路上観察(近・現代建築編)

何だか、似ていないか?

今日は16日の続き。 O氏の手元にあった有名建築の写真リストの中に風変わりなものがあった。「旧志免鉱業竪坑櫓」という。行ってみたいが住所が判らない。 山梨の事務所に電話して名称を告げて、検索を依頼する。しばらくするとメールで道案内を送ってきた。…

天気輪

今日は昨日の続き。写真は美術館の裏山にあったレストラン。 水力発電所は水を落として水車を回すから、裏手は当然のことながら山に続いている。構内案内図にはレストランが載っている。朝から何も食べてないので、そこで食事をとることにした。 登り切った…

屋台の美術館

今日の一枚は下山芸術の森発電所美術館。富山県には水力発電所を転用した美術館があるというので見に行った。 煉瓦の壁はなかなか渋くて、イギリス積なのだ。 中に入って入場券を買うと「1階ではこれから洪水が起きます。2階に上って下さい」という。 階段を…

竜王駅再び

今日の一枚は竜王駅前。こちらも駅舎と同様、世界的な建築家の設計なのだ。 2年前、駅の見学に来た時にはまだ手つかずの空き地があって、「ここはプラザ建設予定地」と案内が出ていた。「プラザ」というのは「広場」という意味だと思うけれど、「建設」とあ…

歴史遺産

日曜日、久しぶりに甲府駅前に出かけた。そこでこんなものを見た。 今日の一枚は解体現場。これは甲府市役所南別館と呼ばれていた。もはや山梨県には希少な昭和初期の建築だが、市庁舎の建て替えに伴い壊されることになった。 甲府の設計事務所に通っていた…

東京を歩く

今日の写真は白井晟一の設計した「善照寺本堂」。作品集で見た時は力強い堂々とした建物だと思った。 何年か前に「東京を歩こう!」という本に場所が紹介されていた。見るとその頃よく打ち合わせに出かけていたお宅の近くだった。ならばと、地図をたどり探し…

無線LAN顛末記

今日の一枚はリゾナーレ小淵沢にあるベリーニタワーの天辺付近。 さてさて、無線LANが繋がらないまま、いつまでもうっちゃらかしておく訳にも行かない。 まずは覚悟を決めて、朝の10時かっきりにインターネットの加入先に電話をする。なんと既に話し中。…

「打ち止め」注意

今日の一枚は東本願寺の地下のホール。伝統的な建築物に混じって、意表をつくように鉄筋コンクリートの打ち放し仕上げの建物が埋まっていた。 ところで、今日はこんな話を聞いた。現在のコンクリートは工場で調合され、ミキサー車で運ばれてくる。だから、品…

吊戸棚の留め方

今日の一枚は事務所から見た夕日。それにしても目の前を横切る沢山の電線は何とかならないだろうか。 午前中に打ち合わせを終えて家に戻り、今日も夏の恒例の草むしり。今年は真面目に手入れをしているので、少しは片付いた状態でお盆が迎えられそうだ。毎年…

学門の殿堂

今日の一枚はステンドグラス。 東京大学医科学研究所の玄関ポーチの天井にあった。なかなか質実剛健なデザインなのだ。 絵柄の真ん中にボンと「学」という字が古い書体で書いてある。外側の8等分された円の中にはそれぞれバラの花が描いてあるのは判ったが、…

春の来ない訳

今日も寒い。日中の最高気温が14度と天気予報に出ていた。 今朝の新聞には昨日「防災甲州」で注意を呼びかけていたミツバチ盗難事件が載っていた。 収穫間際の果物を盗む不届者もいるかと思えば、スモモの幹に薬剤を注入して枯らせる不埒者もいる。本当に酷…

ディープでスピリチュアルな場所

今日の写真は日本橋で見かけた強大なガラス張りのビル。これをどうやら「コレド」と呼ぶらしい。 昨日、今日と事務所に籠もってCPDの申し込みをした。何のことかといえば、建築士は業務に必要な能力を常に開発し維持することを義務付けられている。そのため…

建築写真撮影の障害物

最初に勤めた設計事務所の上司から、「写真は真っ直ぐに撮って来い」と言われた。それ以来、先ずは正面から撮影するポイントを探すことにしている。 最近のデジカメにはファインダーが無いので画面に入っているのかどうか判らない。おまけに陽射しも強いので…

歳月人を待たず

今日の一枚は「京橋3丁目ビル」。これから解体に入るところ。1978年の完成。設計は村野藤吾氏。 建築史家のK先生から「村野藤吾建築案内」という本を頂いた。コンパクトで持ち運びに都合が良い。それに案内図も付いている。早速活用することにした。 京橋の…

アキレタメデスの点

今日の一枚はカタツムリの内部、ではなくて螺旋階段。 下の写真は螺旋階段を上って、屋上から見える建設現場。操作員が乗り込んだ建設機械が行ったり来たりしている。人影は見えない。かつて建築を造るのは道具だったが、今は機械が作る。道具を使うためには…

山梨文化会館の屋上

今日の一枚は「山梨文化会館屋上」。雪が降り出す直前の写真。丹下健三氏の代表作の一つともいえる建築が甲府駅の北口に建っている。先日たまたま屋上を見学する機会があった。雑誌などの概略説明の写真にはこういうところは写らない。下から見上げるだけで…

八朔の日

今日の一枚は「八朔」。八朔を調べたら「旧暦8月1日の意」とあったが、何故か冬採れるのだ。世の中謎が多い。 敷地を測って図面化したら、役所で受け取った公図よりも大きい。図面の上だけなら、建物は余裕で建ってしまう。しかも、狭い所に無理やり押し込…

狐の観音

以下訂正です。1月15日に撮影した狐を頭に載せた石像の話。勝沼の考古学者に写真を見せたところ「これは馬頭観音」とのこと。狐を乗せた観音像はありえないのだそうだ。 そういえばだんだん馬に見えてきた。われながらいい加減な話ではある。同じ勝沼で別の…

草をむしって起きる

門前仲町に行くためには新宿から総武線を使って、途中で東西線に乗り換えればよい。簡単だ。水道橋で降りて外堀を渡る。 たんぼの前に住んでいるせいか水を湛えた堀割は好きな風景だ。 大学のある飯田橋にも同じ堀割があったけど、埋めたててナンチャラプラ…

看板建築

今日の一枚は神楽坂の夜景。学生時代をここで過ごした。 その頃アルバイトに行っていた設計事務所がある3階建てのビルにいたら、どこからかニワトリの声が聞こえた。屋上に登って見下ろすと坂道の向かいにある木造住宅の屋根に鶏が住んでいるのが見えた。通…

混ぜ合わせの塔

古代バビロニアの人々は最初同じひとつの言語を使って話していた。 有名なバベルの塔を彼らが建て初めたのを見て、怒った神様が何をしたのかといえば、彼らの使う言葉を多くの種類に別けてしまったのだという。そのため違う言葉を話すグル−プがあっちこっち…

教会乱入の日

今日の一枚は「アルバン教会」。東京は神谷町にある。 ある晩、じゃなかったある日、地図を頼りに探し当てたら東京タワーのすぐ近くにあった。神谷町には学生時代アルバイトに行った設備設計事務所があった。そこからは夜はライトアップした東京タワーが窓か…

キリストの盆休み再び

今日は目の日だ。だから、パソコンはほどほどにしようと思いながらも、ある委員会の議事録をまとめてパソコンとにらめっこだ。やはり目を1日酷使してしまった。 最大の問題は自分の書いた字が読めないことだ。どんなに崩れていても文字の形をしていたなら、…

お茶の水界隈を歩く

今日の一枚はアテネフランセの工事中の写真。 お茶の水で打ち合わせの後、少し時間が出来た。そこで周囲を探索することにしたが、その日は「東京を歩こう」(エクスナレッジムック)を家においてきた。文庫本サイズで地図が付いている便利な案内書なのだ。だ…

一つ目小僧のいる美術館

我が家の前の稲が色付いてきた。中には重たい頭を持て余して寝転んでいる奴もいる。いつもなら網掛けして雀達から保護する時期だが、今年はどうしたことか放ってある。道も狭いので、はみ出て寝ている一群は自動車が通る度に擦れたり踏まれたりする。こうい…

モグラの旅立ち

今日の一枚は新橋で見かけた巨大なトウモロコシ。じゃ無くて、中銀カプセルタワー。今は亡き黒川紀章氏の設計。学生時代読んだ建築関係の本には大抵載っていた。お茶の水で打ち合わせの帰りに寄った汐留ミュージアムのロビーから偶然見えた。これも解体され…

発電所な日々覚書

今日は昨日の二番煎じ。妻籠発電所の近くにある読書発電所。これは福沢桃介という人の関係した発電所。ちなみにこれは8月27日の「桃介橋」と並んで重要文化財なのだそうな。 こちらも昨日の妻籠発電所と同じように近代的な建物だ。親父の働いていた木造の小…

外国語はちゃんと翻訳して欲しい

昨日の日記に書いた「有楽町そごう」の反対側には「東京フォーラム」がある。この建物が出来た際に、設計者の講演があって聴きに来たことがある。同時通訳だった。それは良いのだけれど、建築のデザインコンセプトに関る、キーワードと思しき単語を通訳さん…

有楽町で逢いましょう

新型インフルエンザとニアミスしてから3日経ったが熱は出ない。そもそも、あの程度のことで感染する訳が無い。のど元を過ぎると強気になるから不思議なものだ。 最近パソコンの立ち上がりが悪い。そればかりか操作の途中で固まってしまうこともしばしば。プ…

「鎌近」と「鶴八」

今日の写真は蓮の池に浮かぶブロック塀・・・・。じゃ無くて神奈川県立近代美術館鎌倉館。長い名前なのだ。だからとても言い難い。そんなわけで個人的には「鎌近」と呼んでいる。「なんでも省略するのは日本人の悪い癖」と三浦友和が話していたけれど、なか…