路上観察(歴史的建築物)

白黒のバラ

今日の一枚は白いバラ。終わったつもりの原稿だったが、加筆修正というものが残っていた。そんな訳で昨日は一日自宅に籠って原稿書き。すっかり調子が狂ってしまった。 昼休み食堂の窓から外を見ていると庭のバラが咲いていた。カメラを持って外に出たが曇っ…

5000年後

今日の一枚は発掘のあと。縄文時代から始まって室町時代・江戸時代と各時代が混じっている。土には痕跡が残っているだけで、建物は何一つ残っていない。今朝の新聞にこんなことが書いてあった。東京電力の福島原発の「炉心再損傷確率5000年に1回」。なのだ…

ザクロの実

今日は炎天下徒歩で事務所と市役所を2往復してしまった。途中見上げた木の枝ではザクロが色づいていた。 先般亡くなった加藤和彦さんの曲にこんな一節がある「果実は割れた 旅の詩人は 星から星へ旅を続ける 不思議な秋の日」(松山猛)。 子供の頃接した詩…

赤い花

今日は草むしり。設計事務所のブログのくせに、野菜や草むしりの話が多いじゃないかと言われそうだけど、田舎なんだから仕方ない。今日を逃すと当分我が家は草深いままなのだ。写真は名前の知らない花。母親は「オシロイバナ」と呼んでいたような気がしたけ…

開かずの扉

今日の一枚は入間の洋館。玄関ポーチの屋根。 数年前に圏央道が出来たのでそちらを利用するようになったけれど、かつて群馬方面に行くためには、中央道を八王子で降りて関越自動車道のICまで16号を走って行った。 途中木造の古い洋館が道沿いに建っている。…

園芸な日々

今日の一枚は「本郷界隈の風景」。イギリス積みの煉瓦なのだ。 事務所は農村地帯に有るので、時折農協と思しきところの放送が聞こえる。ラジオじゃない。住人全員に聞こえるほどの大音量で放送塔からながして、地区全域にくまなく知らしめる。 「そろそろ、…

家庭菜園な日々

写真は久しぶりに見る蛇イチゴ。昨日迷った山道の行き止まりの道端に咲いていた。ありふれた植物だと思っていたけれど、最近見かけないような気がする。今日は我が家の周りの庭仕事。朝食後ゴーヤにネットを張って絡ませる。これで緑のカーテンが出来るはず…

冷やし壺

今日の一枚は放光寺の仁王門。伽藍の内側から外を見た所。 知人の依頼で甲州市内を案内した。一応観光地なので恵林寺を始めとする定番メニューはあるのだけれど、地元民ならではの独断による趣味的なコースを通ることにした。 宮光園に裏から入り、うっかり…

待つこと・断食すること・考えること

今日の一枚は睦沢学校。 指定された場所に着くと誰も来ていない。受付に行くと内線で担当のT氏を呼び出してくれた。良くある話だが、どうやら時間を聞き間違えたらしい。なんと2時間も違う。 短い人生、こういう無駄なことに時間を費やすのは実に虚しいもの…

マーガレット再び

今日の一枚は向嶽寺の築地塀。家から歩いて5分ほど。写っている真ん中の門は中門といって重要文化財(というのは最近知った)なのだ。 築地塀は子供の頃は塩壁と呼ばれていて、事実かどうかは不明だが、その名の由来は「壁の中に塩が混じっているからなのだ…

薬ばかりの日々

今日の一枚は福々亭。 暖かくなってきたのは嬉しいけれど、今度は花粉の季節が始まる。冷蔵庫にしまい込んだ花粉症の薬を久しぶりに取り出す。 以前「自然治癒」が望ましかろうと、いろいろと民間療法を試してみたことがある。マスクをする。甜茶を飲む。水…

ものは試し

今日の一枚は我が家の梅の花。 先日後2日で立春なのに随分寒いじゃないかと書いたが、律儀に暖かくなった。まだまだ油断はできないが、今年初めて降る雨の音もどことなく春めいて聞こえる。我ながら単純なものだ。 3月には法事があるので、そろそろ準備をし…

高いところが好き?

今日の一枚は東本願寺御影堂の架構。「なんか変だな」と思った方、いませんか? 実はこれには訳があります。 「工事中の建物の小屋裏に潜ってみませんか」と知り合いに誘われた。 人間が立って歩けるほどの高さと広さがある屋根裏というのに興味を持ったので…

大きな名前

今日の一枚。ぶら下がって居眠りをしている訳じゃない。 山手線のある駅前に大きな名前の小さな神社があって、そこの社にはこんな懸魚が下がっていた。撮影の日付を確認したら2004年12月とあった。久しぶりに前を通ると消えていたので、記憶違いなのかと心配…

音無の構え

今日の一枚は「旧千野学校」。明治13年に建てられた藤村式(擬洋風)の建築と言われている。2009年の9月23日のブログにスケッチを載せたことがある→。 この外観だけじゃ明治時代の擬洋風とは信じられないけれど、屋根裏に潜るとペンキ塗りの跡と8角形の柱の…

あと一日ある

今日の一枚は友人宅の庭で笑っている猫。 何時もなら家の周りで埃だらけになって大わらわなのだが、足は痛いわ、腹は痛いわで今年は庭木の世話を先送りした。 時間が出来たのでいつもより早く年賀状の宛名が書ける。10時過ぎから書き始めて、4時30分頃に終了…

レトロな銀行

今日の一枚は瑞泉寺の勅使門。聞くところによると門の両側に見える築地塀のストライプが社会的身分の高さを表しているのだそうだ。 10月に富山に出張した。遠くまで行って用件だけ済ませて帰るのはいかにも惜しい。 出かける前にめぼしい建物のリストを作り…

足を洗う

写真は布目タイル。旧昭和塾堂の玄関脇に貼ってあった。 今日は昨日の続き。先週3日間の不在を補うための打ち合わせで午前中は終わってしまい、午後になってやっと医者に行った。名古屋に4時間足らずで着いたのに、我が家の一軒おいて隣の医者まで4日要する…

意外な新事実

今日の一枚は森鴎外の居宅。小倉で止まったホテルのすぐ近くにこれはあった。入り口の解説には「明治32年6月から35年3月まで」ここで過ごしたと書いてある。内部には当然のことながら座敷があって、障子の中央部にはガラスがはめ込んであった。見るとガラス…

長寿命な素材

今日の一枚は宮光園の出来立ての「三和土」。土に石灰とニガリ(塩)を混ぜて、締め固めて作られる。かつて我が家の玄関も同じような「三和土」だった。雨の日に靴の底に泥をつけて出入りするので、床面が凸凹になってしまった。掃除も大変だったのだろう。…

大都会の条件

今日の一枚はちょっと派手目な洋館。レストランらしき佇まいだが、入り口には何故か中華料理の看板が出ていた。 案内図を見ると「北九州市国際友好記念図書館」といって「北九州市と大連市との友好都市締結15周年記念」に建てたものだという。いきさつは皆目…

メール不通の顛末

今日の一枚はフランク=ステラの作品。北九州市立美術館のアネックスの前にあった。 打ち合わせやら、来客で午前中は電源を入れたきり自分の机に戻れなかった。午後になってやっとパソコンの前に座ると、今日はメールが来ていない。ジャンクメールがめっきり…

記憶力について

今日は昨日の続き。「ブログは備忘録」とあったので、こうして印象に残るところをメモして丸2年は経過した。我ながら良く続く。しかし、何時まで続けられるんだろう。 さて、現地で説明文も読んだんだけど建築年代・設計者などの概略はすっかり忘れてしまっ…

バナナの叩き売りの故郷

今日の一枚はバナナ。門司港の近くに門司税関という建物がある。煉瓦造りの古い建築なのだ。建物の前に立つと何故かバナナをかたどった看板がある。看板には「バナナ博物館」とまで書いてある。中に入るとやはりバナナが並んでいて、バナナ売りのおばちゃん…

忙しい建築

新潟税関の建物の傍らにこんな蔵があった。石庫と言って税関に持ち込まれた品物の保管をするための建物だとのこと。やけに石が新しいので新築なのかと思った。家に戻って調べると、昭和57年に復元されたもの。本物は明治2年の建築で昭和38年に解体され…

唐突な話題

昨日に引き続き鼻がむずむずする。寒いような気もする。 事務所ではM君も同様の症状を見せている。花粉症なのか風邪なのか判別できないので、とりあえず薬を両方飲んでみたら、なんだか眠くなってしまった。 今日は朝から宮光園の竣工写真を取りに出かける予…

ここから先

あるお寺の住職に聞いた話によれば、中世から近世にかけての宗教教団はネットワーク型の国家みたいなもので、それは現在のような領土型国家のパラダイムとは異なるが、独自の政治体系・経済力・軍事力を備えており、時の権力と併存していた。 ちなみに「一揆…

お先に失礼

今日の1枚は「旧富山県立農学校本館」。「福野にはこういう建物がいっぱいありますよ」というのは事務所のM君の話。彼は日本海と日本酒にとても詳しいのだ。 ならばと、おなじみのウィキペディアで検索して地図も印刷した。準備を整え家を出て高速道路に入…

一本道の落とし穴

「砺波に泊まるなら、これを見なきゃ」と知人に勧められたのは瑞泉寺。今日の一枚。軒裏の詳細。 地図を見ると高岡から40号線で一本道だ。詳しい地図はないけれど、これなら迷う心配はない。山梨と違って、水田が広がって見通しも良い。 ずんずん走ってゆ…

人間の道

「4段ある階段板のうち3枚は柾目だが4段目だけ木目を見せていますね。ちょうどこちらから見る目の高さと同じです。向こうからもこちらを見ている。そうやって厳しく自分と向き合う場所です。」 今日の一枚は瑞龍寺という富山県のお寺。これは仏殿。 なかに入…