然に非ず

west2692010-11-27

今日は久しぶりにマサカリ大工の手道具の実演。写真はチョウナを使っているところ。
チョウナには2種類ある。「ハマグリチョウナ」といわゆる「チョウナ」と呼ぶもの。先ずハマグリチョウナは刃の先端が丸くなっていて仕上げの模様が鱗状になる。そして写真のチョウナの先端は直線になっているので、仕上げの模様は斜線を交互に組み合わせたような矢羽に似た形になる。
説明によると、マサカリを使って丸太を削っていた時代、製材された木の表面には起伏の大きな凹凸面が残った。それを削って平滑面に近づけるためには、平らな刃物の方が適しているようだが、然に非ず。更に小さな凹凸を作り出すようなハマグリチョウナのほうが適していた。
時代が下って大鋸が発明されるとかなり平滑面に近い断面が出来る。歯の跡であるササクレ状の表面を仕上げるためには、今度は先端が直線状のチョウナが適していた。
そして最後を槍鉋で仕上げたのだそうだ。
そんな訳でもう一枚の写真は槍鉋を使っているところ。