ミニミニ合掌造り

west2692008-11-10

合掌造りといえばマンモスに似た巨大な民家を連想しがちだが、こんな小さなやつもある(今日の一枚)。富山県五箇山菅沼という集落のはずれにあった。農機具なんかを入れておく小屋みたいなものなのだろう。
なんとなく七五三的おかっぱ頭ではある。
大きな三角形をした合掌造りの屋根裏は養蚕などの作業スペースのために生まれた、と言われている。しかし、これを見ると必ずしもそういった機能上の要求だけが動機ではないように思う。物置とはいえデザインでも仕事でも気は抜いていない。案外こういった形自体を好ましいと思って造っていたのではないだろうか。妻面の藁を留めるための縫い目や押縁の形は楽しんで造った様子が偲ばれる。
さて、下の写真は五箇山から白川郷に向かう途中にあったミニ合掌造り。

気のせいかこちらは厳しい表情をしている。流刑地でもあり、この小屋には政治犯を入れておいたのだという。格子は頑丈そうで、脱出は困難だ。反面、あっちこっち穴が開いていて、寒気や隙間風が入り込むことは容易だ。これで無事に春を迎える事が出来たのだろうか。