甍の波

west2692010-07-30

今日の一枚は屋根瓦。
再生工事のために足場を掛けている現場から「屋根が波打っているので見に来るように。対処方法を相談したい」と連絡が入った。「甍の波と雲の波」という位だから、瓦屋根が波打ってるのは当然だが、ここでは屋根の面そのものが波打っているのだった。
瓦が載る屋根板(野地板)を支える垂木という部材が、狂い易い丸太で出来ている。これは野趣味はあるが、なかなか厄介な材料だ。
1本が上に反り返れば、隣は下に反り返る。まだ若い時に切った木だから自己主張も強かったんだろう。それぞれ勝手な方向に反ったり曲ったりしている。だから軒先も垂木に合わせて上がったり下がったり、内閣の支持率みたいになっていた。
古い瓦の表面には苔が生えている。周囲には同じ様に苔を生やした瓦屋根が多い。屋根の先端の瓦を重ねた隙間にはこんな蛙がいた。

なんでも「屋根蛙」というらしい。
庭先では土壁用の泥を作っていて、今年はおたまじゃくしが沢山生まれて賑やかだったとのこと。成長するに従い、高い所に移動する訳だ。もしかして「甍の波」という位だから、瓦屋根は大量の水を隠しているのかもしれない。やはり民家は小さなビオトープなのだった。
注:少々誇張あり。