雪の狐

west2692010-01-15

勝沼の深沢集落に行くと道路には雪が積もっていた。2月にはそこでイベントを行うことになっているので、小冊子用の資料収集なのだ。「集落」として紹介するからにはそれなりに家が集まった写真が欲しい。ところが、山間の一本道に沿ってポツリポツリと家が点在しているだけで、しかも崖の上に建っている。見上げると斜面の樹木に遮られて家の全容も見ることができない。集落を抜けきって、人家が途絶え、路線バスの回転広場のところで、やっとこんな写真が取れた。今日の一枚。
空は晴れているのに、大きな雲の塊りがあって太陽が隠れがちだ。時々雲の薄くなったところから薄日が差し込んだら撮れば良い。カメラを覗いて少しづつ動きながら、撮影ポイントを探し、シャッターチャンスをずっと待っていた。
すると何だか、股のあたりを突くものがある。周囲は雪ばかりだ。人気はない。風かな、それとも雑木の塊りに紛れ込んだのかなと、足元を見ると犬がズボンを咥えて引っ張っていた。ぎくりとしたが、首輪がついている。せっかくの邂逅だから記念撮影しようとカメラを向けると顔を隠しながら走り去った。崖から落ちないように注意してくれたんだろうか。でも、前から食いつくことはやめて欲しいものだ。
下の写真は通りすがりの段々畑の擁璧に埋め込まれていた石像。
何のおまじないか頭に狐が乗っている。それにしても、雪に埋もれて寒そうだ。