失敗は成功の母

west2692008-10-15

今の事務所に引っ越してくる以前は木造の長屋の一角を借りていた。大正時代に造られた納屋だったが、住居や貸し店舗として色々な商売の人が出入りするうちに、漆喰壁・瓦屋根の伝統的な日本家屋がありふれた和洋折衷の店舗になっていた。

その店舗を9年間借りていた。外壁の漆喰を塗り直したり、珪藻土を塗ったり結構手を加えて日本風に戻した。3年前には古材を使って、内部も民家風に改造した。
土臭い感じがとても気に入っていたが、あまりにも手狭になり、今年の6月とうとう出ることになってしまった。

今日の一枚は昔の事務所の障子。
改造の時アルミサッシのままでは何だか殺風景だったので、窓の内側に障子を入れた。

障子には「中富和紙の里」という所で手に入れた手漉き和紙を貼った。柿渋を塗って着色した所までは良かったが、保護のために蜜蝋ワックスを塗ったのは失敗だった。ワックスが糊を弾いて和紙が上手く貼れない。最初に選んだ和紙は厚口だったため反り返り、2,3ヵ月で簡単にはがれてしまった。
組子の紙が接する所に付いたワックスを取って、和紙も薄口のものを貼ってやっと上手く納まった。
障子越しの柔らかい光も良いが、下の写真のように紙に写る庭木の影も魅力的だ。

失敗は成功の母。この障子はデザインを気にいってくれた「杣口の家」でもう一度使うことになった。もちろん上手く行きました。