路上観察(近・現代建築編)

久しぶりの空気

今日は昨日の続き。武蔵小金井の樂庵には写真撮影のために行った。 今日の一枚。 東京へは仕事に行くのだからとんぼ返りが多い(当然か)。しかし、今回は久しぶりに寄り道をする。友人と待ち合わせして、アルタの前から靖国通りに向かって歩く。何だかやけ…

5000年後

今日の一枚は発掘のあと。縄文時代から始まって室町時代・江戸時代と各時代が混じっている。土には痕跡が残っているだけで、建物は何一つ残っていない。今朝の新聞にこんなことが書いてあった。東京電力の福島原発の「炉心再損傷確率5000年に1回」。なのだ…

麻のコーナー補強

ある寺で江戸時代から続いている子供の「癇の虫」を治療する虫加持堂の修理を始めた。建物は防火のために土蔵のように塗りくるんである。所謂大壁造りというもの。長い年月を経て、さすがにあちこちひび割れが出てきた。老朽化が進んで、手に負えなくなる前…

インディゴブルーの映像

ホテルの部屋に入って、窓にかかったカーテンを開けた。こんな夜景が見える。当たり前だが、外が見えることに納得する。だいぶ昔だったけど、富山で一泊したことがある。ホテルの窓を開けたら手を伸ばせば届きそうなところに隣地のビルの壁があった。こうな…

オリエンタリズム?

今日は昨日の続き。雑誌の写真を見た時は木造のチャペルのようだと思った。期待を持って見に行ったら、何に使うか判らないがらんどうのスペースだった。聞くところによれば多目的ホールという説明だった。今日の一枚。今回ゆくと生徒達が床一面に紙を広げて…

昔は丘だった

今日の一枚は東野高校の食堂の一部。埼玉の入間にある。事務所を開設して間もない頃、友人たちと見学に行った。中央道を八王子で降りて、16号を走る。入間市に入って16号から外れて、茶畑の中を通る。しばらく行くと小高い丘の上に土蔵と擬洋風建築とを混ぜ…

地図の重さ

昨日は東京に出張。朝7時40分のあずさに乗る。 遠くの空にいわし雲が浮び始めると、朝晩は肌寒くなる。家を出る時に上着に手が伸びかけたが、今日は荷物が多い。持ち歩くものは少しでも軽くしたい。バックの中には打ち合わせ用の図面とファイルと筆記用具と…

二百十日

今日の一枚は茅屋根の解体の様子。雨漏りを直すために屋根材を葺き替える工事。このように古い茅を撤去した後、不運にも雨の降る日が続いている。 事務所を出て自動車に乗り、空を見上げると雨雲が垂れ込めていた。植木の水やりをどうしようかとしばし迷った…

夏休みの花

今日は昨日の続き。「平岡レース事務所棟の階段手摺」。簡素な建物の中で唯一手間をかけた場所と言っていいと思う。 木材を削り出して柔らかな立体を造り出す。かなりローコストな建物という事だが、少し前の時代にはこの位のことは普通にやったのだろう。 …

津波

今日の一枚は「平岡レース事務所棟」。遠藤新という建築家の最晩年の作品。 最初は「うーむ何処が・・?」と戸惑ったけれど、眺めているうちに段々それらしく見えてくるから不思議だ。それともこちらがいい加減なのかな。 戦後間もない建設とのことで、資材…

国立競技場

今日の一枚は「ほおづき」。大月の民家の近くで見つけた。 立秋を過ぎたら、ぶっ倒れそうなくらい暑い日が続き、今日になって突然それが止まった。現在室温は25℃。山梨県甲州市の外気温は21度なんだとパソコンの画面に表示が出ている。 昨日は東京に出張。大…

意外な産業遺産

6月5日の続き。「民家の学校」の生徒達が帰った後、H氏から面白いものがあるから見に行こうと誘われた。 そんな訳で、今日の一枚は「円筒分水庫」というもの。これは中心部を見下ろしたところ。内側の円筒から水が噴き出して、外側の円筒状の壁面に開けられ…

心の平穏

今日の一枚は「カモミールティー」。都内の某ホテルの喫茶室で注文したもの。 待ち合わせの場所について席に座る。どういう訳かなかなか注文を取りに来ない。東京で喫茶店に入るのは久しぶりだけど、これが最近のマナーなのかな。 12分ほど経ってから、視線…

緑のカーテン

今日の一枚は昨日の続き。ヒヤシンスハウスの入り口。 高校の教科書にはこんな詩が載っていた。「ささやかな地異は そのかたみに 灰を降らした この村に ひとしきり」(はじめてのものに 立原道造)只の火山灰なら良かったんだけど。今回の灰はとんでもない…

節電電車

右の写真はヒヤシンスハウス。立原道造の家というか小屋なのだ。約束の時間まで30分あるのでちょっと足を延ばす。前回来た時は休館中で中を見ることが出来なかったから、再挑戦なのだが、またしても休館中だった。無計画に行動するからこうなる。なかなか思…

徹ふたたび

塩山はすでに桜が散っているが、日曜日の長坂はまだ桜が咲いていた。こちらは清春美術館の敷地内にある茶室。「徹」。 カラカサお化けみたいに一本足で立ってはいるが、傘は開かない。左手にある一つ目みたいな窓から満開の桜が見えるはずだが、一般人は入室…

空調に頼らない美術館

今日の一枚は昨日の続き。光の美術館を見上げたところ。 トップライトを除けば、この2本のスリットと北側にある小さな窓だけで内部の採光をしていた。解説によれば「自然光だけで作品を鑑賞できる世界でも初の美術館」なのだそうだ。屋根からはたっぷりと日…

三色倉庫

今日は北杜市の清春美術館に行く。ここには現代美術のアントニ・クラーベの作品を収蔵している「光の美術館」がある。 敷地に入り目的の建物に向かうが、手前でくるりと向きを変え建物から遠ざかる。入り口付近に立っている美術館関係者が不審そうにこちらを…

大学堂

地震後の節電で市内のマーケットは照明を減らしている。夕方買い物に行った際に天井を眺めると、3本の内2本が消えていた。電球色の照明が多いからなのか、光量はいつもより不足気味だが、暖かい雰囲気ではある。遥か昔のマーケットはこんなだったような気が…

ヒツジの品薄

今日の一枚はショーウィンドウ。新年になって2週間、1月も半ばを過ぎた。建築現場もそろそろ本格的に仕事を始める頃だ。あとで慌てることになっても、年頭はなかなか始動しないのはこの業界の文化らしい。 早速こんな電話が入る。「断熱材がありません」。断…

外観のみ

今日の一枚は旧森五商店東京支店(現近三ビル)の外壁見上げ。建築の案内書には「外観のみ。内部見学不可」とある。成程。それはともかく近くまで来たのだからと足を延ばしてみた。東京のように建物が立ち並んでいるところは町名や番地ではどこにあるのかわ…

我慢強い機械

右の写真は旧千代田生命のアルミダイキャスト。 今日も東京に出張。先ずは六本木ヒルズの近くで打ち合わせ。賑やかな界隈だ。大学に入りたての頃、アルバイトの帰りに友人とこの辺を歩いたら、夜中でも人が大勢歩いているのでとても驚いた。 相変わらずの人…

新旧の接続

今日も昨日の続き。といっても、表参道から少し離れた六本木の「国立新美術館の一部」。 東京では山梨にいる時よりも歩行距離が長くなる。カメラを抱えて太陽の下をテクテクと歩く。靴が磨り減るけれど、健康には良いかもしれない。 さて、美術館の正面入り…

人口密度

写真は「表参道ヒルズ」。丸で囲った「参」という字が書かれた建物が昔の「同潤会アパート」。苔むして草臥れた住戸が以前はズラーッと並んできたけれど、今はこんな風になって、一部だけ残されている。 今日は昨日の続き。「音なしの亀」違った「音なしの構…

ドタキャンの日々

今日は新聞を取りに外に出たきり、後は一日家で過ごした。世間は慌ただしい年の瀬なのにのどかな話だとは思う。腹痛で長野行きをドタキャンしたのでポッカリ時間が出来てしまったのだ。 何時もならこの時期は木の枝を切ったり、枯草や枯葉を燃やしたり庭仕事…

さび落とし

今日の一枚は屋根の塗装。 事務所の一軒おいた隣はタクシー会社なのだ。窓から見下ろすといつも赤く錆びた屋根が見えた。手前の水色の所まで塗装して、現在残りの部分にある錆を落としている。ここ2,3日ガリガリと賑やかに削っている。穴が開かなきゃ良いけ…

上を向いてあるくと・・・。

今日は19日の続き「旧昭和塾堂の内部」。 かつて「上を向いて歩こう」という歌があって、海の向こうでは何故かスキヤキソングと呼ばれていたという。日本語と英語訳の歌詞も比較したけれど、スキヤキとはどこにも書いてない。不思議な話だ。 それはともかく…

親近感

今日の一枚はホウトウという山梨県の郷土料理の店なのだ。 こんなに寒い日に、くもり空の下に白い壁の建物がこんもり建っていると「カマクラ」みたいに見えるけど、もちろん雪じゃなくて鉄筋コンクリートで出来ている。 夏頃から何度か前を通りかかった。一…

手入れの良い庭

今日は庭仕事と家の片づけ。 朝食をとりながら2階の窓から見下ろすと、庭のもみじの枝がぼさぼさに伸びている。 去年は枝に付いた毛虫に刺されて手がグローブのように腫れ上がった。そんな記憶が生々しいので今年は敬遠していたら、毛虫たちもいい気になって…

朝飯前の話

新幹線の時間まで30分ほどある。朝食の前に少しだけ駅前を眺めることにした。博多駅の隣にはこんな建物があった。郵便局の建物かなと思ってよく見ると「でかでかとPOST博多」と書いてある。 犬も歩けばではないが、ちょっと大発見の気分。ここのところ建…