××だから仕方ない

west2692009-08-18

暑いのに、ここのところ外出ばかりだ。今日は甲府に出かけた。県庁に駐車して県民会館に向かった。早く着きすぎて、予定の時間まで50分もある。そこで、いよいよ取り壊しが決定した旧甲府郵便局の見納めをしておくことにした。時間があるので、周りをぐるぐる廻って観察した。撮影ポイントを探して歩道橋に上った。今日の一枚はそこから眺めた風景。この高さから見たのは初めてだった。発見だった。街並みの一部として自然に溶け込んでいるが判る。
縦長プロポーションの窓をリズミカルに配した古典的な建築の匂いもするが、窓の位置が浅くて、グラフィカルな外観はモダンでもある。あらためてみると、なかなかお洒落な建築だ。
下の写真は歩道橋を降りて、東に向かい交差点の反対側から見たところ。正面の緑で書かれた文字看板のある辺りがエントランスだったらしい。

次々と自動車がやってきて、なかなかシャッターが切れない。カメラを構えたままの姿勢でじっと、画面から車が消えるのを待つ。遅刻しそうだが、次に来る時はもう無いかも知れないと思うと、立ち去り難い。
通りがかりのおっさん(多分年下)が、「あんた何屋さん?」と訊いて来た。八百屋でもなし、魚屋でもなし、ラーメン屋でもない。そういえばオレは何屋なんだろう?と思いながら、「建築の設計を少々」などと曖昧に返事をした。きっとこの場所から撮影する人間が多いのだろう。「これは壊すんだよ。貴重な建物という話だが、××だから仕方ないんだよ」といいながら去っていた。ところで「××」と言うのは何だったんだろう?