ある古民家の御柱

west2692009-01-16

今日の一枚は無人の民家。
使われなくなった民家がある。反面、民家を手に入れて使いたい人がいる。2者の間を取り持つ民家紹介のシステムがある。そんなボランティア活動の一環で、提供のために登録されている古民家の案内をしている。今日は座禅を組んだり、礼儀作法を身につけたりする人間教育を考えているお坊さんだ。お寺を離れ、古民家を手に入れて、もっと間口の広い道場を開きたいという。
我々の事務所はお寺の仕事の経験だってあるが、今まで手掛けてきた主な再生工事は住宅や商業施設やギャラリーみたいなものが主流だった。寒くて暗い建物を使いこなし、維持管理するのは確かに修行だろう。そういった施設には民家が似合うかもしれない。

案内した民家の床は氷のように冷たい。靴下の下から冷気が伝わってくる。お坊さんは薄着だった。「寒くはないですか」と聞いたら、「鍛えているからなんともありません」とのこと。千日行といって山の動物達と裸の付き合いをしたことだってあるのだそうだ。
下の写真はそんな民家の庭先にあった植木。

盆栽というにはちょっと大きすぎるが、変わった形の刈込だ。持ち主の話では「形が簡単で、維持管理が楽だから」とのこと。そして、「諏訪大社にあるような御柱の代わりに立てたもの」なんだそうな。「うーん、そんなものか」と思った。諏訪大社の「御柱」は噂には聞いていたけれど、未だ見たことは無い。隣の県に住んでいるのにうかつな話だ。近いうちに一度見に行こう。