山北の家

これは渋滞では無い

今日の一枚は「中央道の交通渋滞」だと思う。 10時に山北に行って、家の引き渡し。14時には甲府のシンポジウムに行かなければならない。その後16時に打ち合わせが入っていて、18時には杣口の家に行かなければならない。今日はハードスケジュールなのだった。…

夜目、遠目、傘の内

今日は山北の家の撮影。引っ越しの前には写真を撮っておかなければならないが、完成間際にはいろんな人が出入りしている。左官・サッシ・電気、それにエアコンの取り付けを行っていた。現地に着くと自動車が数台停まっている。外には工具が置かれ、犬走りも…

引っ越し迫る

出典を探してみたが、見つからない。 先日の新聞にこんな内容のことが書いてあった。「何人も私の持たざるものを奪うことはできない」(辺見庸)。確かに、一文無しなら詐欺にも合わない。無一物なら盗まれることもない。だが、時間はどうだろ。どんなに忙し…

忙中閑あり?

今日の一枚は「山北の家」。 どういう訳か今年は一日に行事が重なることが多い。10月最後の土曜日はイベントが2つ重なってしまった。東京と山梨なので掛け持ちはできない。 仕事の締め切りも迫っている。こちらは打ち合わせにも行かなければならない。当然の…

代用品な世界

今日の一枚は那智黒石。新潟の料亭のアプローチに使っていた。 山北の家では建築主の希望でこれを使うことになった。左官職人が見本の石を持ってきたが、中国産もあるという。表面がざらついていて、これほど艶が出ないのだそうだ。 いたずらな「本物志向」…

迂回な一日

今日の一枚は「絵振板」。これは確かそんな呼び名だったと思う。 庇の片流れ屋根の上りきったところを「どうやって納めるの?」と訊かれたので、「こんなのどう?」と、マジックペンを使ってアドリブで絵を描いておいた。次に行くとこんな感じに出来ていた。…

視覚に訴える

我が家の前の駐車場は以前水田だった。ある時、砂利を運び込んで駐車場として近所の人たちが借りるようになった。行き止まりの路地だから借り手は少ない。 余った所には刈り取った雑草が積み上げられるようになった。数年後、堆肥化した雑草の山になにやら蒔…

建築で一番暑い場所

昨日の甲府の気温は37度を超えたんだそうな。そして今日も相変わらず暑い。 お昼を食べに入ったうどん屋のテレビでは夏の甲子園の予選を流していた。お店は冷房が効いているが、炎天下のグランドはさぞかし暑いだろう。それにしても、どうしてこんな時期を選…

虫食い木材の補修

今日の一枚は虫食いの古材。古民家には時折こんな古材が混じっている。シバン虫とかマツクイ虫の食害を受けたらしい。 100年以上風雪に耐えてきたんだから虫食いくらい当然なのだが、流石に表面がザラザラとささくれだった面で手に棘が刺さるのは困る。皮膚…

6寸勾配

今日の写真は屋根の「雪止め」を取り付けているところ。 山北の家に行くと家の前に銅板を乗せたトラックを停め、昼休みを取っている一団がいた。上棟後1ヶ月。ようやく銅板が来たらしい。それにしても、材料が来るまでに1ヶ月も待ってしまった。 屋根の勾配…

足場の昇り降りな1日

今日の一枚は「小屋裏換気口の検討」。小屋裏、すなわち2階の天井の上にある屋根裏にこもった熱気というか空気を抜くために、屋根の軒下にある壁の部分に穴を開ける。穴を空けた場所には小動物や昆虫が入らないように網をかけて、格子で保護しなければならな…

雨の星祭

今日は七夕。にもかかわらず外では雨が降っている。雨が降ると星は見えないのに、梅雨の季節に星空の祭りというのも変な話だなと思っていたら、日本古来の七夕は秋の季語だったそうな。元来雨の季節に行う行事じゃなかった訳だ。旧暦をグレゴリオ暦という現…

食卓の楽しみ

例によって、今日も草むしりだ。目に見えぬほどゆっくりだが植物は毎日伸びている。ウサギと亀ではないが、月に一度や二度、草を刈る位では追いつかない。「世の中は三日見ぬ間の桜かな」という江戸時代の川柳をもじって、「三日見ぬ間の草の丈」という嘆き…

原寸で考える

白鳥の写真を撮った後。山北の現場に向かった。現場にはこんなものが用意してあった。右の写真は棟押え(屋根の一番天辺にある部分)の原寸。 紙の上で建物を考える時は小さく縮小して考える。住宅なら100分の1とか50分の1だ。建築はそうでもしないと大きす…

白鳥のいる湖

きょうの一枚は白鳥。 山北の現場に行く途中で、山中湖の湖岸を通る。観光地の湖面には白鳥みたいな格好の「スワンボート」と称する物が浮いているのを見かけることが良くある。山中湖も例外ではない。でも、何故それが白鳥でなければならないのかは分からな…

足柄山の金太郎

今日の一枚は大雄山駅。伊豆箱根鉄道の大雄山線の終着駅なのだ。 御殿場から国道246号線を山北町に向かうとあちこちに金太郎の文字を見かける。 金太郎というのは御伽噺に出てくる架空の人物だと思っていたが、モデルの坂田金時という人はこの辺りの出身だっ…

現代の神話

今日の一枚は宮城のハミングラボさんのコメントにあったネズミ模様のコードペンダント。 龍ヶ崎の家には漆喰で出来たネズミの彫刻があった。再利用を考えていたのだけれど、余り丈夫じゃなくて解体工事のときに壊れてしまった。可哀相に思った相棒がこんな形…

木を生かして使うためには・・・。

右の写真では何をしているのかというと、物騒なことに「木殺し」をしている。 根太と呼ばれる小径木を床梁に取り付けようとする場面で目撃した。 床梁には根太が取り付くための欠き込みがあって、そこに根太を順次落としこんで行く。欠き込み部分は、後で隙…

ノミを研ぐ

右の写真は山北の家に使われる木材。もうすぐ加工を終え、現地に運ばれ来週からは建て方がはじまる。 今日は2日ほど前に雨漏りがしたと連絡があったAさんの家の玄関ポーチを見に出かけた。 Aさんの家は甲府盆地を見下ろす高台にあり、家の裏にある竹藪からそ…

変り種の柱

今日の一枚は「欅の大黒柱だったもの」。今回は長さ6メートルの欅の大黒柱を切って3メートルで使った。残った部分がこれ。もったいないというか、行きがかり上というか、残った半分も使うことにした。独立柱で使うのなら、多少曲っていても問題はない。玄関…

長いノミ

今日の一枚は「長いノミ」。骨組みだけじゃなくて、大工さんの作業風景も撮影してくれとのリクエストに応えるべく、この日もまた作業場に行った。 でも、見せ場なんてそんなにあるわけじゃない。多くの時間は延々と続く地味で根気強い作業に支えられている。…

ノコギリロボット

我が家の窓台で長いことたむろしていたカマキリたちも三々五々姿を消した。それぞれ自分の信じる道を行ったのだろう。誰が生き残るのかは誰にも解からない。 さて、今日の一枚は「ロボット」じゃない、電気式のノコギリ。左右の目玉みたいな丸いのと、こちら…

土嚢の作り方

今日は小田原に出張。午後には宮光園で打ち合わせがあるので、午前中で要件を済ませてとんぼ返りをすることにした。 家を出て駐車場まで歩く途中で学校の裏手を通る。道路と水路の間に細長い三角形の空き地があって、こんな花が咲いていた。今日の一枚。花の…

ある企業秘密

環境と建築についてのレポートを書くために東京から取材に来た大学生のF君は専攻は構造なんだという。「それなら『枠の内』という富山県の民家の架構があるから見に行こう」と熊野神社近くの作業場に行くことにした。 あちこち回って、作業場に着くと昨日ま…

作業風景

右の写真は「山北の家」に使う予定の土台。 大工仕事の作業中の写真も撮って欲しいと希望があり、加工している真っ最中の現場に行った。 「手を止めなきゃ駄目ですか」と聞かれたけれど、職人はタレントじゃない。慣れないことをしてもらっては申し訳ないの…

手板

連休明け初日はハードな一日だった。宮光園では甲州市長の視察があった。中学生のころ何度か行った記憶が有るが、市長の昔住んでいた家も同じような間取りの大きな民家だった。「我が家も残っていれば、築120年くらいだったんだなあ」と話しながら、屋敷内を…

「ひかりつけ」その2

今日も「富山の枠の内」。ご承知の通り「枠の内」とは弁当のことじゃない。建築の話なのだ。 さて、以前「ひかりつけ」 について紹介したことがあるけど、この作業は興味深いので、また書くのだった。 右の写真に見える黒い古材は丸太で出来た登り梁。これは…

電話の訪問

11時頃、今日のブログを書いていたら携帯電話が鳴った。こんな時間の電話は良くない知らせが多い。恐る恐る応答するとO氏の上機嫌な声が聞こえて安心した。彼の向こうでもがやがやと賑やかな声がする。お茶の水界隈で飲んでいるらしい。ひとしきり都会の音…

仮組み

今日はこんな書類を出した。「一級建築士定期講習申込書」。 つい最近同じような講習を受けたよなと昨年の手帳を調べたら「管理建築士講習」とあった。2週間ほど前は「建築士法23条の6に基づく業務報告書」なるものを出したし、昨年は一級建築士の免許証…

時間との戦い

今日は神奈川県の現場。風邪の熱で2日寝込んだ。熱は下がったがまだ調子が出ない。事務所に行くと机の上にはメモやら書類やら郵便が積み上げてある。未読のメールもたまっている。こういうときは心を落ち着けて「ひとつひとつやっつけるしかないのだ」と、…