ギーッチョン!

west2692009-08-26

今日の一枚は妻籠宿の「ニラの花」。我が家の庭にも生えているありふれたものも、旅先で見かけるとなんだか特別なものに見えてくる。
ネットで検索していて知ったことだけど、昨日のブログに書いた、川の上にせり出した家は「ぎっちょん」をいれた虫籠に似ている所から「ぎっちょんかご」と呼ばれたんだそうだ。
8月も終わりに近づき、家の周辺では虫の声が聞こえている。昔々、我が家では虫かごにコオロギやらウマオイやら入れて飼っていた。餌は切ったキュウリだった。思えばひどい話だ。家の廻りに幾らでもいるのだから、わざわざ拘束する必要も無かったはずだが、何故かそうやって家の中で鳴かせていた。時にはキリギリス(だったかな?)も混じって、そいつは「ギーッチョン」と鳴いた。だから家では「ギッチョン」と呼んでいた。
そういえば最近ギッチョンを見ないし、声も聴かない。あんなにいたのに。「ぎっちょんかご」の消滅はギッチョンがいなくなったからなのかも知れない。
ところで、多くの人に惜しまれながらも、やむを得ず消えて行く有名建築は写真や図面、模型や文章で記録されることもある。場合によっては将来の復元も可能だとか言ったりもする・・・・。
しかし、無名で土着の建物はどうだろう。ありふれた光景だから、貴重とも思わない。記録もされない。何時までもあると思っているうちに、人知れず消えて、かつて存在したことも知られないまま永遠に失われる。
そんな訳で、下の写真は妻籠宿の朝の家並み。