長寿命な素材

west2692010-10-26

今日の一枚は宮光園の出来立ての「三和土」。土に石灰とニガリ(塩)を混ぜて、締め固めて作られる。かつて我が家の玄関も同じような「三和土」だった。雨の日に靴の底に泥をつけて出入りするので、床面が凸凹になってしまった。掃除も大変だったのだろう。いつの間にかコンクリートで固められ、移築の際にはタイル敷きの床に代わってしまった。
これは丈夫に違いないと思ったけれど、靴底についた砂のために10年程で表面が擦り減って地が出てしまった。こうなると、いくら水洗いしても効果が出ない。埃の積もった床のように見える。今ではもう取り替えるしかないと諦めてしまった。
もう一枚は高山の吉島家で見かけた「三和土」。

塩山あたりで見かける土間と異なり、硬くてまるで石のようだった。手で触れてもポロポロと剥離しない。珍しいので、写真を撮っていると、持ち主の方が説明してくれた。残念ながらメモが見つからないが、確か「サバ土」という素材を使っている。土というよりは砂に近い。所々補修の後はあるが、丈夫で創建時(明治40年)から使い続けているとのこと。造り方によっては長寿命な素材なのだ。