人の目には見えない世界

west2692009-06-06

今日の一枚は六地蔵「杣口の家」の裏手に立っている。仏教でいうところの「六道」という艱難辛苦から人を救うための菩薩だという。墓地の入り口や街道筋に多く見かけるというが、この道は信州の川上村に抜ける杣道だったのだろう。「杣口」という地名が示すとおり、ここから先には集落や人家は無かった。

今日は昼近く友人からDVDが届いた。先日放送されたテレビ番組の「人生の楽園」を我々が見ていないことを知って送ってくれた。ありがたい。夕食後、早速見た。「杣口の家」が内も外もたっぷり映っていた。撮影者が異なると視点も違う。我々が建物を説明的に撮るのと違い、人が日常の生活の中で建物と接する場面や、建物から見える情景を重視しているからなのかも知れない。見慣れたはずの建物が、カメラのアングルによって思いがけない表情をするのが新鮮だった。

さて、下は江川家住宅の屋根裏の様子。

通常茅葺き民家の屋根裏は真っ暗だ。それでもじっと見ていれば暗闇に目が段々慣れてきて、小屋組みが薄っすらと判別できるようにはなる。記録の為に写真を撮ろうとフラッシュを焚いても光は届かない。カメラのファインダーをのぞいても真っ暗でどこが見えているのか判らない。
そこで、三脚を据えて、カメラを真上に向けて、真っ暗な天井に向かって30秒間露光してみた。この当時はデジカメじゃなかったので、現像するまでどのように映っているのか確認できない。失敗すれば1日無駄になるので、緊張する。数日後、仕上がった写真はこんな風に実に明るく写っていた。
「四つの目」という子供向けの科学番組があった。人の目には見えないカメラだからこそ捕らえることが可能な世界を紹介していた。これもカメラだから見えた風景の1つ。