2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

鴨のいた風景

佐久平を軽井沢方面に向かって走るバイパスは水田地帯を乱暴に突っ切ってひたすら直線に走る。従来からある集落の構造なんか無視して機械的に計画線を引いたんじゃないかと、便利に利用しながらも文句を言う。 その一角にポツリと欅が固まって残っている林が…

花粉の季節

そろそろ杉花粉が飛散する季節なのだ。油断すると自動車の運転に支障が出る。くしゃみと一緒にアクセルを踏み込むことになるのだが、何故かそのとき目を閉じることになる。 そんな訳で昨日は例年通りおなじみの白黒耳鼻科医院(仮名)に行った。早期対策なの…

建て方の日

今日の一枚は「建て方」。「建て方」とは木造住宅の骨組みというか架構を組み立てることをいう。多くの場合1日で組み上げる。木造建築の最も面白い場面でもある。 先ずは土台を敷いておいて、柱を立てて、その上に2階の床梁や小屋梁を掛けてゆく。写真のよう…

隔世遺伝

今日の一枚は事務所の近くに最近まであった民家。クロネコヤマトに宅急便を出しに行くと駐車場からこの家が見えた。錆びた鉄板屋根と崩れかかった土壁と、ほとんど風化した雨戸が魅力的だ。「おい、大丈夫か」といわれそうだが、左側中央部分の屋根を何段も…

コーヒーと土壁

今日は昼食を取りながら打ち合わせ。建築設計の話じゃなくて2月に行われるシンポジウム準備の進捗状況の確認を関係者で行った。 受付・案内・挨拶・議事進行・食事準備や交通手段の手配やら、配布資料のまとめやらなんやらかんやらなのだ。事務所に戻って溜…

羽振り

今日の一枚は「螺旋締り」。宮光園の2階にある引き違い建具の戸締りに使っていた金物達。 我が家の北の窓からは近所の桐の木が見える。白いちいさな実を沢山つけていたが、ここ暫くの間、鳥達が朝食に集まっていた。とうとう食べ尽くしてしまったようだ。丸…

永遠平和のために

右の写真は修理を終えた宮光園の棟瓦。ちょっと扁平な「輪違い」。 今日は昨日の続きを書く。 外に出ないといえば、哲学者のカントも生まれた町であるケーニヒスベルクを生涯ほとんど離れたことはなかった。だから外国旅行にだって行ってない。閉じ籠もりと…

小さな虫

今日の一枚は「梅の花」。庭の梅が咲いた。まだ1月だが、こんなに早く咲くものだろうか。毎年見ているのに覚えていない。はて・・・・? 小さな虫が一匹、夢中で花にしがみついていた。蜜を取りに来たんだろう。カメラを近づけても、花に触れても逃げる気配…

ニッパー君

右の写真は昨日の続き。これは欄干にあった「宝珠」。 手摺を支える支柱の先端がこんな風になっている。出来た当時は滑らかに削ってあったはずだが、長い年月の間に風雨に晒され風化して木目が浮き出してきた。 欅の表情も手伝ってか、開花する直前の蓮の蕾…

赤い屋根の真実

1月13日にこんなことを書いた。「食堂の窓から見える山のお寺の赤い屋根も白く見える」。今日の一枚はその「赤い屋根のお寺」。ブドウ畑が途切れたところから、急に険しくなる山の斜面に建っている。 ハイキングに行ったことがある知り合いの話では「あそこ…

石に彫られた文字

イベントの資料を作成するために塩山・勝沼地区を随分歩いて写真を撮った。普段は自動車で慌しく通り過ぎるだけだが、あらためて眺めてみると意外な発見がある。 今日の一枚は石柱。旧甲州街道の勝沼小学校の前にある。何時の時代に設置されたものかは分から…

ハーベストチャーチの十字架

今日の一枚は富士山。2月に行われるイベント用小冊子の表紙に何を使うか悩んだ。ここは山梨なんでとりあえず富士山はどうだろう。あまりにもありふれているけれど、昔々の500円札の裏表紙に印刷してあった富士山だって大菩薩峠から撮っているじゃないか。塩…

先祖がえりの柱

今日の一枚は「祝学校の柱」。祝学校とは明治初めに山梨県で盛んに建てられた擬洋風学校建築の一つ。 この柱は学校の入り口付近のバルコニーを支えていた。学校が解体される際に、何故か縁あってお隣の宮光園に引き取られ、東屋の柱に使われていた。 柱の表…

狐の観音

以下訂正です。1月15日に撮影した狐を頭に載せた石像の話。勝沼の考古学者に写真を見せたところ「これは馬頭観音」とのこと。狐を乗せた観音像はありえないのだそうだ。 そういえばだんだん馬に見えてきた。われながらいい加減な話ではある。同じ勝沼で別の…

建築の鑑賞法

今日の一枚はビニールハウス。夕方、勝沼はぶどうの丘で打ち合わせに行く途中で見つけた。内部に明かりが灯っている訳じゃなくて、ビニールでできた壁の向こうに沈んでゆく夕日が透けて見えている。ありふれた風景も光の加減で思い掛けない表情を見せる時が…

草をむしって起きる

門前仲町に行くためには新宿から総武線を使って、途中で東西線に乗り換えればよい。簡単だ。水道橋で降りて外堀を渡る。 たんぼの前に住んでいるせいか水を湛えた堀割は好きな風景だ。 大学のある飯田橋にも同じ堀割があったけど、埋めたててナンチャラプラ…

雪の狐

勝沼の深沢集落に行くと道路には雪が積もっていた。2月にはそこでイベントを行うことになっているので、小冊子用の資料収集なのだ。「集落」として紹介するからにはそれなりに家が集まった写真が欲しい。ところが、山間の一本道に沿ってポツリポツリと家が点…

蟻の頭

今日の一枚は梁の端部を修理した所。黒い部分が古材で白い所が新しい木材。虫害や雨漏りにより傷んだ部分を取り除き、同じ種類の木で修理する。これを接(ハギ)木などと呼ぶ。写真が小さいから判り難いけど、良く見ると木目まで揃えてあるのだ。 この場合、…

第三の人生

今日の一枚は雪景色。韮崎の家にある土蔵の窓から見える風景。暖かい部屋から雪景色を見るのは好きだが、この建物にはガラス窓がない。雪の様子を見るためには障子をそっと開ける。熱が逃げるのですぐに閉める。雪に風が混じると紙張り障子は濡れて破けやす…

雪の日の現場

今年初めて工事中の現場に出かけた。午前中は勝沼に行き、午後は韮崎だった。偶然だがどちらも土壁を塗っている。そして、今日はとても寒くて、お昼近くから雪が降ってきた。 土壁に凍結はタブーだ。 凍らないように勝沼では建物全体をブルーシートで覆って…

労働の効率化についての愚考

ノートパソコンのおかげで、図面や重い資料を持ち歩く必要がなくなった。家でも仕事場でも仕事が出来る。便利だ。 しかし、便利さを維持するために厄介なことも有る。昨日は写真の整理が終わったら夜中の2時過ぎになってしまった。慌てて布団に入り、7時に起…

古い心と新しい意匠

今日の一枚は昨日頂いたレモン。 パソコンの動きが悪いので、プロパティを開いてみた。残りの容量が4ギガとあった。成る程重い訳だ。写真を次々と撮っては保存したきり整理しなかったので、いつの間にか溜まってしまった。いよいよデーター整理をしなければ…

雪中のレモン

今日も昨日の続き。 右の写真は我が家の前の「刈穂に積もった雪」。 朝起きて、先ずは北側の窓から山を眺めた。期待を裏切り、山達はいつもと同じような顔をしている。積雪があっても、あまり少ないと遠目には白く見えないようだ。写真家のI氏は目的通り撮影…

求めよさらば

今日は昨日の続き。東京に出張し、深夜に塩山に戻った。列車が勝沼を過ぎ、トンネルを抜けると何だか目の前が白い。雪が降ったのだ。「求めよさらば・・・」なのだ。早速電話で「小雪だけれど」と連絡を入れた。山ならもう少し多いかも知れない。早速出発し…

雪を待つ山々

おとといの写真は牛で、昨日は馬だった。なんだか夏のお盆に飾るナスとキュウリみたいだが、季節は間違いなく冬なのだ。 そんな訳で、今日の一枚は八ケ岳の麓。 富士見の現場では基礎工事が始まっている。スタッフのM君が撮ってきた工事写真を見ると、基礎工…

気の長い季節

今日の一枚は「馬」。清里の牧場にいたが、動物園じゃないから表示が無いのだ。それにしても足が短いなと思い、念のために相棒に確認したら、シェットランド・ポニーというものなんだそうだ。一応「馬」だとのこと。なかなか難しいものだ。 昨日は今年の仕事…

門松な牛

今日は1月3日の続き。計画性も無く行き当たりばったりで文章を書いてると、話はこのように前後する。そこで今日の一枚は「笑う門松」の全体写真。松より竹のほうが目立つのだけど、何故か門松と呼ぶ。我が家の住む地域では「門松の代わり」と称して、門松…

春夏秋冬

今日の一枚は「庭の花」。枯れた草やら落ち葉に混じって、こんな花が咲いていた。 確か「ビンカ・マジョ−ル」とかいった。 夏は花壇いっぱいにはびこる厄介な植物だ。この寒空に咲くくらいだから、たいした生命力ではある。景気低迷の時代を生きる設計事務所…

笑う門松

今日は高根町清里の温泉に行った。といっても、正月だからお風呂にゆっくり浸かってくつろごうという訳じゃない。昨年遣り残した用件を片付けなければならない。残念ながら午前中でとんぼ返りだ。 高速道路を須玉で降りて暫く走ると雪が舞いだした。太陽は出…

梅の蕾

今日の一枚は庭の「梅の蕾」。40年前に松里というところから引っ越してくる時に、家だけじゃなくて植木も何本か運んできた。残っているのはとうとうこの梅の木だけになってしまった。10年ほど前まで毎年大量に実をつけていたけれど、毛虫やら蟻に食い荒らさ…