見よう見まね

west2692010-09-11

今日の一枚は旧新潟税関。建築は明治2年。これもまた、最近縁のある擬洋風建築。
解説によると「地元の大工が見よう見まねで造った」ものとある。成程そういうものなんだと疑いもせず、そのようにも書き散らかしてきた。だがこの建物はちょっと違うような気がする。
第一、これは洋風なんだろうか。
唯一それっぽいのは多宝塔の亀腹を輪切りにしたみたいなアーチ式の開口部と鎧戸と格子窓、それと漆喰天井にシャンデリアが下がっているくらい。
赤っぽい瓦は珍しいが、塩焼き瓦と言って雪国じゃ標準仕様だというから、スパニッシュを意識したわけでもなさそうだ。
もしかして、彼らは外国の物まねをするつもりは毛頭なくて、外国建築の意匠から受けた刺激を元に新しい建築を創造したのかもしれない。

さてそんな訳でこちらは棟瓦。不思議なリズム感があるが、大小2種類の半円だけの組み合わせで出来ている。日本の伝統的な文様の青海波をアレンジしたものに見える。
やはり、外国の「見よう見まね」とはちょっと失礼ではなかろうか。