ナントカの渡し

west2692009-11-17

今日の写真は船小屋の平面図。実測した訳ではないが、記憶を基に手帳に描いてみた。間取りはこんなだった。ちょっとピンボケ。携帯電話で撮影したから画像は良くない。
実はマサカリ大工が建てる一坪の小屋にはモデルがあるのだという。神奈川県の「ナントカの渡し」から川崎民家園に移築した船小屋を参照しているそうだ。
一坪、要するに畳2枚分の大きさだが、全体の半分に畳一帖を敷いて、残りは土間。土間の真ん中に石で炉を組んで、煮炊きする。炉の両側にも板を渡して、人が腰掛けるようになっている。
畳には寝ることも出来るし、腰掛けることも出来る。来客がある時は腰掛と畳に座って、炉で点てたお茶で接待も出来る。中に入ったことがあるが、充分広い。4,5人は収容可能だ。さて、渡し船の小屋は川の近くに無ければ用はなさないが、川に近いので増水で流される危険もある。そこで緊急事態には4人の人間でそれぞれ隅の柱を担いで、小屋ごと避難できるのだという。
この小屋は宿泊・待機・接客なおかつ緊急避難可能な最小限空間なのだ。
洪水などの大きな力には、建物の強度を増したり、堤防を築いて対抗するのではなく、身軽になって「かわす」訳だ。逃げるが勝ち。弱さを自覚する所から知恵は生まれるとも言える。
そんな具合で、なかなか油断ならない建築なのだ。

さて、以下はマサカリ大工主演のイベント紹介です。
11月9日に紹介した「一坪の小屋」の建築実演。電動工具を一切使わず、手道具だけで、間伐材や古材を使って小さな小屋を一日で建てます。金物も使わない、文字通り木組みの建築です。
丸ごと小屋1軒を建て方から完成までを一日で見学できるチャンスです。大勢の方の参加をお待ちしています。
日時:2009年12月13日 日曜日 10:00〜15:00
場所:山梨県甲州市塩山福生里105 福々亭
申し込み先:日本民家再生協会又はアルケドアティス(網野)まで。誠に勝手ながら12月7日までにお知らせください。
参加費:実はこれ、無料としたいところですが、参加費が掛かります。民家再生協会のイベントで、協会の運営費用となります。NPOへのカンパと思ってご協力頂ければ幸いです。なおこの中にはお弁当代も含まれています。