大地に還る家

west2692009-12-13

右の一枚は古里庵。これはマサカリ大工が今日一日で建てた一坪のゲスト小屋。
詳しくは 11月17日の日記をお読みください。
撮影時間は14時50分。因みに土台を敷き始めたのは10時25分だった。昼食を1時間ほど挟んだので、3時間30分足らずで出来たことになる。伝統的な木造構法は解体・運搬・組み立てに優れているのがとても良く解かる。
心配していた空模様の方は朝から冴えない。携帯電話で現地の天気情報を見るとお日様マークが出ているが、空には曇が広がっている。予報はこの後晴れることになっているが、空は次第に暗くなってゆくばかり。
動かずに作業を見ているばかりだから、だんだん寒くなってしまった。
完成した小屋の中には石で組んだ小さな炉がある。灰と火の付いた炭を入れ、お湯を入れた鉄瓶を提げた。薄い板で覆われた屋根と壁だけの建築でも中は仄かに暖かい。「雨風を凌ぐ」というのはこういうものなのかも知れない。
下の写真は着手前の様子。

石が沢山見えるけど、これは以前この場所に建っていた蔵の礎石。口の字型に配置した石炉の周囲においてある4つの石が今回の小屋の基礎になっている。
建物を取り除いた後は、同じように石が残り、それも片付ければまた元の地面に戻る。
伝統的な木造建築は解体・運搬・組み立てに適しているといわれているが、これはプレハブと呼ばれる工業化住宅でも同じだ。場合によっては工業化住宅の方が上かもしれない。でも決定的に違うのは、こちらは大地に還る家でもあるのだ。

本日のイベントに参加頂いた皆様、遠い所おいで頂きありがとうございました。