マサカリ大工

然に非ず

今日は久しぶりにマサカリ大工の手道具の実演。写真はチョウナを使っているところ。 チョウナには2種類ある。「ハマグリチョウナ」といわゆる「チョウナ」と呼ぶもの。先ずハマグリチョウナは刃の先端が丸くなっていて仕上げの模様が鱗状になる。そして写真…

福々亭・福々庵・福々の森

久しぶりに福々亭に行くと、庭には昨年12月マサカリ大工の造った小屋が出来ていた。今日の一枚は小屋の石置き屋根。野地板の上に杉皮を重ねて、風で飛ばないように杉板の上にサワラ(?)の割り板を載せ、角材を渡してそれを更に石で押さえている。こんな風…

人生の短さについて

右の写真は蓮の花。何処で撮ったのか思い出せない。 今日は今年最後の図面を仕上げて、スタッフ全員で事務所の大掃除。机の上に並んでいた図面や資料やカタログを片付けたらとても広くなった。 夕方になって、こんなメールが来た。「これを知らない設計事務…

石器時代のサゲフリ

週一回の定例打ち合わせが済んで、工事中の建物を確認するために外に出た。カメラを取り出して、電源を入れると、ピピッと鳴って「メモリーカードが入っていません」との表示。ウーンという訳で。スタッフのN君が抱えている現場用のデジカメを横取りして撮…

大地に還る家

右の一枚は古里庵。これはマサカリ大工が今日一日で建てた一坪のゲスト小屋。 詳しくは 11月17日の日記をお読みください。 撮影時間は14時50分。因みに土台を敷き始めたのは10時25分だった。昼食を1時間ほど挟んだので、3時間30分足らずで出来たことになる…

幸福と幸運

マサカリ大工の一坪小屋のイベントまで後2日。この時期、山梨では滅多に雨は降らないと勝手に思っていたら、なんと今朝は雨の音で目が覚めた。 思わず電話で天気予報を確認してしまった。 「あめゆじゅとてちてけんじゃ」じゃ無かった、雨雪100%なのだ。夕…

岐阜の土

23時過ぎパソコンを起動して、メールをチェックした。こんな夜中なのに随分メールが来る。良く見ると、朝送ったメールの返事も混じっている。午前中に来たメールが圧倒的だった。今日は10時過ぎからずっとメールを開かなかったことに気づいた。慌てて返事を…

手の跡を残す

今日は伝統構法に関するヒアリング。金物をあまり使わないような昔の建築方法を実践している大工から話を聞きたいということで、マサカリ大工を紹介した。 作業場に着くと、マサカリ・チョウナ・オガ・ヤリガンナ・石斧・石ノミ・木楔など原始的な手道具が並…

ナントカの渡し

今日の写真は船小屋の平面図。実測した訳ではないが、記憶を基に手帳に描いてみた。間取りはこんなだった。ちょっとピンボケ。携帯電話で撮影したから画像は良くない。 実はマサカリ大工が建てる一坪の小屋にはモデルがあるのだという。神奈川県の「ナントカ…

進歩の物語

今日もおまけの石器の写真。これは石斧ほど大きくは無い。どこやらの出土品で、ドイツから来た大工さんのお土産なんだそうだ。刃を鋭利に磨きなおせば、剃刀のように使うことも出来る。 考えてみれば鉄だって、岩石の中から抽出するんだから、原料である石が…

新名人伝

「名人伝」(中島敦)という話がある。弓の名人を目指して修行に励む。腕を挙げ、道を極める。弓を射ることも無く殺気を放つようになり、名声を極める。そして究極的には弓の存在も忘れるほどの悟りの境地に至る。乱暴に言えば、そんな話だ。今日の一枚は「…

3坪の家ほめ

今日はマサカリ大工と企画の打ち合わせのはずだった。夜8時過ぎ、企画の下見に出来たばかりの家を見に行った。5年間かけて造った3坪の部屋なのだ。木造り・地盤・基礎から建具、屋根まで全部自分で手掛けている。例によって使っているのは手道具だけ。今日…

現代住居にシステムキッチンは必需品か?

今日はマサカリ大工が事務所に来た。 ある所で作成した間取り図がある。ひとつの平面を基にどんな建築方法があるのか、それぞれ各地の大工さんの意見を色々と集めようという企画だ。伝統的な木造の建築方法が望ましい。 そこで彼の意見を聞くことにした。「…

シルバーウィーク初日

今日はシルバーウィークの初日。この9月の連休をゴールデンウィークにあやかって、シルバーウィークと呼ぶとはつい先日まで知らなかった。シルバーとは「敬老の日」を挟んでいるからと新聞にあったが、某国の長期政権を担った今は無き某政党の置き土産らしい…

幻のネズミサシを見た

今日の一枚はネズミサシ。以前土蔵の解体中の写真を載せた。その際この土壁の小舞下地には竹の替わりに雑木を使っていると書いた。勝沼の考古学者M氏は「それはネズミサシじゃないのか?」という。かつて勝沼ではブドウ棚の支柱に使われていたからその可能性…

新・新石器時代

今日の一枚は石斧。人類の古い歴史に石器時代というのがある。石器は打製石器と磨製石器というのがあって、磨製石器が発明された時代を新石器時代という。 暫く前まで現場で見かけた大工道具の素材の多くは鉄だが、鉄が出現する以前はこのように加工した石を…

百鬼丸

今日の写真は今朝、友人から貰った「ジュクシ柿」。渋柿が熟して甘くなったものを山梨ではそのように呼ぶ。子供のころは丸ごとかぶりついて食べたが、事務所では手や机が汚れるのでそうは行かない。皮を一部むいてスプーンですくって食べたが、なんとなく味…