製造中止

west2692010-09-10

今日もガラスの話。右の一枚は宮光園の建具。
調査時には室内の間仕切りに使われていたが、工事の結果久しぶりに元の場所に戻ることになった。
建物を復元修理する場合、どの時代にまでさかのぼって復元するかといった問題がある。こちらの建物は、観光葡萄園として最も盛んだった時代である大正後期から昭和初期を目標にしている。
建物自体は江戸期に建てられた茅葺農家を明治期に現在の位置に移築したものらしい。その後何度か手を加えられて現在の形になった。残された写真から、おそらく昭和2年から5年の間というところまで迫ったけれど決定打がなかった。
工事が始まり、古い屋根材を剥がす際に昭和3年と記された新聞紙が出てきた。屋根材は洗い出し壁の下に差しこまれていたのを発見。これで洋風化した年代を特定することが出来る。
下の写真は同じく2階の上げ下げ窓。

中央の細い十字部分に使われているのは「霜結ガラス」。これも大正から昭和の初期に掛けて制作されたガラス。大雑把な年代推定にはなる。近年になり復刻版が作られるようになったが、再び製造中止となった。