屋根のある橋

鞘橋

川沿いに歩いて、街並みが途切れた辺りでこんなものを見つけた。屋根のある木橋。鞘橋と呼ぶのだそうだ。
とりあえず写真を撮ってから眺めると、川幅が広いのに中間部分に柱がない。

気になったので川岸に降りて、橋の下をのぞき込むとこんな風に丸太をつなぎ合わせてあった。

3本の丸太をつなぎ合わせて1本の梁に合成する。丸太同士のつなぎ方は平ほぞ込み栓といった手法か。説明が難しいけれど手順は以下のような感じだろう。

1:丸太を横にして側面に、上から下に向けて長方形の穴を空け貫通させる。
2:穴の位置を合わせて丸太を上下に重ねる。
3:丸太同士がずれないように穴に板を差し込む。差し込んだ板が抜けないように、丸太の真横から角材を打ち込む。
4:これで上下の丸太が一体する。
また中央部がアーチ状に盛り上がっていることも、歪み防止には効果的だろう。

合成した梁を橋の中央部に1本、両側には2本、合計5本をこちら岸から向こう岸まで掛け渡している。橋の長さが23メートルとのことだから、丸太1本当たりの長さは10メートル強といったところ。これなら人力で何とか施工可能だろう。単純かつ効果的な工法なのだ。
ついでの話だが屋根が掛かっているから寿命も長い。実際に明治2年に作られて、明治37年にこの場所に移築されて今に至るとのことだった。

枕木

緑のストライプ

今日の一枚は枕木。
我が家の駐車スペースが長いこと無舗装で土を露出したままだった。

それがいけないとは思わないけれど、自動車の重みと出入りの際のタイヤの轍で窪みが出来て、雨の日の乗車降車は水たまりに足を突っ込むことになる。

コンクリートで覆うのは嫌なので、枕木を敷いた。

敷き詰める際に隙間をあけて、芝生を植えた。駐車場緑化だ、この緑のストライプはなかなかいいぞ、なんて悦に入っていたのだけれど、芝はどんどん成長して、枕木の間に収まらず立体化して、芝生の山と枕木の谷ができてしまった。

おとなしく見えても、自然というやつは人の思うようにはいかない。
そしてこちらは我が家の前の水田。

近隣でわずかに残ったこの場所に、田植えの季節には水鳥がやってきた。長い間楽しみの一つにしていたのだけれど、これが最後の写真になってしまった。人の造ったものではあるけれど、ささやかで儚い自然の営みもある。

高灯籠

高灯籠

朝の散歩を続ける。犬連れの人から教えてもらった撮影ポイントからは灯篭が見えた。
近くによって見ると表札に日本で一番高い「高灯籠」とある。

ここでまた先ほど犬連れの人に行き会って「これは陸の灯台なのだ」との説明を受ける。昔の人達は暗がりにポツンと見えるこの灯台の小さな明かりを頼り琴平にやって来たのだそうだ。

ウーム。現代の旅行はどうだろう。旅館・レンタカーの予約は旅行社任せ。地図も見ないでカーナビ任せ。ついで運転も人任せ。
そんな昨今にくらべると心細い話ではある。

灯篭下のベンチには寝袋に包まる人がいて、隣のベンチには諸々の袋やら杖やら並んでいる。「同行二人」と記された傘も置いてあるのだった。
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水面

朝早く目が覚めたので旅館を出て川沿いに歩いた。家並みが途切れた辺りに神社があって、境内でこんなものを見かけた。草壁の家。

そういえば昨日は神輿をあちこちで見かけたし、夜も旅館の駐車場のあたりでもドンドン太鼓の音が聞こえていた。
その関係施設だろうか。入口上に「金比羅宮斎場」とある。「斎場」という文字からは人生最後の儀式を連想してしまうが、神社では祭祀・儀式の際の仮設建物をこのよう呼ぶこともあるのだそうな。昨夜神輿の乗っていた神様がお休みになっているのかもしれない。
邪魔をしないように静かに立ち去ることにする。

帰り道、住宅街を流れる川端をうろうろしていると犬を連れた人が話しかけてきた。
「この川は金倉川。琴平町の真ん中を流れている。川向うが商業街でこっちは遊郭街。写真を撮るならあの橋の上がいい。運が良ければ水面が鏡のようになっている」。
そんな訳でこちらは橋の上から撮った金倉川明け方の風景。

寄り道

west2692012-06-03

上棟式の現場にゆく途中に大きな公園がある。
普段は駅から現地まで直行だけど、今日は少し時間があるので、公園の真ん中にある池のほとりに建っているヒヤシンスハウスを見てゆくことにした。今日の一枚。
前回、前々回と休館日に遭遇してしまったが、今度は3度目の正直なのだ。
図面やら書類やら入って重い鞄と。お祝いの一升瓶もぶら下げて歩いて行った。
天気も良いというより、むしろ暑いというべきか。歩きながらふと思った。「3度目の正直」ともいうけれど「2度あることは3度あるとも」取り上げる数字は同じだけど意味は全く違う。要するに確率はあてにはならないという訳だ。
建物の周りでは人々が寛いでいた。ジョギングする人、犬の散歩、釣り人、ビールを飲む年配の一団だっている。
そして目指す建物はまたしても休館日だった。案内には水曜日・土日・祭日開館と書いてあった。そっちは休日に開館。休日みたいな人がこんなにいるじゃないかと思っても、訴える相手はいない。こっちは平日に訪問するしかないけど、水曜日に来られるとは限らない。仕事のついでに見に来るなということか・・・・・。
うーむ。

そんな訳でこちらは上棟式

達成感について

west2692012-05-20

バラが庭の銀杏の木の根元に生えてきた。狭い庭のさらに狭苦しいところだ。運の悪い奴だ。そのままでは大きくなれない。昨年の夏、もう少し広くて、日当たりのよいところに移植した。一時は葉がほとんど落ちて、枯れるのではないかと心配したが、持ち直して、白い小さな花が初めて咲いた。今日の一枚。

ところで、今日も恒例の草むしりで一日過ごした。
昨年は思うところがあってゴーヤで緑のカーテンを作ってみた。もともとエアコンを滅多に使わないので、節電にはならなかったけど、出来たゴーヤはなかなかうまかった。おかげで、むなしい作業だった草むしりにも達成感が生まれた。「人間万事塞翁が馬」なのだ。

調子に乗ってトマトやナスも作って写真をアップロードした。ある日、姓名を記入したらどんな人物なのか分かるというサイトを見つけた。試みに自分の名前を入れてみたら「農家」とでた・・・。なるほど野菜が多すぎた。たまには本業の写真を載せなきゃいけない。
そんな訳でこちらは基礎工事の様子。

新築というのか再生というのか、古材を使った住宅。
来週は上棟式なのだ。

海馬を鍛える

west2692012-05-13

今日の一枚はアヤメ。だと思う。
花菖蒲とかカキツバタとか似たような花があるけれど、実は区別がつかない。
昨年もウィキペディアで調べて、「そうか」と納得したのだけれど、その理由がなんだったか忘れてしまった。
あらためて調べると、アヤメは乾いたところに生えて、カキツバタは水中や湿ったところに咲くのだそうだ。我が家は隣が水田だからさらにややこしいが、どうやらこれはアヤメらしい。
人間の記憶を司るのは脳の中の海馬という所なんだそうだ。毎年、新鮮な出会いがあっても良いけれど、やはり少しは鍛えなきゃいけないと思うのだった。

こちらは佐久の家。2階の様子。間もなく完成します。