2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

山梨のディープでスピリチュアルな歩き方

今日の一枚は深沢集落で見かけた「りんごの実」。誰か触った人の跡がある。 勝沼のフットパスに出かけた。古民家の残る深沢集落を見て歩こうという企画だ。 大日影トンネルを歩いて抜けて、バスに乗り、集落はずれの大石神社に行く。そこでおにぎりを貰い徒…

朝霧晴れて

今日から建築士法が変わって設計監理契約の前に「重要事項の説明」が義務付けられる。どんな内容かというと、設計者の名前・事務所の名称・作成する図面の内訳やら、設計料の金額や支払条件についての説明だ。憚りながら中身は我々の事務所でほとんど昔から…

講習会な一日

今日は「管理建築士資格取得講習」というのに出かけた。風変わりな名前の建築士が構造計算書を偽造した事件のおかげで、建築基準法やら建築士法やらが変わった。今日からは設計事務事務所を開くのにも一級建築士に加えて「管理建築士」という資格がいるんだ…

竣工写真の顛末

今日は白根町で再生される民家の工事契約の立会い。今年中に解体して、揚屋をする。来年ゴールデンウイーク前に完成引渡しというかなりタイトなスケジュールだが、農家は5月以降忙しくなるので、なんとしてでも終わらせなければならない。契約の後、「赤壁の…

隣地の建築工事

今日の一枚は小田原にある県税事務所の駐車場で見かけた樹脂製の雪の結晶?今日は本当に寒かった。まだ11月だが雪が降っても不思議は無い。税金の関係で小田原市に確認通知書と確認申請書の控えを出すことになった。担当窓口に問い合わせると確認通知の控え…

公共建築の見学作法

現場監理の帰り、脱線して栃木県芦野の那須歴史探訪館に寄った。今日の一枚は敷地内にあったスチールとステンレスで出来た露天のベンチ。これなら雨に濡れてもすぐ乾く。 職業柄、施設の展示よりは建物の方に関心がある。その時は既存の古い建物と新しい建物…

木目彩色

明治時代の建築で擬洋風建築というのがある。山梨では藤村式とよばれているが、当時の職人達が欧米の石造建築のデザインを左官や大工技術を応用して実現している所がなかなか楽しい。今日の一枚はそんな明治の職人の仕事です。これは「木目彩色」という。ペ…

山梨の草葺民家

山梨日日新聞社で出版した「山梨の草葺民家」という本がある。この本には馴染み深い旧塩山市内の民家も紹介されていて、ぺらぺらページをめくっていると、見たことがある民家や風景が混じっている。同級生の家もあった。その中に「この家は絶対に見たことが…

画竜点睛

民家の再生工事は先ず解体工事から始まる。解体時には思いがけないものが見つかることがある。杣口の家では以前厩だった場所からこんなものが見つかった(今日の一枚)。 何に使われていたものなのか良くは判らないが、出てきた場所から考えて、馬に鋤を曳か…

ベンガラ入りの土壁

塩山の再生民家の土壁は建築主が仕上げることになっていた。正月に様子を見にゆくと、土間に赤い土壁のサンプルが幾つも置いてあった。実験的に中塗り土に ベンガラを混ぜてみたという。話は突然変わるが昨年、昌福寺というお寺の庫裏を耐震補強した。江戸時…

千年杉

今日も階段。階段といえば、山岳地の神社やお寺の境内は石段を登った先にある。 古びて苔むした石段にはつい登りたくなる雰囲気があるが、多くの場合段数は半端じゃない。今日の一枚はそんな石段のゴール間際の風景。 増穂町の平林にある氷室神社は標高1000…

回り階段

「階段をちゃんとデザインしないやつは建築家じゃない」とルイス=カーンという巨匠の言葉がある。 確かに機能を満たすだけの階段は貧相だ。凝ったデザインでも人の動作に対する配慮を欠いた階段は役に立たないし、危険でもある。 反対に良く考えられた階段…

ワインツーリズム

今日の一枚は勝沼の祝橋。 この祝橋は勝沼の鉄道駅と農場地域を結ぶ重要な施設だった。葡萄を馬で運んでいた時代は木製の吊橋だったが、自動車の登場に伴いコンクリートの橋に変わっている。出来た当時は永久橋と呼ばれたが、交通量が増えたのだろう。今では…

リノリュウム

今日の一枚は「リノリュウム」。6,7年前、保存修復工事の設計監理を行った時の旧田中銀行の床材に使われていた。塩ビ製の床材に似ているが、本来のリノリュウムは天然素材で出来ている。自慢じゃないが、その時まで本物のリノリュウムに接する機会はほとんど…

結霜ガラス

今日の一枚は建具。 これは「ガラス障子」とか「東障子」などと呼ばれ、アルミサッシ普及以前一般の住宅でよく使われていた。 昨今の住宅には気密性能・断熱性能が要求されるので、外部の開口には多くの場合アルミサッシが使われている。 木製の建具でも気密…

土蔵の鉄格子

今日の一枚は土蔵の鉄格子。 真面目な楽庵の話その3。 民家の再生を手掛け始めたころは、再利用するのは主に柱や梁だった。古い板類を使わない理由の一つは解体に手間がかかり、取り替えてしまう方が安いと考えていたからだが、上手く利用できれば古材独自…

木摺漆喰

昨日の続き(若干誇張あり)です。楽庵は腰の部分をモルタルで仕上げたが、建築主によれば腰以外の外壁は「木摺漆喰」が良いという。 外壁に漆喰を塗る場合は一般的にモルタルを2センチほど塗って、その上に薄く漆喰を塗って仕上げるのが一般的だ。しかし「…

臨機応変

今日の写真は楽庵の腰壁。「モルタル櫛引仕上げ」の一種。楽庵は武蔵小金井の準防火地域に建つ。簡単に言うと、建築基準法でいうところの準防火地域では外壁に板を張ることができない。隣地が火事の際に燃え移るから、可燃材料はイカンのだという。もちろん…

予定外の貰いもの

写真は移築したお倉の建て方の風景。武蔵小金井の住宅街に小さいけれど材木のかたまりのような家が出現した。 移築のため千葉県に民家を見に行った。目的の建物は入り組んだ敷地の奥で、しかも池の向こう側にある。解体も搬出も困難と思われた。 帰り際にふ…

自分の足元を見る

今日の一枚は清白寺の庫裏。 清白寺は塩山の隣、山梨市にある。20年ほど前は修理工事のために毎日のように通っていた。 日曜日、知り合いの見学希望に応えて久しぶりに出かけた。 いつも目的地は茅葺の庫裏の方だが、今回は仏殿の方だ。見慣れた建物だが、初…

ミニミニ合掌造り

合掌造りといえばマンモスに似た巨大な民家を連想しがちだが、こんな小さなやつもある(今日の一枚)。富山県五箇山の菅沼という集落のはずれにあった。農機具なんかを入れておく小屋みたいなものなのだろう。 なんとなく七五三的おかっぱ頭ではある。 大き…

俳人の家

今日の一枚は「向井去来の墓」。嵯峨野にあった。 高さ30センチくらいの自然石に「去来」と彫って、庭先に立ててある。京都は中学・高校の修学旅行とその後1,2回短時間の町歩きをした程度で殆ど縁が無い。 この時は前日に用件を終え運良く時間が出来たので…

サグラダ=ファミリア教会の亀

記憶と言うものはアテにならない。忘れるはず無いと思っている出来事や物事の順番も、いつの間にか輪郭があいまいになってしまう。そうするとこのブログも、いつもあいまいだったり、いい加減な表現になってしまう。反省。「ちゃんと記録しておかないと」と…

縄文集落

今日の一枚は「股建ての家」。富山県五箇山の相倉にある。 合掌造りの屋根の部分だけで出来ていて壁が無い。こういった造りを 「天地根源造り」とも言うらしい。一説には最古の建築の作り方なのだという。 たしかにシンプルで作り方も簡単そうだ。なかなかい…

蜜柑の花咲く丘

今日は小田原の家の現場監理に出かけた。現場には大井松田で高速道路を下りてゆく。高速の出口周辺には飲食店が多いが、やけにラーメン屋が多いような気がしていた。そこで、現場に着くまで何件あるか数えて見た。 思っていたよりも少なくて、15軒だった。 …

和洋折衷

今日の一枚は古河庭園の鴨。北区王子の古河庭園には洋館とバラ園と日本庭園がある。 微妙な組み合わせだが、建物から2種類の庭が同時に目に入らないように高低差や樹木を利用して配置されている。バラ園からも和風の庭があるようには見えない。そんな具合に…

赤い壁

今日の一枚は韮崎にある民家の庭先に咲くタンポポと越冬準備にいそしむミツバチ。 アルハンブラ宮殿の壁は夕日に赤く染まるので、赤い城といわれている。 フランシスコ・タルレガの「アルハンブラ宮殿の思い出」やイザーク・アルベニスの「朱色の塔」はアル…

飛行機雲

今日も秋晴れの気持ちのよい一日だった。午前中は久しぶりに庭の草むしりをした。さて、今日の一枚は赤い実。 「赤壁の家」(インフォーメーション参照)の庭にはえていた。実は我が家の庭にもあるが、何の実なのか分からない。齧ってみたらほおずきのような…

塞翁が馬

今日も昨日の続きで民家の実測調査に行く。昨日と打って変わり、天気が良くて気持ちのよい一日だった。こんな日は実測もはかどる。今日の一枚は土蔵の妻壁に見つけた円盤状の飾り。通常この場所には家紋や家名を書いたり、「水」やら「龍」などの文字が書か…

もっと光を

朝から設計のスタッフ達と民家の実測に出かけた。彼等が屋根裏を覗き、床下に潜り込んでいる間に、建築主と諸条件の打ち合わせをして、建物のあちらこちらを撮影する。 精密な図面を描くためにはすべての部屋をくまなく、舐めるように記録しなければならない…