「打ち止め」注意

west2692010-06-23

今日の一枚は東本願寺の地下のホール。伝統的な建築物に混じって、意表をつくように鉄筋コンクリートの打ち放し仕上げの建物が埋まっていた。
ところで、今日はこんな話を聞いた。現在のコンクリートは工場で調合され、ミキサー車で運ばれてくる。だから、品質が安定している。
しかし、昔は現場でセメントと砂と砂利を混ぜて練っていた。朝から始めた仕事も夕方になり暗くなると、照明を点ける。裸電球で、それほど明るくない。良く見えないし、作業員も疲れてくる。だから攪拌が不十分なまま、打設されることがある。
完成後、雨漏りがすると連絡が来る。天井を剥がしてそれらしき所を探ると、屋根からザーッと砂が降ってきて、開いた穴から空が見えた。
セメントと砂と砂利が分離したままだった訳だ。作業も夕方になり最後に打設されるコンクリートは「打ち止め」と呼ばれる。こんなこともあるから昔の建物を調べる時は「打ち止め」のコンクリートに気をつけろ。そんな話だった。
下の写真は地下のホールから見上げたところ。

ここも青空が見えた。もちろん、「打ち止め」のコンクリートは使っていない。