ハウスクェアーについて

west2692009-03-09

今日の一枚は「シーサー」。沖縄版狛犬といったところか。福々亭にある杉茸の下でお客様を出迎えている。
来る3月21日に横浜のハウスクェアーというところに行って一寸お話をします。話のテーマは「200年住宅の素材について」。
「お前民家再生をやってるから、そういった観点から200年住宅について話せ」といった連絡が来た。確かに100年とか200年建っていた民家の再生事例なら経験があるが、新築で200年もつ住宅というのは、当たり前だが実はまだ実例が無い。
開業して14年経つけれど、200年まであと186年も残っている。気の長い話だが、どう考えても自分が設計した建物が200年もつことを見届けるのは不可能だ。
「こうやれば良いのだ」と言い切っても、「お前嘘を言ったな」と責められることは無いし、反対に証明することも出来ない。気楽というか、難問というか。

なお、テーマは建築ではなく。住宅なのだ。ちなみに「死ぬまでに見たい世界の名建築1001」という本のことを以前書いたが、そこで紹介されている建物で世界最古に属するものは古墳やピラミッドなどのお墓ばかりだった。「住居」といえば神や仏のお住まいである宗教施設や貴族の邸宅や城館ばかり、庶民にとって参考になるものは少ない。
そういえば日光東照宮やタージマハルも霊廟建築として有名だ。人間はその歴史の早い段階で永遠の生を諦めて、死後人々の記憶に永遠に残ることを選んだのかもしれない。
写真は軽井沢塩沢湖の畔にある野上弥生子の別荘。この人は100歳まで生きた。