2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

踏切門

北鎌倉で下りると雨が降っていた。かつて相棒のなじみだった「たまごや」で150円のビニール傘を買って円覚寺に向かう。 円覚寺といえば遠い昔読んだ夏目漱石の「門」を思い浮かべる。家のどこかに本もあるはずだけど、どんな話だったのか忘れてしまった。確…

ハトサブレーの秘密

今日の一枚は蓮の葉にのった雨粒。鎌倉の円覚寺で撮影した。雨の中、円覚寺の舎利殿を見に行ったが、中には入れない。山門のところで拝観料(?)を取るので当然見学できると思った。 しかし、境内には入れるけれど、舎利殿のある一角には立ち入ることが出来…

電気仕掛けの水車

今日の一枚は「突き臼」。石で出来た臼といえば「曳き臼」を思い浮かべるが、中にはこんなものもある。臼の穴の内側が手のひらで玉を包み込む時のような形になっている。この穴の中にモミを入れて杵で突く。杵で突くと、押されたモミは内部の壁面に沿って、…

伊那の金次郎

今日は宮光園の「出来高検査」。工事費用の中間金を支払うために出来高を検査員が確認する作業だ。現場事務所で書類と写真の検査をした後で、現場を視察して検査員は帰っていた。 一段落してから、足元を見ると「根石(8月24日)」の上に基礎石が並べてあっ…

連載第365回目

ブログを始めて今日で丁度1年。ちゃんと続けられるのかどうか心配だったけど、365日間1日も休まず続けられた。風邪で寝込むことも無かった。運さえ良ければ何とかなるものだ。 そんな訳で記念すべき365日目の1枚は「桃介橋の主塔」。このブログの最…

ギーッチョン!

今日の一枚は妻籠宿の「ニラの花」。我が家の庭にも生えているありふれたものも、旅先で見かけるとなんだか特別なものに見えてくる。 ネットで検索していて知ったことだけど、昨日のブログに書いた、川の上にせり出した家は「ぎっちょん」をいれた虫籠に似て…

ぎっちょんかご

今日の一枚は「崖造り」の風景。崖造りとは長野県の木曽福島に見られる建築の方法。ご覧のように、川沿いの敷地に家がひしめいている。最初は倹しい暮らしであっても、家族や荷物が増えると家を広くしたくなる。両側には家が建ち、前面は道路、裏には川が流…

迷惑な話

今日の一枚は水路。宮光園の敷地内の草叢に幅4,50センチの水の流れる溝があった。公図で見ると、もう少し広い水路として表現されていた。古い写真の建物の足元にも石で造られた川の縁が写っている。そんな訳で、水路の内側と底にある泥を取り除くとこんな水…

妻籠宿の猫

今日の一枚は 妻籠宿の猫。宿場の外れにある民家の前でこんな風に道行く人を眺めていた。人馴れしているのだろう。近づいても逃げてゆかない。カメラを向けても、警戒する風でもなく、逃げ出す気配もない。猫の写真は難しいが、ここでは接近して撮影が出来た…

静かなること林の如し

昨日の続き。 豊川稲荷のキツネに化かされた後、平和通に出る。平和通とは甲府のメインストリートだが、この一角は自動販売機だけがずらりと並んでいる。おっさんが自動販売機で缶ジュースを買っていた。後ろの建物は空き家らしい。見るとこんな建物だった。…

キツネのお寺

今日の一枚は豊川稲荷。県庁で用事を済ませ、次の待ち合わせまで時間が出来た。県立図書館で時間をつぶしてから、甲府駅に向かうことにした。あまり暑いので日陰を行こうと、何時もの通りから一本外れた狭い道を歩いてみたら、こんなものを見つけた。浪人時…

再開発なのだ

今日の一枚は山梨県の県民会館。この日はこの建物の7階に呼び出された。 最近は老い先き短い建物ばかり見て歩いているようだけれど、これもそんな1棟。耐震性が低くて危険だから取り壊すんだそうだ。噂じゃ耐震工学の権威が構造を担当したと聞いたけど、よ…

先祖帰り

今日の写真は甲府カトリック教会の天井。ここに教会があるのは知っていたけれど、何時も慌しく前を通り過ぎていた。 駐車場には「当教会に用件のない方は駐車しないでください」とあった。「用件はあるといえばある。見学だ」と勝手に解釈して車を停めさせて…

××だから仕方ない

暑いのに、ここのところ外出ばかりだ。今日は甲府に出かけた。県庁に駐車して県民会館に向かった。早く着きすぎて、予定の時間まで50分もある。そこで、いよいよ取り壊しが決定した旧甲府郵便局の見納めをしておくことにした。時間があるので、周りをぐるぐ…

世田谷の鳩

今日は8月13日の続き。家に帰って知ったのだけど、この日は35度の暑さだった。 その炎天下をはるばると世田谷まで「東京聖十字教会」を見に来たのに、中を見ることができない。近くの「鶴の湯」で汗を流しても着替えがない。このまま引き返すのも惜しい。な…

ムラサキツメクサ

今日の一枚は長野県の富士見高原で撮影したもの。ムラサキツメクサ。別にアカツメクサともアカクローバーとも呼ばれる。残念ながら、土地固有の在来種ではない。日本には牧草として明治以降に移入されたものだといわれている。陽射しは暑いけれど、風はひん…

「日本人の住まい」について

今日の一枚は茅葺屋根の軒裏。新旧の茅を帯状に葺分けた意匠はこの地域の特徴のひとつでもある。これは茨城県八郷町の農家で見かけた。大森貝塚の発見でも知られるE・S・モースが書いた「日本人の住まい」という本にも茅葺き屋根のこの処理方法が書いてあっ…

都会のビオトープ

今日の一枚は蚊取り線香の看板。 演出のためにコレクションしたのか、それとも以前からここにあったのか。色褪せた古い看板が掛かっていると、何十年も変わらぬ姿を留める場所であるかのように見える。これが山梨なら、単純に「年代物が残っているなあ」と思…

キリストの盆休み

今日の一枚は銭湯。「鶴の湯」と言う。 今日は有楽町に出かけた。2,3時間は要すると思われた用件は30分程度で終わってしまった。 そんな訳で、予てから隙を見て見学しようと考えていた建物を見に行くことにする。 三軒茶屋で世田谷線に乗る。切符売り場がな…

地震のお話

今日の一枚は以前の中越地震で崩れ落ちた土蔵の壁。仕事柄、傷んだ蔵ばかり見ているせいか、地震で無ければ一見した所は、経年変化で崩れたと勘違いしてしまうかも知れない。うかつというか不謹慎な話ではある。 集落の一角にある隣り合う家々はほとんどこん…

我が家の地震対策

今日の写真は新潟地震の被害の様子。お寺の石灯籠がばらばらに崩れ落ちていた。 明け方グラグラ揺れる音で目が覚めた。以前はこの程度の揺れでは目を覚まさなかったはずだけど、やはり歳か。 我が家は昭和43年に建てた。水田を埋め立てて、その年の内に家…

雨だれ石をうがつ

「なんだ今日もへんてこりんな石の写真かい?」と思うかもしれないけれど、違う。今日は「石に付いた模様」の写真なのだ。 これは、小黒柱が乗っかっていた礎石に残った模様。小黒柱とは大黒柱の次に断面の大きな柱のことを指す。大黒の仲間だから恵比寿柱だ…

時効

今日の一枚も中込学校です。これは太鼓楼に登る階段。 測ってみると、踏み面が150ミリ。蹴上は240ミリあった。もちろん、頭が天井につかえる。堂々たる既存不適格だ。山梨の「宮光園」にも同じような階段があるが、県の建築指導課からは「既存不適格の階段は…

埋蔵金発見

日本で鋳造された最古の貨幣は「和同開珎」という。8世紀に作られたお金だ。そんなことを歴史の教科書で読んだような記憶がある。当時の貨幣は流通のみならず、呪術的な意味を持った使い方をされていて、寺院建立の際は基壇に置かれたという。民家の大黒柱…

新宿マンハッタン

昨日は半分眠りながら日記を書いた。あまりの辛さに途中でダウンしてしまった。苦し紛れに「以下明日に続く・・・」あるが、いったい何を続けるつもりだったのか・・・・・。上賀茂神社の写真があるところを見ると、「高床式建築は寒冷な環境には向かないよ…

省エネ住宅についての考察

戻り梅雨というやつがどうなったのかは不明だが、今日は暑かった。 さて、吉田兼好という人はかつて「住まいは夏を旨とすべし」と書いた。我々の同業者も、諸先輩もそのように話したし、書いてきた。確かにこんなに暑い日が続くとそんな気にもなる。冬は暖房…

つかの間の休息

建物を持ち上げると、当然のことながら基礎が残る。鉄筋コンクリートが普及する前の基礎はこのように石を使っていた。いわゆる玉石基礎だ。これを石場立てなどとも呼ぶ。伝統的な日本家屋はこうやって石の上に乗っかって建っているのが正しく、本来の姿なん…

世界の真ん中

今日は軽井沢と佐久に出張。N君の運転はとても素早い。毎朝遠くから通ってくるだけのことはある。軽井沢には予定よりずっと早く着き用事も済ませてしまった。 そんな訳で旧軽井沢まで足を伸ばし、以前偶然発見した建築を再度見学することにした。平日だとい…

経験に裏打ちされた「勘」

いよいよというのか、やっとこさというのか、今日の一枚は宮光園の揚屋。手前のヘルメットをかぶった人物の上で大黒柱が浮いているのが見えるだろうか。頭を使って持ち上げている訳ではない。 このブログは解体やら曳屋やら、埃っぽい写真が多いけれど、民家…

防災無線の使い方

今日の一枚はカモ。 写真とは関係ないけど、家の前を毎日ツバメが飛んでいる。今日は昼から子ツバメが空飛ぶ練習をしていた。夏も残り少ないが、秋には南に向かって飛ばなければならない。人生の、のっけから大旅行だ。大変だなあ。 いつか見た「渡り鳥」と…