2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

一足お先

これは山梨県庁舎の4階から見た風景。解体中の建物はかつて「アーバン」という名前で賑々しくデビューした百貨店の店舗だった。その後西武デパートの時代を経て、県民情報プラザという名前で最近まで使われていた。解体後の跡地には、防災センターという大規…

甍の波

今日の一枚は屋根瓦。 再生工事のために足場を掛けている現場から「屋根が波打っているので見に来るように。対処方法を相談したい」と連絡が入った。「甍の波と雲の波」という位だから、瓦屋根が波打ってるのは当然だが、ここでは屋根の面そのものが波打って…

視覚に訴える

我が家の前の駐車場は以前水田だった。ある時、砂利を運び込んで駐車場として近所の人たちが借りるようになった。行き止まりの路地だから借り手は少ない。 余った所には刈り取った雑草が積み上げられるようになった。数年後、堆肥化した雑草の山になにやら蒔…

民家の築年数の調べ方

右の写真は「巨峰」。もしかするとピオーネという品種かも知れない。こうして一房づつ袋をかけて大切に栽培するのだが、昨今は収穫間際に盗まれるケースが多い。誠に世知辛い世の中なのだ。 さて、今日は民家の調査。調査項目の一つに築年代の確認がある。こ…

面戸漆喰

今日の写真は面戸漆喰の作業。正式な名称かどうか判らないが、現場ではそう呼んでいた。 写っているのは1階の下屋の屋根と外壁が取り合うところ。外壁の洗い出しで造った水切りの下に際瓦を差し込んで、屋根の瓦(平瓦)を押さえる。最後に際瓦と平瓦との間…

避雷針と雷

昨日の雨が嘘のように今朝は爽やかな青空だった。雲が高くて、まるで秋の空のようだと思っていたら、昼過ぎからはぐんぐん積乱雲が大きくなっていった。まだまだ夏なんだ。 宮光園に行くと昨日はバケツで水をぶっ掛けるような横殴りの雨が窓から侵入して大忙…

晴耕雨読

今日はこんな本を読んだ。「中国=文化と思想」(林 語堂 著・鋤柄治郎 訳)。 中国人の人生に対する理想は人文主義なんだそうだ。「晴耕雨読」もそのひとつ。それに倣えば今日は庭仕事ということになる。庭は夏草で覆われつつあるけれど、陽射しが強いので…

デジカメの結露

今日の一枚は古瓦を積んだ塀。我々の事務所の近くで知人が土蔵を美容院に再生していた。その庭先にあったもの。 22日に放送していた高校野球の試合は炎天下だった。「あんな暑い所で、大丈夫なのかね」と噂していたら、次の朝刊には「熱中症」で観客が2人ほ…

御影石の割り方

今日の一枚は御影石。大月市の山の中においてある。 設計の打ち合わせに行くと「使いたい石があるんだけど見ませんか」と誘われた。家を出て坂道を下り、少し平らな場所に出る。こんな感じの石が幾つか積み上げてあり、周囲の夏草にもまだまだ沢山埋もれてい…

建築で一番暑い場所

昨日の甲府の気温は37度を超えたんだそうな。そして今日も相変わらず暑い。 お昼を食べに入ったうどん屋のテレビでは夏の甲子園の予選を流していた。お店は冷房が効いているが、炎天下のグランドはさぞかし暑いだろう。それにしても、どうしてこんな時期を選…

お師匠さんの夏

今朝の新聞にこんなことが書いてあった。昨日勝沼で観測された気温は全国で4番目の暑さ。 聞くところによると、梅雨明け後の2週間は一年で一番暑い日が続くんだそうだ。それならあともう少しなのだ。 さて、先日事務所の東側にある於曽公園の木の下で涼もう…

耐用年数

今日の一枚は宮光園の古瓦。左側の「く」の字というか「へ」の字みたいに曲った瓦が隅の棟瓦。右側の丸い瓦が直線部分の棟瓦。「耐用年数の過ぎたようなものばかりじゃないか」とお叱りを受けそうだが、文化財なんだからしょうがない。かろうじて形を保つ程…

ヒキガエルの健康について

今日は大月の山の中で打ち合わせ。大きな3階建て養蚕民家の再生相談だった。 山の斜面に建つ家の多くは南側に庭を取り、北側に崖を控えている。遠目には緑に埋もれ自然と一体化した好ましい風景だが、崖から流れ出る土で土台が埋められて、建物が傾く原因と…

高原野菜

梅雨明けした。今日は休日だが長野県の佐久に出張した。野辺山から小海に抜ける途中の八ケ岳の麓を通りかかると、農家の人が忙しく働いていた。高原野菜の出荷なんだろう。 今日の写真はコスモス。向こうで大きく口をあけたキャベツみたいなものがいわゆる高…

虫食い木材の補修

今日の一枚は虫食いの古材。古民家には時折こんな古材が混じっている。シバン虫とかマツクイ虫の食害を受けたらしい。 100年以上風雪に耐えてきたんだから虫食いくらい当然なのだが、流石に表面がザラザラとささくれだった面で手に棘が刺さるのは困る。皮膚…

6寸勾配

今日の写真は屋根の「雪止め」を取り付けているところ。 山北の家に行くと家の前に銅板を乗せたトラックを停め、昼休みを取っている一団がいた。上棟後1ヶ月。ようやく銅板が来たらしい。それにしても、材料が来るまでに1ヶ月も待ってしまった。 屋根の勾配…

所業無常

今日の一枚は市営住宅。甲州市がまだ塩山市と呼ばれていた頃設計した建物。これは南側の畑から見たところ。2000年の完成だからもうすぐ築後10年になる。工事中、目の前の畑で住宅建設が同時に行われていた。木造の2階建てだったが、こちらの建物と張り合うか…

戸袋の復元その2

今日の一枚は「雨戸戸袋の基礎」。昨日検討した戸袋は北側の縁側にあった。こちらの戸袋は南側にある。 宮光園には昔の記念写真が沢山残っていて、人物の背景に建物が写っている。これは修復設計には貴重な資料となる。 写真にはこんな感じで2段積み重ねた石…

戸袋の復元

宮光園の北側の縁側にはかつて雨戸が存在した痕跡がある。戸袋を復元しなければならないが、復元のための根拠が無い。かつての戸袋の部品とか、写真が残っていれば良いのだが何も無い。こういうときは同時代の類似した建物を参考にして復元する。 そんな訳で…

大阪障子

昨日発見した登録文化財の近くにはこんな家もあった。今日の一枚。 右側に見える履き出し建具はいかにも日本的で、この部分の上は日本瓦で葺いてある。 ところが、左手にある突き出し部分には異国風の瓦とスタッコ風な外壁と破風板端部の三角板と、同じく三…

後戻りな1日

今日は打ち合わせのために笹子まで出かけた。休日なので、時間にも余裕がある。途中笹子トンネルの入り口付近にある道の駅でスモモを売っていた。今日の一枚。 朝取りなら美味いに違いない。帰りでは売切れているかもしれない。かといって、自動車の中に入れ…

犬走りで蛙飛び

今日の一枚は昨日の続き。飽きもせずカエルなのだ。こちらは犬走りのところで蛙飛びをしていた。とぼけた奴なのだ。 我が家の前の路地から県道に出るところは以前T字路になっていた。最近というかここ7,8年掛かりで行った道路工事のおかげで、T字路は十時路…

睡眠不足な1日

今日は那須塩原の家の撮影。太陽が高く昇ると影が濃くなるので朝の内に撮影しようと夜中の3時過ぎに家を出た。 軽く朝食を済まそうと談合坂のサービスエリアによる。期待していたサンドイッチのコーナーは閉まっていた。考えてみれば当然だが、24時間営業だ…

足場の昇り降りな1日

今日の一枚は「小屋裏換気口の検討」。小屋裏、すなわち2階の天井の上にある屋根裏にこもった熱気というか空気を抜くために、屋根の軒下にある壁の部分に穴を開ける。穴を空けた場所には小動物や昆虫が入らないように網をかけて、格子で保護しなければならな…

雨の星祭

今日は七夕。にもかかわらず外では雨が降っている。雨が降ると星は見えないのに、梅雨の季節に星空の祭りというのも変な話だなと思っていたら、日本古来の七夕は秋の季語だったそうな。元来雨の季節に行う行事じゃなかった訳だ。旧暦をグレゴリオ暦という現…

出納帳と貨幣

今日の一枚は「出納帳」。もしかすると「普請帳」と呼ばれるものかも知れない。各項には職人の名前が書いてあって、支払い金額や項目、日付が細かく記してある。建物の中から出てきた大工道具に記された名前と同一の人物に対する支払い記録も載っていた。 宮…

ビワの実

宮光園の敷地内には公図にも記されているが、草と土に埋もれた細々とした溝が残っていた。草を刈って泥を取り除いたら、巾1メートルくらいの石積み護岸の立派な水路が出てきた。するとチョロチョロと申し訳程度に流れていた水もサラサラ流れるようになり、集…

食卓の楽しみ

例によって、今日も草むしりだ。目に見えぬほどゆっくりだが植物は毎日伸びている。ウサギと亀ではないが、月に一度や二度、草を刈る位では追いつかない。「世の中は三日見ぬ間の桜かな」という江戸時代の川柳をもじって、「三日見ぬ間の草の丈」という嘆き…

一口に「和瓦」と言っても・・・。

今日の写真は軒先瓦。増穂町の昌福寺の大玄関や渡り廊下などの建物にこうした軽やかな意匠の瓦を使用してあった。珍しい形の瓦だが、名前が判らない。特注なのかな? 野郎瓦というものも最近知ったばかりだ。良い機会なのでインターネットで調べてみた。 例…

昭和初期の1.0Mpa(メガパスカル)

昼休み家に帰ると葉っぱの上にこんな小さなカエルがいた。我が家の東側約20メートルまで道路が迫ってきている。家の西側にある材木置き場にも新しく家が建った。家の前にたった2枚残された水田も何時まであるのか判らない。そんな世間の動向をよそに、こうし…