新・新石器時代

west2692009-06-07

今日の一枚は石斧。人類の古い歴史に石器時代というのがある。石器は打製石器磨製石器というのがあって、磨製石器が発明された時代を新石器時代という。
暫く前まで現場で見かけた大工道具の素材の多くは鉄だが、鉄が出現する以前はこのように加工した石を使って木を加工していた。この石斧は以前御紹介した マサカリ大工が制作した。刃物にする石は砥石で磨き出した。大工道具の歴史を追及していたが、古墳時代を通り抜けて、とうとう新石器時代まで行ってしまったらしい。
今日は民家再生協会の「民家の学校」の生徒が彼のところに集まり、石器を使った木材加工のデモンストレーションを見学した。残念ながら用事があって見学会に参加できなかったが、聞いた話によれば、石器でも剃刀のように紙を切り、鉛筆も削ることも出来る。我々が想像する以上に良く切れるのだそうな。
そういえば最近ホームセンターでセラミックの刃物を見かけた。木造住宅の現場でノミやカンナを見かけなくなったという話も耳にする。木の表面をサンドペーパーで仕上げているのを見たこともある。セラミックという素材も金属より石に近いような気がする。
我々は進んだ文明の時代に生きているような気がしているだけで、いつの間にか石器時代に戻ってきてしまったのかも知れない。