路上観察(民家など)

光る砂

今日の写真は「光る砂」。上条集落にある再生した茅葺民家である甲州民家情報館の庭に出来た水溜りで見つけた。 子供の頃家の周りで見た土もこんな風に光っていた。1ミリ角位の小さい粒が泥に混ざって光っている。それだけ取り出して手に貼り付けて見たらち…

那須野が原のバロック建築

「日本の社会は建築と非建築の違いが出来ていない」。最近の建築に関する座談会でこんな話を聞いた。価値有る建築が容赦なく壊される最近の風潮に関するコメントだ。建築と非建築の違いは、単純に言えば「見る者に訴える何かが有るか無いか」の違いでもある…

茅葺屋根と石葺屋根

17日に引き続き今日も茅葺農家を見つけた。信濃境から富士見高原に抜ける道筋に有った。 何時もとはちょっと違うルートを試して、偶然見つけた。 重機やらダンプやらトラックやらが停まっている空き地に隣接した林の中に建っていた。軒下には干し柿と思しき…

一期一会

今日の一枚は「リンゴ小屋」。長野県の立科町の辺りを自動車で走っていると、いつの間にかリンゴ畑の中を通る道に入り込んだ。ウネウネと曲がるカーブをいくつか過ぎているうちに小高い丘の上に茅葺屋根が見えた。 日も暮れかかっている。でもこのまま通り過…

忙殺な日々覚書

ここ数日イベントの準備に忙殺された。社団法人日本建築家協会の第19回保存問題山梨大会なのだ。実はこの大会は毎年各地域ごとに持ち回りで開催されている。2年位前だったと思うが「次は山梨だからね」といわれた。しかも大会の実行委員長なのだそうだ。 先…

板金鬼瓦

今日の一枚は那須塩原で見かけた鬼瓦。国道4号線沿いに建つ家の屋根に乗っていた。もっとも「瓦」と付けるのは間違いかも知れない。カラー鉄板みたいな素材を折り曲げたり、叩いたりしてこのような鬼瓦の形にしているだけで素材は瓦ではない。 この家だけが…

隔世遺伝

今日の一枚は事務所の近くに最近まであった民家。クロネコヤマトに宅急便を出しに行くと駐車場からこの家が見えた。錆びた鉄板屋根と崩れかかった土壁と、ほとんど風化した雨戸が魅力的だ。「おい、大丈夫か」といわれそうだが、左側中央部分の屋根を何段も…

求めよさらば

今日は昨日の続き。東京に出張し、深夜に塩山に戻った。列車が勝沼を過ぎ、トンネルを抜けると何だか目の前が白い。雪が降ったのだ。「求めよさらば・・・」なのだ。早速電話で「小雪だけれど」と連絡を入れた。山ならもう少し多いかも知れない。早速出発し…

旧道に於ける発見について

もしかするとこんな経験は初めてかもしれないが、今年は2日間続けて忘年会に参加した。そして今朝はいつもより1時間早く起きて打ち合わせに出かけた。朝は曇りがちだったから何だか夜明けと共に出かけるような按配だった。そんな調子だから今日は目が覚めな…

元祖屋上緑化

今日の一枚はイワヒバ。今は北杜市と称しているが、かつて北巨摩郡と呼ばれた地域の民家の屋根にはイワヒバが乗っかっていた。「いた」と過去形にしたのは、現在は茅葺が少なくなって滅多に見かけないからだ。もちろん何軒かは残っていて、このイワヒバはそ…

無法駐車な日

今日の一枚は大谷石の蔵。那須塩原市内で国道4号線を外れ、182号線を大田原に向かう途中にこんな蔵が建っていた。おなじ那須でも黒田原周辺で見かける蔵はもう少し黒っぽい石で出来ている。芦野石というやつだ。 こちらのほうはもう少し違う。明るくて、緑が…

甲州民家の写真撮影について

今日の一枚は「甘草屋敷」。パソコンのキーボードで「kanzouyasiki(かんぞうやしき)」と打つと、「肝臓屋敷」と変換される。単語用例登録をすれば好い事は解かっているが、滅多に使う言葉ではない。メンドウなのでそのままにしておいたが、ちゃんと学習も…

薬の飲み方

今日の一枚は久しぶりの「ベニシジミ」。先日青鷺を撮った洞源湖に居た。我が家の周りにもたくさんいたけれど、最近は見かけなくなってしまった。こんな風にして目立たないように「自然」は少しずつ姿を消してゆく。気が付いた時にはもう元には戻らない。 疲…

急な話

急な話だが甲州市の塩山・勝沼地区の建物を紹介するパネルを作ることになった。 そんな訳で今日の午前中はカメラマンとなって写真を撮り歩いた。あっちこっち行かなきゃならないので、じっくり撮影ポイントを検討する余裕はない。自動車でブーッと行って、目…

運の良い1日

右の写真は東京聖十字教会のステンドグラス。 今朝は昨日の台風で汚れた長靴を洗った後、メールチェックをして、インターネットで電車の乗換えを検索した。今日は松蔭神社前に12時に行く予定がある。9時44分の特急「かいじ」に乗れば間に合う。9時09分に乗り…

ギーッチョン!

今日の一枚は妻籠宿の「ニラの花」。我が家の庭にも生えているありふれたものも、旅先で見かけるとなんだか特別なものに見えてくる。 ネットで検索していて知ったことだけど、昨日のブログに書いた、川の上にせり出した家は「ぎっちょん」をいれた虫籠に似て…

ぎっちょんかご

今日の一枚は「崖造り」の風景。崖造りとは長野県の木曽福島に見られる建築の方法。ご覧のように、川沿いの敷地に家がひしめいている。最初は倹しい暮らしであっても、家族や荷物が増えると家を広くしたくなる。両側には家が建ち、前面は道路、裏には川が流…

妻籠宿の猫

今日の一枚は 妻籠宿の猫。宿場の外れにある民家の前でこんな風に道行く人を眺めていた。人馴れしているのだろう。近づいても逃げてゆかない。カメラを向けても、警戒する風でもなく、逃げ出す気配もない。猫の写真は難しいが、ここでは接近して撮影が出来た…

標準化と地域性

今日の一枚はバンブーネット。これは土塗り壁の下地。 このままでもきれいだけど、住居として実用には耐えない。残念だが壁土で塗りこめてしまった。 建築基準法では建物の地震に対する安全性を壁で確保することになっている。例外もあるけれど乱暴な表現を…

南野呂千米寺の謎

笛吹市一宮の南野呂千米寺という交差点の近くにこんなものがあった。ちなみに南野呂千米寺は「みなみのろせんまいじ」と読む。話は脱線するがこの近くには「七五三石」と書く難読な交差点がある(この文の最後に答えはあります)。話は戻って、この交差点に…

新・新石器時代

今日の一枚は石斧。人類の古い歴史に石器時代というのがある。石器は打製石器と磨製石器というのがあって、磨製石器が発明された時代を新石器時代という。 暫く前まで現場で見かけた大工道具の素材の多くは鉄だが、鉄が出現する以前はこのように加工した石を…

人の目には見えない世界

今日の一枚は六地蔵。「杣口の家」の裏手に立っている。仏教でいうところの「六道」という艱難辛苦から人を救うための菩薩だという。墓地の入り口や街道筋に多く見かけるというが、この道は信州の川上村に抜ける杣道だったのだろう。「杣口」という地名が示…

不調な1日

今日の写真は小淵沢で見かけた茅葺のお堂。 昨日先輩のO氏から電話が入った。「山梨放送で『失われ行く近代建築』をテーマに山梨県庁第一南別館について報道がある」とのこと。我が家のテレビは部屋の模様替えをして以来、アンテナ線がテレビに届かなくなっ…

犬も歩けば

今日の一枚は鉄平石。佐久に住むMさんから見せてもらった民家の屋根は石で葺いてあった。撮影場所は望月の畳石という集落。近くに石切り場もあるという。 民家は身近な材料で造られると言われているが、現在の建築工事では再生民家であっても屋根に使う材料…

ハウスクェアーについて

今日の一枚は「シーサー」。沖縄版狛犬といったところか。福々亭にある杉茸の下でお客様を出迎えている。 来る3月21日に横浜のハウスクェアーというところに行って一寸お話をします。話のテーマは「200年住宅の素材について」。 「お前民家再生をやってるか…