15分の寄り道

west2692010-10-27

今日の一枚は石置き屋根。
安房峠を越えて158号線を高山に向かう途中こんなものが見えた。屋根の上に石が載っている。ボソボソした屋根葺き材は何だろう。板葺なのか樺葺なのか・・・。
こういうものを発見して知らん顔は難しい。朝早く出かけてきたので、約束の時間には間に合うとは思うけど、どの程度余裕があるのかは自信がない。「どうしようか」と迷っている内にも車はどんどん進んでゆく。
同じ機会というものは案外少ないものなのだ。それが証拠に「また来ればいいや」とやり過ごして、そのままになっている所が沢山ある。雑用は増えるが、人生の持ち時間は確実に減ってゆくのだ。
「一期一会ともいうじゃないか。15分だけ見て行こう」と思い直してUターンした。わずかな間に5,6キロは進んでいたらしい。何故停まって考えなかったんだろうと反省しながら山道を戻った。
建物の前に車を止めると、今度は携帯電話が鳴った。聞けばややこしい話題なのだ。簡単には終わりそうにない。幸いコンパクトデジカメという強い味方がいる。時間が惜しいので会話を続けながら、片手で写真を撮った。
そんな訳でもう一枚は「風切板」。

「破風板」とか「鼻隠し」などと呼んで覚えた部位だが、樺葺や板葺やトントン葺の屋根では「風切板」と呼ぶ。風で屋根葺き材がめくれ上がらないようにそう呼ぶのだろう。傷みやすくもあるが、取り替えやすくもある。なかなか面白い造り方をしていた
帰り道にもう一度寄って聞いたところによると、この民家の屋根に葺かれている板は栗材とのことだった。