「ひかりつけ」その2

west2692010-04-24

今日も「富山の枠の内」。ご承知の通り「枠の内」とは弁当のことじゃない。建築の話なのだ。
さて、以前「ひかりつけ」 について紹介したことがあるけど、この作業は興味深いので、また書くのだった。
右の写真に見える黒い古材は丸太で出来た登り梁。これは斜めに掛け渡された登り梁に垂直な小屋束(四角い新しい材です)を立てる準備をしているところ。右手に見える細い角材が定規になっていて、これと平行な状態を保つように小屋束の足元を削って行く。
削る目安の線は次の写真のようにコンパスを使って、梁の凹凸形状を削られる方の小屋束の足元に転写してゆく。

これを「ひかる」という。
鉛筆の線に沿って削れば、隙間無くぴたりと納まる・・・。はずだが、そんな風に自動的な作業で建設出来るほど甘くない。地上で削っては、屋根に登って立ててみる。曲っていたら微調整のために再び地上に降りて、足元を削り直す。削りなおしたら、また屋根に上って、立てては垂直かどうか確認する。作業は一回では終わらない。納得できるまで繰り返す。
もう一枚の写真はこのような「ひかりつけ」を繰り返して、曲った梁の上に何本か小屋束を立てたところ。

立てた小屋束の頭を最後に水平に切り揃えて母屋を乗せ、垂木をかけて、屋根下地が出来上がる。