、土壁も落として再利用することになった。「それは、大変ですよ」と言ったが、建築主のHさんは仲間を集めてやるという。今日の写真はそんな仲間達が土壁を落としているところ。 カケヤというデカイ木槌みたいなもので叩けば簡単に落…

ハウスクェアーについて

今日の一枚は「シーサー」。沖縄版狛犬といったところか。福々亭にある杉茸の下でお客様を出迎えている。 来る3月21日に横浜のハウスクェアーというところに行って一寸お話をします。話のテーマは「200年住宅の素材について」。 「お前民家再生をやってるか…

ストリートライフ 上海

今日の一枚は荷物を運ぶ人。こんな情景を上海の建材市場で度々見かけた。長いステンレスのパイプと思しき製品を2輪のネコ車みたいなものに乗せて運ぶ。方向転換は自由だし、前後のバランスが取れているので動きも軽い。目的地が近ければ運搬手段としてはこれ…

竹製足場

ここは上海の綿花南路というところ。高層マンションをバカバカ建てていた。中国の建築工事の足場は竹で出来ていると聞いていたので、最初見たときはこれもてっきり竹製だと思ってしまった。安全性や施工性はともかく、なんだか装飾的で美しい。「これが噂の…

建物を残す方法

3月4日の潜水艦の続き。潜水艦を見て港を一周して戻ってくると、こんな船が泊まっていた。「南極観測船しらせ」。昨年廃船となって、今年の末に解体される予定なんだとか。そう思うとなにやら気の毒に思える。「廃船」というと、もっとボロボロの船を想像す…

妖怪「しがらみ」考

昨日の続き。天花粉の妖怪とはいわゆる「しがらみ」のことかも知れない。頼んでもいないのにまとわりついてくる、厄介なものであるにもかかわらず、なかなか切り離すことが出来ない。しかし、果たしてしがらみの無い生き方ってあるんだろうか。 さて、今日の…

天花粉

今日の一枚は鰹節。じゃ無かった。潜水艦。浮いているのか、半分沈んでいるのか判然としない。無表情な奴である。どんな音がするか、カケヤで叩いてみたい気もする。 漫画家の坂田靖子の話に「天花粉」というのがある。若者が釣りをしていると、風船みたいな…

人間三脚

今日の一枚は鉄骨の手摺。硬い鉄をこんな風にぐにゃりと曲げると柔らかそうに見えるから不思議だ。どうやって加工したのだろう。横須賀に行く前夜、家に帰ってから、電車の切符を買いに出かけた。朝、駅に着いてから慌てて買うのは嫌なのだ。切符を持って家…

大日本帝国海軍パン工房

今日の一枚はコンクリートの表情。建築関係者以外の人にとっては「なんのこっちゃ」ではある。 コンクリートで建築を作る時は鋳型みたいな型を作って、まだ固まらないうちに流し込む。型のことを型枠というが、現在はベニヤなどの合板を使うのが一般的だ。こ…