2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

泥縄式建築術

泥縄とは「泥棒を捕らえてから縄を編む」という意味の略語で、試験前の晩や準備が悪いとか、ものごとの順番が反対の場合に使われる。段取りが良いのは理想だけど、中々そうも行かない。 急な出来事、思い掛けない出来事が人生には付いて廻る。ほとんどの場合…

更地の風景

今日は龍ヶ崎に出張。今日の一枚は「なんだ、何も写ってないじゃないか」と思われるだろうが、民家を撤去したあとの「更科そば」じゃ無くて「更地」なのだ。 頂いた民家を解体して古材を運び出し、瓦礫を片付けた。同時に庭石も植木も無くなった。家がそっく…

葦刈りな日

なにわがたみじかきあしのふしのまも あわでこのよをすごしてよとや(伊勢 百人一首) 篠竹を刈った日には前日刈っておいた葦も運んだ。作業に出かける朝、こんな和歌を思い出した。百人一首は子供の頃は正月の年中行事だった。意味は判らなかったが、いくつ…

チャンスを逃すな

今日の一枚は「干し柿」。毎度みたいな写真だけど、今の塩山は干し柿の季節なのだ。出かける際にカメラを持とうかどうか迷った。いつもカバンに入れているけど、今日は契約書を持ってゆかなきゃならない。無理矢理入れて皺になるのも困る。薄型のカメラも事…

現代美術って難解なんかい?

今日の一枚は「空のある建築風景」。 昨日のブログに出ている「建築家になるのを止めて、音楽家というか詩人になった人」は「道を外れた者」という意味の二人組みで歌っていた人です。誰だか判りますか?ここ15年ばかり古いお蔵の2階や、改装した納屋を事務…

地下通路の壁画

塩山駅の西側に線路の下を南北に潜り抜ける連絡通路がある。子供の頃は良く通り抜けに利用したが、自動車で行き来するようになってほとんど通らない。今日は何十年ぶりかでその下を潜った。あの頃は味気ないコンクリートむき出しの地下道だったが、地元の中…

バカ棒

今日の一枚は宮光園の床下から出てきたもの。4センチ角くらいの木材の表面にこんな風に数字が書いてあった。 四尺と書いてある。上下には3尺、5尺と書いてあって、それぞれ目盛りみたいな筋が刻んである。その間隔を測ってみると、丁度303ミリある。日…

鬼ゆずの調理法

今日の一枚は月の裏側に似ているけど、鬼ゆず。休日なので、先ずは鬼ゆずに手を付けることにした。 以前増穂町の穂積というところに空き家の実態調査に行ったことがある。ゆずの産地なので、地元の奥さん連がゆず湯を振舞ってくれた。聞いたら造り方はとても…

竹取の日々

今日の一枚は「竹取り」の風景。再生民家の壁を土壁で仕上げることになった。土壁の下地には竹小舞が必要だ。我が家のある塩山では竹小舞に割り竹を使うが、長野県の佐久市では篠竹を丸太で使うのだそうだ。 それじゃ、地域の流儀に習おうじゃないかというこ…

茅原の撮影ポイント

今日の一枚は「鬼ゆず」。神奈川県の246号沿いで見かけた。写真では分かり難いが、直径18センチくらい。カボチャ大なのだ。世の中にはこんなデカイ柚子があるんだ。なかなか油断は出来ない。気がつくと周囲には蜜柑・金柑・八朔・橙などがある。この時期の山…

センバコキ

ワンダースリーの乗り物に似ているけど、宇宙から来た訳じゃない。これは那須塩原で見かけた。 今日の一枚は稲刈りの後の風景。機械で刈るとこんな風に円筒形に稲藁が束状になるんだそうだ。稲刈りと脱穀を同時に済ますという優れものの機械があるのだ。 白…

ある会話の風景

今日の一枚は宮光園の床下補強材。土台代わりの「挟み貫」というもの。これで足元を固め地震に耐える。 塩山駅のホームには風除けのためにガラスで囲まれた待合室がある。風が強いし、電車は暫く来ないので、中で座って本でも読もうと中に入った。室内は満員…

歴史の証人

先日モンキーチェアーの写真を撮った敷地で今日は地盤調査。 小淵沢から原村に向かい富士見高原に差し掛かると、唐松林の根元が白い。霜じゃない。雪が降ったのだ。我が家のある塩山はまだ秋だが、こちらはすっかり冬なのだ。高速道路の移動は味気ない。たっ…

ナントカの渡し

今日の写真は船小屋の平面図。実測した訳ではないが、記憶を基に手帳に描いてみた。間取りはこんなだった。ちょっとピンボケ。携帯電話で撮影したから画像は良くない。 実はマサカリ大工が建てる一坪の小屋にはモデルがあるのだという。神奈川県の「ナントカ…

杉皮ルーフィング

今日の写真は屋根下地の杉皮。 現在の家造りでは屋根材の下地にはルーフィングという工業製品を張るのが一般的だろう。そのまた昔はこんな風に杉の皮を敷き並べ、縄を巻いた竹で押さえていた。屋根の仕上げはこの竹に銅線で瓦を縛り付けて留めてゆく。杉皮の…

帰雲亭における幸運

マサカリ大工のイベント打ち合わせに福々亭へ出かけるとこんなものが有った。自宅の庭に井戸を掘って、竹で樋を作って敷地内を流している。石の据付、竹樋の設置は全て手作り。井戸水は保健所で検査した。雑菌が混じっているので、煮沸して飲むように言われ…

富士見高原のモンキーチェアー

今日の一枚は「切り株」。昔はこれでウサギを捕ったらしい。椅子みたいにも見えるけど、段差があるのは猿が腰掛ける為じゃなさそうだ。腰掛けにしては座の部分が狭すぎる。 一見無造作に見えるが、工務店のSさんの説明によれば、樹木伐採の本格的な方法なの…

無法駐車な日

今日の一枚は大谷石の蔵。那須塩原市内で国道4号線を外れ、182号線を大田原に向かう途中にこんな蔵が建っていた。おなじ那須でも黒田原周辺で見かける蔵はもう少し黒っぽい石で出来ている。芦野石というやつだ。 こちらのほうはもう少し違う。明るくて、緑が…

進歩の物語

今日もおまけの石器の写真。これは石斧ほど大きくは無い。どこやらの出土品で、ドイツから来た大工さんのお土産なんだそうだ。刃を鋭利に磨きなおせば、剃刀のように使うことも出来る。 考えてみれば鉄だって、岩石の中から抽出するんだから、原料である石が…

新名人伝

「名人伝」(中島敦)という話がある。弓の名人を目指して修行に励む。腕を挙げ、道を極める。弓を射ることも無く殺気を放つようになり、名声を極める。そして究極的には弓の存在も忘れるほどの悟りの境地に至る。乱暴に言えば、そんな話だ。今日の一枚は「…

3坪の家ほめ

今日はマサカリ大工と企画の打ち合わせのはずだった。夜8時過ぎ、企画の下見に出来たばかりの家を見に行った。5年間かけて造った3坪の部屋なのだ。木造り・地盤・基礎から建具、屋根まで全部自分で手掛けている。例によって使っているのは手道具だけ。今日…

現代住居にシステムキッチンは必需品か?

今日はマサカリ大工が事務所に来た。 ある所で作成した間取り図がある。ひとつの平面を基にどんな建築方法があるのか、それぞれ各地の大工さんの意見を色々と集めようという企画だ。伝統的な木造の建築方法が望ましい。 そこで彼の意見を聞くことにした。「…

未来への刻印

暫く前の新聞にレヴィ・ストロースが亡くなった記事が載っていた。 「LEVI STRAUSS」と書く。アルバイトしていた新宿のジーンズショップではこれを「リーバイストラス」と読んでいたが、暫く後で、現代思想の世界では「レヴィ・ストロース」という著名な学者…

適材適所

りんごの美味しい季節です。写真を撮るときはりんごを盗っているのと間違えられないように気をつけなければいけません。 今日は昨日の二番煎じ。 ピサの斜塔のエピソードが紹介されていた本にはこんなことも書いてあった。 1945年のある日エンパイアステート…

傾きは直らない

以前読んだ本にこんなことが書いてあった。有名なピサの斜塔は建設当初から傾いていた。地盤が弱くて、最初は頭が北側に倒れていたらしい。水平にするために調整していたら、なんと南に傾いてしまった。そのままフラフラと傾きを変えながらも、倒れることな…

アドリブ

今日の一枚。 韮崎の家玄関にある飾り棚の開口部。 現場には設計図面を基に工事監督が描いた下図が置いてあった。 チョッと違うなあ。時間が有るので、もう少し形を整えようと修正を始めた。 事務所に戻って、データーから原寸の型紙を印刷する方法もあるけ…

気楽な撮影

今日の一枚は庭に咲いていた菊の花。ほんの少し前までつぼみだったが,気が付いたら開いていた。もう11月なのだ。 「熱が出た」「咳が止まらない」などと、グズグズしている間にも、現場は進むし、あっちこっちで約束した期限は近づいてくる。こうして容赦な…

長生きの方法

頭痛は治まったが、なかなか咳が止まらない。薬も効かない。そろそろ庭の木の枝を剪定しておかなければならない時期だ。困ったな。 そんなことを思いながら、朝食後に手元にある雑誌を開くとこんな記事があった。 『酸素と老化』疲労の最大原因は酸素不足。…

頭の痛い日

夕方から頭痛がした。目玉が飛び出そうな痛さだ。こういうときは我慢しない(出来ないというべきか)。幸い明日は休日だ。何もかもうっちゃらかして、事務所を早退し、頭痛薬を飲んで横になってしまった。 夕食ができるまでに短い夢を見た。昨日漫画を読んだ…

かやすぐり

熱は下がったが、咳が止まらない。今日はワインツーリズムの打ち合わせに顔を出すつもりだったけど、1日家にこもる事にした。安静にして、声も出さなければ咳は止まっている。 こんな時は読書に限るが、建築の本は眠くなる。本棚から手塚治虫の漫画を引っ張…