所業無常

west2692010-07-15

今日の一枚は市営住宅甲州市がまだ塩山市と呼ばれていた頃設計した建物。これは南側の畑から見たところ。2000年の完成だからもうすぐ築後10年になる。工事中、目の前の畑で住宅建設が同時に行われていた。木造の2階建てだったが、こちらの建物と張り合うかのように敷地一杯に建てて、それでも気が済まなかったのか、ブロック塀で囲んで更にその上に屋根差し掛けていた。我々の建物の方は様々な法律上の制限を受けながらの計画だったが、目の前の堂々たる違反建築のほうはお咎め無しだった。その上完成写真を撮ろうにも、デンと立ちはだかって邪魔でしょうがない。
ところが数年前、フト気がつくとその建物は消えていた。東側の道路が広くなっていた。堂々たる邸宅は道路拡張に引っ掛かって移転したのかも知れない。再び南側に視界が開けて、このような写真が撮影可能となった。諸行無常、いや所業無常なのだった。
下の写真は東側の外観。

向かって左側にブロック塀の跡が残っている。道路を広げても目の前を通る電線はそのままなのだ。町中でも森の中でも青空や雲が電線越しに見える。しかし、街並みというものはどうしてこんなに乱雑で無頓着に造られるのだろう。