2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

代用品な世界

今日の一枚は那智黒石。新潟の料亭のアプローチに使っていた。 山北の家では建築主の希望でこれを使うことになった。左官職人が見本の石を持ってきたが、中国産もあるという。表面がざらついていて、これほど艶が出ないのだそうだ。 いたずらな「本物志向」…

プレゼンの準備

事務所の向かい側に東京電力がある。朝、事務所に到着すると数人集まって何かを見下ろしている。見下ろす先に事務所のM君がしゃがみこんでいる。「何事か」と思い近寄ると猫がうずくまっている。 自動車に撥ねられたらしい。見るからに酷い状態だが、命があ…

白色矮星的縮尺

今日は事務所でデスクワーク。宮光園の完成書類を業者が持ってきた。 電気と機械設備の書類。写真がどっさり写っている10センチほどの厚さのファイルと、協議書と施工図やら承認図やら閉じたやはり10センチほどの厚さのファイルがそれぞれ1冊。これで終…

唐突な話題

昨日に引き続き鼻がむずむずする。寒いような気もする。 事務所ではM君も同様の症状を見せている。花粉症なのか風邪なのか判別できないので、とりあえず薬を両方飲んでみたら、なんだか眠くなってしまった。 今日は朝から宮光園の竣工写真を取りに出かける予…

秋の味覚

写真はバーネットニューマン風の手帳。川村記念美術館で、バーネットニューマンの愛読書コーナーに並べてあった。ハイデッカーなどの難解な本が並んでいたが、これは白紙だから読めなくても問題はない。安心して手に入れられるのだ。 さて、今日は休日。一昨…

猫も屋根から落ちる

昼食会に招かれて杣口の家に行くと、玄関の上にこんなものが生えていた。ネコジャラシなんだそうだ。見難いが確かに上の方に毛虫みたいな実がついている。来たら見せてあげようと取らずに残しておいたとのこと。屋根に葺いた杉皮を栄養分に育ったらしい。そ…

竜王駅再び

今日の一枚は竜王駅前。こちらも駅舎と同様、世界的な建築家の設計なのだ。 2年前、駅の見学に来た時にはまだ手つかずの空き地があって、「ここはプラザ建設予定地」と案内が出ていた。「プラザ」というのは「広場」という意味だと思うけれど、「建設」とあ…

迂回な一日

今日の一枚は「絵振板」。これは確かそんな呼び名だったと思う。 庇の片流れ屋根の上りきったところを「どうやって納めるの?」と訊かれたので、「こんなのどう?」と、マジックペンを使ってアドリブで絵を描いておいた。次に行くとこんな感じに出来ていた。…

神様の宴会場

川村記念美術館は広い林の中にある。展示室を出た後の散歩の途中で蛇の目蝶を見つけた。一日飛び回って疲れていたのか、気配を感じても飛び立とうとはしない。驚かさないようにそっと近づいて一枚撮影した。 今日は非常用照明の検査。 「風が吹けば桶屋が云…

煉瓦蔵発見

今日の一枚は煉瓦敷き。あっちこっち土中に埋もれていた煉瓦を寄せ集めて、勝手口の床に敷いたもの。せっかくきれいにしたのだ。からと、汚れないように長い間養生用のベニヤの下に隠れていたのが顔を出した。長かった宮光園の工事もいよいよ終わりに近づい…

今日のおすすめ

今日の一枚は「シナガチョウ」。千葉県は川村記念美術館の庭を歩いていた。ここには白鳥もいて、渡りをしないで庭先にある池に住んでいるらしい。 四街道の駅前でKさん夫妻と待ち合わせ。美術館のレストランはいつも混んでいるので駅近くのイタリアンレスト…

突然の引越し

朝起きるとわが他の前の田んぼの稲刈りが終わっていた。今日の一枚は中央本線から写した稲刈りの風景。 今日は唐突に家の模様替えをしてしまった。30年間使ったベッドのマットがあちこち破けている。長時間眠ると腰が痛い。早起きするのには都合がいいけれど…

夕方5時のハンググライダー

今朝は5時49分の電車に乗り塩山を出て三重県まで往復。あまり関係ないけれど、先ほど帰宅しました。 そして、そこではこんなものを見た。ケラバ瓦。今日の一枚。 瓦の乗っかっている板の、広いやつがご存知破風板。その上が広小舞。で、ふつう見かけるケ…

本日ここまで

今日の一枚は昨日の続き。「飛び立つ前の白鷺君」。 撮影の途中で、後で拡大する時のためにデジカメの解像度を上げることにした。だが字は小さいし、液晶表示は日差しが強くて読み取れない。とにかく並んでいる数字の一番端が解像度の最大値に違いないと、適…

白鷺の撮影方法

今日の一枚は屋根葺きの風景。 これは佐久平の再生民家。作業をしている職人の手前にある木の台は屋根の勾配に合わせて下が斜めになっている。上の平らな所に道具やら部品やら小荷物を載せて、作業に合わせて台を横に滑らせ移動していた。帰り道、佐久平を走…

ここから先

あるお寺の住職に聞いた話によれば、中世から近世にかけての宗教教団はネットワーク型の国家みたいなもので、それは現在のような領土型国家のパラダイムとは異なるが、独自の政治体系・経済力・軍事力を備えており、時の権力と併存していた。 ちなみに「一揆…

お先に失礼

今日の1枚は「旧富山県立農学校本館」。「福野にはこういう建物がいっぱいありますよ」というのは事務所のM君の話。彼は日本海と日本酒にとても詳しいのだ。 ならばと、おなじみのウィキペディアで検索して地図も印刷した。準備を整え家を出て高速道路に入…

一本道の落とし穴

「砺波に泊まるなら、これを見なきゃ」と知人に勧められたのは瑞泉寺。今日の一枚。軒裏の詳細。 地図を見ると高岡から40号線で一本道だ。詳しい地図はないけれど、これなら迷う心配はない。山梨と違って、水田が広がって見通しも良い。 ずんずん走ってゆ…

人間の道

「4段ある階段板のうち3枚は柾目だが4段目だけ木目を見せていますね。ちょうどこちらから見る目の高さと同じです。向こうからもこちらを見ている。そうやって厳しく自分と向き合う場所です。」 今日の一枚は瑞龍寺という富山県のお寺。これは仏殿。 なかに入…

見よう見まね

今日の一枚は旧新潟税関。建築は明治2年。これもまた、最近縁のある擬洋風建築。 解説によると「地元の大工が見よう見まねで造った」ものとある。成程そういうものなんだと疑いもせず、そのようにも書き散らかしてきた。だがこの建物はちょっと違うような気…

製造中止

今日もガラスの話。右の一枚は宮光園の建具。 調査時には室内の間仕切りに使われていたが、工事の結果久しぶりに元の場所に戻ることになった。 建物を復元修理する場合、どの時代にまでさかのぼって復元するかといった問題がある。こちらの建物は、観光葡萄…

色つきデコボコ

今日の一枚は「ガラス」。 相棒の工房には名古屋のKさんという人がワンボックスカーに様々なガラスを載せて時々やってくる。これはアメリカのシアトルにあるフリモントという会社で制作しているもの。 被せ硝子と言って、透明なガラスに色のついたガラスを…

「舂米」の読み方。

今日の一枚は舂米学校。「春」という字だと長いこと思っていたら「舂」だった。見慣れない字だ。IMEパッドで調べたら一般に「つく」と読むらしい。ちなみにこれはツキヨネ学校と読む。 山梨県ではこんな擬洋風の建物を藤村式建築とも呼ぶ。明治時代の県令…

板に木目を描く

今日の一枚は「木目彩色(ペンキ木目ともいう)」。 明治初期に建てられた擬洋風建築の祝(いわい)学校に使われていた建具のアップです。宮光園にある。天皇が訪れる際に増築したといわれるトイレの扉に何故か使われていた。 同様の扉は同じ町内の旧田中銀…

歴史遺産

日曜日、久しぶりに甲府駅前に出かけた。そこでこんなものを見た。 今日の一枚は解体現場。これは甲府市役所南別館と呼ばれていた。もはや山梨県には希少な昭和初期の建築だが、市庁舎の建て替えに伴い壊されることになった。 甲府の設計事務所に通っていた…

モダンデザインと時代の要求

今日は昨日の続き。 会議の場所は九段上の交差点の近く。いつも前を通り過ぎるだけだが、ここには有名な神社がある。集合時間まであと30分あるのでまたしても寄り道なのだ。駆け足で見てこようと、2匹の狛犬君の間を抜けて境内に入る。立札には「ここは神域…

目にはさやかに見えねども

金曜日に続いて、今日も東京で会議。集合場所は九段下と市ヶ谷の中間あたりにある。 どちらから歩いても14,5分はかかる。炎天下、汗を拭き拭きたどり着いた。とても暑い。噂によれば気温は35度を超えていたとか。 九段下の駅を降りて坂道を登り始める所には…

敷地の修景について

今日の一枚は「バカの壁の庭にいたぶた」。 「パターンランゲージ」だったか「時を超えた建設の道」だったか忘れたけれど、C・アレグザンダーという建築家は「建物は敷地内の条件の悪い場所に建てて、敷地全体を修景する機会ととらえるのが望ましい」という…

たやすく突破

今日の一枚は「バカの壁の天辺」。草が生えているので屋上緑化なのかと思ったら、これは勝手に生えてきたんだそうだ。 8月29日に唯脳論のことを書いたら、建築の「バカの壁」が見たくなった。以前、山北の現場で職人から聞いていたので、なんとなく場所は見…

史上最高な日々

9月の声を聴くが、とても暑い。新聞によれば今年の暑さは史上最高なのだとのこと。よくは判らないが「史上最高」というのは悪い気がしない。 8月最後の一日は民家の調査に出かけた。再生計画の立案にあたっては建物の現況を調べなければならないのだ。 我々…