自分の足元を見る

west2692008-11-11

今日の一枚は清白寺の庫裏。
清白寺は塩山の隣、山梨市にある。20年ほど前は修理工事のために毎日のように通っていた。
日曜日、知り合いの見学希望に応えて久しぶりに出かけた。
いつも目的地は茅葺の庫裏の方だが、今回は仏殿の方だ。見慣れた建物だが、初心に帰って見学するのも悪くない。
仏殿は室町時代の装飾の少ない簡素な建物といった印象だったが、あらためて細部を見ると扉の格子にはこんな繊細な細工があった。

いままで気がつかなかったとはうかつだった。

ゲーテは目にしたものはすべて認識し、記憶して、絶対に忘れなかったという。しかし「天才」ならぬ凡人の目と記憶はそう便利ではない。こうやって、繰り返し接することでやっとこさ新しい発見がある訳だ。
せっかくだから仏殿の中も見学させてもらおうと住職を探した。
庫裏の入り口の建具を引いて声をかけたが留守のようで返事は無い。土間の中央に立つ大黒柱の足元をみると墨で「脚下照顧」とあった。