2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

事例集「民家再生の実例」について

今日の一枚は蛮風亭の竹で出来た屋根。 この度、丸善で出版した「民家再生の実例」に蛮風亭が掲載されました。 民家協会から出版される作品集としては3冊目となります。民家の再生とは直そうとする建物固有の構造や素材の魅力を発見して生かすことなのだと…

揚屋一段落

南アルプスの再生民家は曳屋による揚屋が一段落して、基礎工事に入った。今日の一枚は基礎工事の様子。井桁に組んだ架台の上に建物を乗せて、小型の重機(バックホー)で潜り込み、根切り(土を掘ること)を行っている。ところで、このままの状態で基礎用の…

命名は世界を切断する

すでに御承知の方もいらっしゃるとは思いますが、昨夜アップロード後のブログを読んだ相棒の説明によれば、「名前が世界を切断する」といった意味のことを書いた人は養老孟司東京大学名誉教授とのことでした。 どうやら相棒が読んだ本の内容を大分前に聞いて…

建築の各部分の名前

物は名前があって、初めて他のものと区別出来る。人間だって漠然と大勢に向かって、「ねえキミ」では誰を呼んだのか、誰が呼ばれたのか区別できない。一人一人に名前がある所以だ。「名前をつけることは世界を切り別けることだ」みたいなことをどこかで誰か…

オープンハウス

今日は小田原の現場。先週指示したレンガタイルの目地処理を確認する。「判りました」と答えても、実際には「そうはいっても」と自分流にやってしまいがちなところだが、こちらは大丈夫だった。「素朴な感じで」と伝えた雰囲気になっていた。この家の床に使…

建築を造る動物達

今日の一枚は「猫土台」。基礎パッキンとも言うが、床下の通気を図る為に設けられる。 設計事務所に勤めて最初の現場が木造住宅だった。基礎工事の監理に行った際、職人が『狭い基礎換気口のことを「猫土台」と呼ぶのだ』と話していたが、最近は写真のような…

築300年その2

築200以上の住宅をもう一軒見た。今日の一枚は山梨県甲西町の「安藤家住宅」。 同業の知人に安藤家住宅の築年代を訊ねてみた。200年は経っているのではとの回答があったので、早速見に行った。 見学申し込みをして管理人さんに尋ねると創建は1708年。こちら…

民家の土間を利用したダイレクトゲインのパッシブソーラーハウス

今日の一枚は赤石荘の玄関ホールにあるステンドグラス。今日は那須に出張。久しぶりに紅石荘にお邪魔をした。 ステンドグラスのメンテナンスも兼ねて、新しい建築計画の敷地を見に行った。過去2回雪で自動車を壊しているので、雪道は避けたい。インターネッ…

築300年

200年住宅ってどんなもの?どうやって造るの?仲間内でそんな質問がでた。あらためて言うまでもないが、実は良く判らない。 ならば、築後200年の実例を見ようじゃないかということで探してみた。そんな訳で今日の一枚は富士吉田市にある「宮下家住宅」。軒下…

石口を取る

今日の一枚は土台と基礎。 木造建築は鉄筋コンクリートで出来た基礎の上に土台を敷いて、柱を立てる方法が一般的だ。基礎がしっかりしていなければ丈夫な建物は出来ないし、土台が曲っていたら建物も真っ直ぐには建たない。 そんな理由から建築に限らず、受…

だるま落し

今日の一枚は南アルプスの再生民家で揚屋準備の終了した状態。そして下の写真は建物が持ち上がった状態。 右端に人物が写っているが、毎日少しずつ建物を持ち上げて1週間、とうとう重機が下を通れるほどの高さになった。この後基礎を作って再び建物を元に戻…

外壁煉瓦の納まり

今日の一枚は小田原の家の外壁煉瓦の納まり。一週間ぶりに小田原の現場に行った。工程通りに作業が進んでいる。こんな当たり前のことをわざわざ書くんだから建築とは変な世界だ。現場に着くと足場が撤去されている。職人が煉瓦を張っていた。煉瓦は通常「積…

御師の家

今日の一枚は富士吉田市歴史民族博物館の中にある「御師の家」。富士山に信仰の為に登る「御師」の宿坊だった。案内に「重要文化財小佐野家復元住宅」とあるから何のことかと思ったら、本物は近在に残っていて、現在も住んでいるので中が見られない。代わり…

情熱の薔薇

『見てきたもの聞いたこと今まで覚えた全部でたらめだったら面白いそんな気持ちわかるでしょ』(ブルーハーツ 情熱の薔薇)。 前後の歌詞は忘れたけど、なかなか印象的なフレーズだった。大地は水平で動かないと教えられて来たのに、ある日「実は丸くてさあ…

未来へのメッセージ

明治初期に建てられた洋館みたいな建築は、一般的には擬洋風建築といわれているが、山梨県では藤村式建築という。当時の県令、今で言えば知事みたいな人が、「役所や学校は文明国の建物らしくヨーロッパのデザインで造るべし」と決めたらしい。この方の名前…

ある古民家の御柱

今日の一枚は無人の民家。 使われなくなった民家がある。反面、民家を手に入れて使いたい人がいる。2者の間を取り持つ民家紹介のシステムがある。そんなボランティア活動の一環で、提供のために登録されている古民家の案内をしている。今日は座禅を組んだり…

長生きする建築について

今日の一枚は浜寺公園駅。この建物は明治40年(1907年)の建築だといわれている。今年で102歳を迎える。設計者は赤レンガの東京駅と同じ辰野金吾という人。木造建築は雨に濡れないように軒を大きく出すべきだという意見がある。確かに古い民家や社寺建築はそ…

赤石山脈の麓

本家ヨーロッパには一つしかないのに日本にはアルプスが三つもある。北アルプス。中央アルプス。そして今日の一枚、南アルプス。小学校の地図には赤石山脈と書いてあったけど、今ではこちらの方がポピュラーな呼び名だ。 ちなみに白根山は南アルプスの中で一…

メイプルシャーベット

今日の一枚は昨日のカエデの樹液。枝の切り口から零れ落ちた雫を地面に置いた器で受けた。落下地点は僅かな風でずれるので、半分近くはこぼれたかも知れない。採れた液も埃まみれだったから捨ててしまった。工房スタッフのKaoさんによれば、「カエデはこの…

自家製メイプルシロップ

今日の一枚はカエデの枝に溜まった樹液。メイプルシロップ?今日はカリンとカエデの手入れ。手入れといっても、ただひたすら枝を切っては片付けるだけで、形を整える余裕はない。カエデは葉っぱがきれいなので躊躇していたら伸びすぎてしまった。このままで…

忙しい人たち

今日の一枚は上海の「明珠タワー」という電波塔。地下鉄を降りて、最初に外灘(バンド)から見た風景。生憎三脚を持っていなかったので川岸の手摺にカメラを載せて撮影した。何枚か撮って、納得した訳ではないけれど、「とりあえずこんなものか」と手摺から…

年賀状

マサカリ大工から年賀状が来た。恐竜の絵が描いてあった。 そんな訳で今日の一枚はチラノザウルス-レックス。数年前、群馬県の自然史博物館で見かけた。今でもいるかもしれない。話は戻って、彼はつい先ごろ古墳時代の技を再現していた。遺跡から出土した当…

野焼き

今日は雪。寒いのは苦手だが雪景色を眺めるのは大好きだ。それにこういう天気は電話が少なくて、仕事がはかどる。計画中のスケッチをもう少し進めておきたいところだが東京に出張だ。残念ながら出かけなければならない。 今日の一枚は待ち合わせた場所の渋谷…

エコじゃなかったの?

今日の写真は「ペレット」。ちょっと不気味だけれどペレットストーブの燃料です。 二日続けて縄文住居の話を書いたが、長野県に出かけた本来(?)の目的はペレットストーブの視察だった。塩山にある再生民家に導入しようかどうか検討中のもの。興味があった…

昔の地球温暖化の話

今日も昨日の続き。手元の資料によると、縄文時代は12,000年前から2,300年前まで続いている。ざっと、10,000年。7,000年前から5,000年前頃気候が温暖化して、食料も豊富になってピークを迎えたという。 標高1,000mを超す、今なら避暑地みたいな所にも集落が…

縄文時代のステンレス

民家の再生に関わるようになって、造り方や素材への関心が過去にさかのぼる。度が過ぎると縄文時代にまで行き着く。あまりタイムスリップすると現在に戻れなくなるから注意が必要だ。 さて、今日の一枚は縄文住居。長野県の与助尾根遺跡にある復元住居の1つ…

山梨日々新聞社の本社屋

今日の一枚は甲府駅北口にある山梨日々新聞社の本社屋。設計者は丹下健三。既に亡くなってしまったけれど、日本を代表する建築家だった。 大学に入った一年目、その建築を見学するために友人が山梨まで来た。甲府の予備校に通っていたので浪人時代は毎日のよ…

部屋の片付け

年末には庭木の枝を切って、元旦に初詣。二日・三日で年賀状を出した。 例年、何枚かは「宛所に尋ねあたりません」と赤いスタンプを押したはがきが帰ってくる。住所変更の案内を貰って、直ぐ住所録に反映させてないのが原因だ。いない所に送っているのだから…

お師匠さん再び

今日の一枚はお師匠さん。以前も書いたが、猫はパッシブソーラーハウスのお師匠さんである。 相棒には「建築のブログなのにカラスやネコばかり」とからかわれるが、冬休みで建築ネタが無いんだからしょうがない。今日もお師匠さんのお力をお借りする。我々の…

グラウンド・ツアー

今日の一枚は土鈴。今年の干支さんです。ちなみにアメリカじゃ土の鈴を売って、アルコサンティー という未来都市建設の費用を捻出しているという。 自然と共生する都市だが、実現までまだまだ数百年かかるらしい。その前に人類が滅びちゃしまわないか?さて…