木を生かして使うためには・・・。

west2692010-06-03

右の写真では何をしているのかというと、物騒なことに「木殺し」をしている。
根太と呼ばれる小径木を床梁に取り付けようとする場面で目撃した。
床梁には根太が取り付くための欠き込みがあって、そこに根太を順次落としこんで行く。欠き込み部分は、後で隙間が出来ないように少々小さめになっている。だから湿度などの関係で根太が膨らむと入りにくくなる。無理矢理取り付けようとすると材が壊れてしまう。
そんな時はこんな風に金槌で叩いて根太の表面をへこませると簡単にはいる。根太は一時的にへこんでも、暫くすると生き返って元の断面に戻るのだ。最終的にはピッタリと納まるという寸法だ。あまり穏やかな表現じゃないが、この少しだけへこませる事を木殺しと呼んでいる。
下の写真はそうやって木殺しされた床根太を取り付けているところ。

木を生かして使うのが大工の仕事だが、時と場合によっては仮死状態で使うこともある訳だ。