路上観察(民家など)

石垣の里

今日の一枚は中芦川という所。この辺りには兜つくりの茅葺民家がおよそ60棟近く残っている。しかし、その中の多くには人が住んでいない。やっとの思いで仕上げた原稿の加筆やら修正をすることになったが、時間が無い。困った。 時間が無いと言いながら、昨日…

コ―ヒーもう一杯ね

今日の一枚はハナミズキ。 新宿行きの電車に乗る為に塩山駅に行く途中、見上げた木の葉が紅葉していた。遠くの山ばかり色づいていると思っていたけど、身近な木々もいつの間にか色変わりしていた。11月の声を聴くと一気に秋が深まる。えらいこっちゃなのだ。…

もののみごと

今日の一枚はタイヤ、といっても自動車の話ではない。三重県は松坂駅の近くにある鯛屋という旅館。前面道路の拡張で古い建物は大方消えてしまった。この店も玄関のところをゴソッと取られてしまったけれど、従来の雰囲気を残すべく改装したのだそうだ。改装…

注連縄

今日の一枚は大野貯水池。浦木戸の家からの帰り道。食事をするところを探して脇道に入った。 山道をうねうねと走ると、突然開けた場所に出る。立て看板を見ると大野貯水池と書いてある。水道用水なのかと思ったら、発電所用の調整池とのこと。重要文化財で完…

ワニ系

今日は昨日の続き。茅葺であれば茅をバサバサ重ねて縛り付けて、最後に散髪するように鋏で切り揃える。今回は金属板で葺くので下地は平面でなければならない。曲がった材料ばかりで組まれた小屋に平坦な屋根面を作る訳だ。 「そんなこと当然でしょ」なのだが…

闖入した広告の顛末

今日の一枚は夏草に埋もれたフォルクスワーゲン。昨日の土蔵の足元にはこんなものもあった。さて、9月2日に「へんてこりんな広告がブログの本文の後ろについてしまった」とボヤいた。決してというか全くというか、格調高くない駄文ではあるが、物欲しげな広…

写真は昨日の続き。 土蔵の裏手に回った。同行の方々が熱心に建物を眺め、撮影する傍らでこんなものを見つけた。イチジク。関係ないけれど「九」と書いて「イチジク」と読む名前の人がいるそうだ。漢字の試験で読み方を問われたら、そう答えても正解になるの…

緑のカーテンの賞味期限

今日の一枚は朝顔。 ピンガ=マジョールで作る緑のカーテンを断念して、朝顔の苗を植えた。暫くの間は鉢の中で知らん顔状態で風に揺れていたが、ようやくやる気になって蔓を伸ばし始めた。蔓は最終的には10メートルほど伸びると口上書きにはある。事務所のあ…

燻製住居

右の写真はオンドルの煙突。澤田政廣記念美術館の裏には韓国の住居があった。台所のかまどの焚口が掘り下げられていて、煙が住居の床下を通り、この煙突の目玉みたいな丸い穴から出て行くのだそうだ。同行のO氏は実際にオンドル体験があって「暖かい、でも床…

幻の宿場町

今日の一枚は犬目宿の入り口付近の神社の境内にあったお知らせ看板。甲州街道にはこんな地名がある。犬目宿・鳥沢・猿橋。日本の昔話みたいだが、山梨が桃の産地だからこんな地名になったなんだろうか。ちなみに鬼が島という地名は無い。 猿橋・鳥沢は旧国鉄…

ぼんやりと明るい夜

写真は旧田中銀行の床下換気口。 今日も計画停電があった。 朝から現場に出かけ、18時過ぎに事務所に戻る。18時20分から停電なのだ。窓の下を「・・・御・迷惑・を・・・お掛けしま・・・す・・・・・」と途切れ途切れのアナウンスをしながら自動車が通り過…

本物の雪景色

昨年5月に野辺山を通りかかって偽物の雪原を撮影した。→ここをクリック それで、こちらは本物の雪景色。今年は暖かいのでもうすぐ溶けてしまいそうな気配がする。ありふれた景色だけれど、今年の見納めかも知れない。 さて、午前中に長野の現場に出かけ、2…

風変りな家

今日の一枚は練塀。何年か前に大阪府堺の街中で見つけた。この塀の向こうにある民家を再生して出来たレストランを訊ねたのだけれど、なんと定休日。 内部が良いので見てほしいと案内されてきたので、ちょっとがっかり。 だがこのような練塀は地元の人にはあ…

カラスは鳥目か?

今日の一枚は玉石基礎。 四方津で工事中の浦木戸の家縁側の土台と柱、そして基礎の納まり。 通常の工事では基礎を作り、その上に土台を敷いて柱を建てる。ここは再生工事なのでちょっと手順が異なる。 既存の桁から柱を吊る。土台を下から差して持ち上げて柱…

毒をもって毒を制す?

今日の一枚は板壁。 以前も同じような壁を見上げた写真を撮っている。「一体どこが違うの?」と聞かれそうだが、これは近江八幡で見かけた焼き杉の壁なのだ。案内してくださったS氏によれば、「この地域では、焼き杉板には防火効果があるから古くから使われ…

北方系

今日の一枚は遠野の千葉家住宅。これは重要文化財だが、奥の方は今でも現役で使用しているので、見学は入り口付近の厩や土間、そして庭先に限られている。 「茅葺民家を集めて民家村を計画しているので、全国の事例を手分けして調査をして欲しい。ついてはオ…

手を振るものたち

今日の一枚は塩山駅北口の棕櫚の葉。こんな風に手を振っていた。 昨日の立往生のことが今朝の新聞に出ていた。不審物は結局のところ電子手帳や衣類だったのだそうな。 バックひとつで24000人が足止めを食ってしまった訳だ。いささか大げさなことにも思える。…

石畳の道

今日の一枚は高山で見かけた映画の看板。早朝街歩きをしているとこんなものを見かけた。 「二人の世界」とか「キューポラのある町」とか「霧笛が俺を呼んでいる」とかある。見たことはないけれど、題名と俳優は知っている。 見ると建物には「高山昭和館」と…

心もとないようだけど

今年は何時までも暑いじゃないかと思っていたけど、ここにきて一気に寒くなった。朝から雨も盛んに降っている。 新聞には「寒波急襲」と出ていた。秋はどこに行ったんだろう。 再生したばかりの民家の床は昔ながらの三和土で復元している。気温は低いけれど…

15分の寄り道

今日の一枚は石置き屋根。 安房峠を越えて158号線を高山に向かう途中こんなものが見えた。屋根の上に石が載っている。ボソボソした屋根葺き材は何だろう。板葺なのか樺葺なのか・・・。 こういうものを発見して知らん顔は難しい。朝早く出かけてきたので、約…

庭仕事の愉しみ

昨日の庭仕事の影響か今朝は腰が痛い。 葉っぱを詰めた黄色いポリ袋を回収車の来るところまで持って行くと、先客の荷物が山になっていた。隣近所でも一斉に剪定をしたらしい。どうにも置き場所が見当たらない。仕方がないので、改めて水曜日に出直すことにし…

白色矮星的縮尺

今日は事務所でデスクワーク。宮光園の完成書類を業者が持ってきた。 電気と機械設備の書類。写真がどっさり写っている10センチほどの厚さのファイルと、協議書と施工図やら承認図やら閉じたやはり10センチほどの厚さのファイルがそれぞれ1冊。これで終…

史上最高な日々

9月の声を聴くが、とても暑い。新聞によれば今年の暑さは史上最高なのだとのこと。よくは判らないが「史上最高」というのは悪い気がしない。 8月最後の一日は民家の調査に出かけた。再生計画の立案にあたっては建物の現況を調べなければならないのだ。 我々…

脳は勘違いする?

今日の一枚は新潟市内で見かけた建物。見方によっては4階建てとも思えるが、木造の3階建て。耐震性が心配だが、聞くと明治期の建築だという。すると1964年の新潟地震でも無事だったことになる。例によって「新潟地震」で検索すると、すぐ近くでは竣工したば…

今日は昨日の続き

「今日は昨日の続き」。そんなタイトルの本が長いこと本棚にあった。大学の学園祭で古本コーナーにいた売り子の口上が面白くて、つい買ってしまった。書いたのは佐藤栄作という人。結局読まなかったが、きっと総理大臣になってノーベル賞まで貰った人のサク…

日独上棟式事情

今日は「8月15日」 の続き。 マサカリ大工のイベントは日本人とドイツ人の大工達が、それぞれの国の伝統的な工法を使って、1日で建て方(骨組みを組み立てること)を行うというものだった。 朝の11時頃現地に着くと、既に日本チームは棟木まで出来上がっ…

波平屋根

今日の一枚は茅葺屋根の表面。出来てから1年経っていないので、まだ切り口が新しい。 塩山から大菩薩峠に向かう途中に上条という集落がある。ここには甲府盆地東北部の典型的な養蚕農家が10数棟残っている。これはその中の一棟で再生工事を施して今年の4月…

古民家の雨漏り対策

山梨県甲府盆地の北東部の民家の特徴は「突き上げ屋根です」なんてことを、あっちこっちで言いふらしてきた。 ある日主要道路からちょっと外れた集落を歩いていたら、こんな屋根を見つけた。例外もあるのだ。というか、民家はむしろ例外だらけなのだ。 屋根…

民家の築年数の調べ方

右の写真は「巨峰」。もしかするとピオーネという品種かも知れない。こうして一房づつ袋をかけて大切に栽培するのだが、昨今は収穫間際に盗まれるケースが多い。誠に世知辛い世の中なのだ。 さて、今日は民家の調査。調査項目の一つに築年代の確認がある。こ…

焼き物の探訪

清水焼のみやげ物店に数名が入っている間に、こちらは別の焼き物をさがした。京都では町屋の下屋や庇にどんな瓦を使っているか見ようと、路地裏を歩いた。そんな訳で、今日の一枚は「野郎瓦」。無粋な呼び名で一瞬信じられないが、同行の瓦職人であるT氏に尋…