2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

キャットウォークの吊り方

今日の一枚は陣馬街道の家の小屋裏に使ってあった根太。根太というのは床板を受ける部材だから、現在では真っ直ぐな角材を使うのが普通だ。 しかし、昔の小屋裏ではこんな風に丸太や曲った木材が使われていた。板を留めるために上の面だけ平らに削ってあった…

壁面緑化

今日の一枚は「小龍庵の風見鶏」 。緑が多いと、このように作り物の鳥でも生き生きと嬉しそうに見える。本日は東京に出張。日本建築家協会(JIA)のイヴェント 「アーキテクツファイル」に小龍庵の小さなパネルを出展した。 会場の出展を眺めていたら、「…

ムカデ稲荷

今日の一枚は野アザミの花。数えたことはないが、花びらがたくさんついている。それとは関係ないけれど、今日は足というか柱がたくさんある建築の話。バーナード・ルドルフスキーの「建築家なしの建築」として紹介されている建物にポルトガルの「ホレオ」が…

敷地調査は油断できない

今日は北巨摩へ敷地の実測に出かけた。北巨摩とは現在の北杜市のことだが、何だか小説家の名前みたいで、どうもピンこない。適応性不全症みたいだが、いまだに個人的には北巨摩と呼んでいる。 ちなみに最後まで北巨摩郡に残った自治体である小淵沢町が北杜市…

高い所はやはり怖い

今日の一枚は小田原の家上棟風景。覆面をしているのではなく青い養生シート。この向こうで仕事をしている。うそかまことか、一夜城の伝説の地小田原では完成するまで建物は見せないのだという。9月6日に地鎮祭を行い、地盤改良・基礎工事を経てやっと上棟し…

物造りの知恵

今日の一枚は「窯場のある家」のストーブ背面にあるレンガ積の割り方のサンプル。煉瓦積みの端部の1列だけ台形に加工したい。選んだ煉瓦は輸入品で、色が良いのだが少々表面が脆い。「だから欠け易いので、きれいに切り揃えて積むことができないよ」と難し…

赤とんぼのとまらせ方

今日の一枚は六郷町の木橋(10月23日参照)の近くにいたとんぼ。 赤とんぼが飛んでいたら、人差し指を立てじっとしていると指の先にとまることがある。急な話で信じられないかもしれないけど、本当です。興味のある方は試してみてください。さて、そんなくら…

百鬼丸

今日の写真は今朝、友人から貰った「ジュクシ柿」。渋柿が熟して甘くなったものを山梨ではそのように呼ぶ。子供のころは丸ごとかぶりついて食べたが、事務所では手や机が汚れるのでそうは行かない。皮を一部むいてスプーンですくって食べたが、なんとなく味…

犬も歩けば棒に当たる

今日は民家の調査で六郷町へ行った。約束の時間まで少し間があったので町を散策した。犬も歩けば棒に当たるというが、こんなものに出くわした。→「今日の一枚」参照。「日本一の巨大ハンコ」なんだそうな。六郷町はハンコの町だ。日本一があっても不思議はな…

ホオジロのヒッチハイク

今日の一枚はホオジロ。ワインを買うために「杣口の家」近くの山道を走っていたら、道の真ん中にいた。 自動車が近づけば飛び去るはずだが、なにやら困惑した様子で中央の白線の上に佇んでいた。 このままでは後続車や対向車に轢かれてしまう。腹でも減って…

環境とエコロジー

柿渋を教えてくれたおっちゃん達は建築会社の人足になる前は製材所で働いていた。長いこと材木を扱っていたから、木のことは詳しい。クリ・ケヤキ・スギ・ヒノキ・フジ・モミ・ツガ等々。暗闇であっても肩で担げば、手触りや重さの感触で材種が判るという。…

以下はうっかり消してしまった9月30日の記事です。今日の本文は後半にあります。

土曜日から雨が降り続き俄然冷え込んできた。いつまでも暑いと思っていたが、今年も秋は忘れずにちゃんとやってきた。福々亭完成引渡しまであと1週間。今日は流しと竃、そしてストーブが設置された。 取り付けは川上村からやってきたOさん。 いつもなら、建…

柿渋の運命

今日の一枚は柿渋。渋柿ではない。立派な塗料である。撮影は2003年10月4日。塩山市内で再生民家に使う板に柿渋を塗った。このようにバケツに入れて刷毛で塗る。素人でも簡単に塗れるので建築主夫妻とその友人達6人で一日かけて仕上げた。20年程前、ある酒屋…

影の功労者

今日は民家協会主催で福々亭の見学会を行った。 遠い所を11人の方が見に来て下さいました。ありがとうございました。さて、完成写真を撮ったところ大黒柱の足元にペットボトルが写っていた。撮影している時には気づかないのに印刷するとしっかり写っている…

「ジミたな」の話

小説「ねじまき鳥クロニクル」には井戸が2箇所出てきた。物語の語り部が潜む井戸と、満州国とモンゴル国境で囚われた兵士が投げ捨てられる井戸だ。どちらの人物も長い時間を井戸の底で沈思黙考して過ごす。人事ながら、食事とトイレが気になった。闇切り裂…

虫模様

今日の一枚」は福々亭ストーブの煙突。腕の筋肉を自慢しているわけではない。9月23日紹介の「前引き大鋸」で曳いた板で造った囲炉裏には当然のことながら灰が必要だった。 灰も簡単ではない。色々と奥が深くて難しい。漠然と燃え残った灰では埃のように舞っ…

「工期は10月いっぱいです」その後の様子。

10月15日は秋のど真ん中。今日は秋晴れで気持ちのよい一日だった。御坂の家も完成に向けて順調に工事が進んでいる。工期は10月いっぱい。 ずっと大工が一人でコツコツ作業をしているが、今日は助手と大工が一人増えていた。外壁の杉板は張り終わった。加勢の…

失敗は成功の母

今の事務所に引っ越してくる以前は木造の長屋の一角を借りていた。大正時代に造られた納屋だったが、住居や貸し店舗として色々な商売の人が出入りするうちに、漆喰壁・瓦屋根の伝統的な日本家屋がありふれた和洋折衷の店舗になっていた。その店舗を9年間借…

世界最古の建築家

「死ぬまでに見たい世界の名建築1001」を買ってみた。 英文でも「You must see before you die」とある。「生きているうちに」ではないんだなやっぱり。人生も後半の年齢になると複雑な心境ではある。さて、第一号に紹介されているのがニューグレンジ古墳。…

狭き門

「住宅内に茶道のお稽古が出来るスペースを」と依頼された。茶室にはいろいろなパターンがあって、広間・4畳半の外、三畳台目・二畳台目などの小間がある。こうした極小空間も居心地は良いが、部屋としてはやはり狭い。出入口にも茶道口・給仕口・にじり口…

廃屋な日々覚え書き

ここのところ地下室やら廃屋のことが続いたので、今日の一枚は青空をバックにレンガ煙突の写真。 これは一昨日紹介した宮光園という古いワイナリーの敷地内に残っているもの。 この煙突はブランデー醸造を行っていた時代に活躍したが、役目を終えた後はぶど…

トンネルカーブ

「あるがまま」さんのご質問に答えて、今日は内部を見学できる地下セラーをご紹介します。もっともこれはトンネルをワインセラーに転用したものなので、横穴セラーと呼んだ方が正確かもしれない。階段の登り降りがないので、地下に降りる実感が少ないが、ト…

宮光園

木曜日の朝ワインのことを書いたせいか、夕方ワインに縁があった。 テレビの撮影があるのでエキストラで出てくれと依頼があった。何の話かというと、日本の近代化遺産を紹介する番組があって、勝沼の古いワイナリーが紹介されるという。 その番組のワンシー…

光の効果

山梨県における葡萄栽培は養老2年(西暦718年)に始まるという伝説がある。ワインのほうはぐっと遅れて、明治になってから、2人の青年をフランスに派遣し、製造技術を学ばせたのが甲州ワインの起源なのだという。二人のうち、土屋龍憲という人が葡萄酒貯蔵の…

屋根を守る大引き

今日の一枚は「千木」。神社の屋根に乗っかっているバッテン模様の木材だが、山梨県の北巨摩郡(現北杜市)で見かける茅葺民家の屋根を押さえる棟飾りにもこうした千木が使われている。工業製品が主流の現代建築では見かけることは少ないが、伝統的な茅葺屋…

古材の攻略法を考える

今日の一枚は設計の打ち合わせの際に「こういうものを使いたいのですが」と紹介された木材。 「家を建てるのなら、これをあげよう」ということで、知り合いがくれた古材とのこと。一瞬ただの丸太かなと思ったけど、確かに加工した後があるから古材には違いな…

呆れた鬼

今日は相棒のステンドグラスの作品を撮影した。撮影の後、市内の本屋に電卓を買いに行った。本屋には小さいながらも建築書のコーナがあって、こんな本があった。「死ぬまでに見たい世界の名建築1001」。 うーん、1001かぁ。あと25年生きられたとして、1年に4…

何だか判らないもの

「これを何処かに使って欲しいんだけどね」と相談を持ちかけられた時、歴史で習った土偶のビーナスを思い出した。「これは何ですか」と建築主に聞いたような気もするが、聞かなかったような気もする。 そんな訳で今日の一枚は「何だか判らないもの」。勝手に…

教会の白い光

ステンドグラスといえば教会にある色のついたガラス窓を連想する。それは自然なことだと思っていた。 ところが新潟にある新発田教会のステンドグラスには色ガラスが入っていない。そんな予算がなかったので、代わりに透明なガラスに障子紙で丸やら四角い模様…

渦巻きアメーバー

今日の一枚は小龍庵の玄関ポーチ柱頭部。 敷地内に生えていた松やらコナラを切って建築材にしたことで、弾みがついてしまった(9月28日。最後のまつぼっくり参照)。 他にも面白い材料がないかと考えていたら、建築主が「これはどうか」と示した。そこには林…