麻のコーナー補強

west2692011-10-15

ある寺で江戸時代から続いている子供の「癇の虫」を治療する虫加持堂の修理を始めた。建物は防火のために土蔵のように塗りくるんである。所謂大壁造りというもの。長い年月を経て、さすがにあちこちひび割れが出てきた。老朽化が進んで、手に負えなくなる前に修理をすることになった。右の写真は傷みの著しい場所の漆喰仕上げを取ったところ。土蔵の出隅はこんな風に作ってある。髭のように出ているのは麻縄。稲藁と違って引っ張りの強度は高い。左官の説明ではこれがコーナーにL字を描くように入っていて、土壁の割れるのを防いでいたのだそうだ。

帰り道、何時もと違った角を曲がると道に迷った。愛車にはカーナビが無いし、地図も持っていない。ウロウロしているとこんな建物の前に出た。

市川大門駅。この駅は電車で通り過ぎたことならある。最後に身延線に乗ったのは遥か昔の25,6歳の頃だった。その頃は木造の地味な駅だったように記憶しているけれど、あれから一体何があったんだろう。