インディゴブルーの映像

west2692011-09-30

ホテルの部屋に入って、窓にかかったカーテンを開けた。こんな夜景が見える。当たり前だが、外が見えることに納得する。だいぶ昔だったけど、富山で一泊したことがある。ホテルの窓を開けたら手を伸ばせば届きそうなところに隣地のビルの壁があった。こうなるとカーテンなんかあってもなくても同じなのだ。何時まで経っても夜が明けないなと、時計を見たら既に朝食時間になっていた。
話は戻って、ベッドに寝転がりテレビのスイッチを入れると、見覚えのある映画の画面が出た。インディゴブルーの洋服を着た男たちがごちゃごちゃ映っている。「大脱走」と言う古い映画なのだ。ストーリは簡単だ。捕虜になった兵士が一斉に脱走を企てる。一般市民に紛れ込んで逃げ出そうという寸法なのだ。そのために軍服を加工して平服を造ったりする。
収容所の身の回りにある限られたものを活用して、旅券・切符・身分証明書など、脱走の為に様々な小物を器用に造り出す。人間というものはこんなにも様々なものを造り出す能力があったんだなあと思った。
現在の世界はどうなんだろうか。携帯電話・パソコン・デジカメ、薄くて小型化していて、目に見えない情報が詰まっている。もはや人間の指先からは造り出せない製品ばかりだ。そういうものに囲まれて暮らしている。

さて、窓から見える夜景の右手には大型の高層建築がある。明かりのまったくついていない、真っ暗なビルだった。明るくなってもう一度見たらこんな建物だった。解体を待つ赤坂プリンスホテル