6寸勾配

west2692010-07-16

今日の写真は屋根の「雪止め」を取り付けているところ。
山北の家に行くと家の前に銅板を乗せたトラックを停め、昼休みを取っている一団がいた。上棟後1ヶ月。ようやく銅板が来たらしい。それにしても、材料が来るまでに1ヶ月も待ってしまった。
屋根の勾配は6寸勾配。簡単に言うと10センチ進んで6センチ高くなる傾斜のことなのだが、通常の姿勢で乗ることの出来るギリギリの傾斜なんだそうだ。傾斜がこれ以上きつくなると屋根足場というものが必要になる。
この6寸勾配という傾斜は瓦屋根の古い構法の下地ならば、瓦を留める部品が足がかりになるので、我々でも上ることが出来る。しかし、現在の構法はアスファルトルーフィングと呼ばれる防水シートが屋根の下地として敷かれている。多少摩擦は有るが凹凸が無いので足がかりになるものが無い。そしてこの上に出来たてのツルツルの銅板を葺く。しかも今回は雨が続いていたので銅版の上が所々濡れている。そんな状態なので職人も時折足を滑らせていた。
ウロウロしているのが設計者と気付いたのだろう。職人の1人が「6寸勾配なんだよなあ・・・」と呟くように、でも大きな声で通り過ぎていった。

下の写真は板金職人の親方。作業は5時ピッタリに終わり最後の点検をしているところ。
「今日はウチの若い者が良く滑った。危険だから気をつけてくれ」と話していたが彼も相当若いのだった。