ストリートライフ 上海

west2692009-03-08

今日の一枚は荷物を運ぶ人。こんな情景を上海の建材市場で度々見かけた。長いステンレスのパイプと思しき製品を2輪のネコ車みたいなものに乗せて運ぶ。方向転換は自由だし、前後のバランスが取れているので動きも軽い。目的地が近ければ運搬手段としてはこれで充分便利なんだろう。
自動車に混じって車道を運んでゆくが、どちらも平然としたものだった。お互いに慣れているんだろう。

下の写真は上海の街角。交差点で信号待ちの間に見かけた風景。金物屋の店先だと思う。狭いお店の前にある歩道で、手前の人はブリキを加工してバケツを作っていた。向こうの3人は店番なのか暇つぶしなのか判らないが、作ったバケツを道路に並べて売っていた。こういうのも路上生活というのだろうか。

昔々の子供の頃、ギターを持った青年達が警官に排除(逮捕かも)されるTVニュースを見た。新宿西口広場という所で集まって歌っていたのだ。「何故だ」と叫んでいた。後年知った所によると日本の法律では「道路は通行のためのもので、生活の場ではない。集会や物品販売を行ってはいけない」というのが理由だったらしい。
近年、西口広場から高層ビル街に抜ける地下道の脇にも、バリカーに似た障害物が設置された。商売どころかここでは休むことも許されない。


効率化(もちろん安全も)を図って道路を歩道、車道に分離した。自動車専用道路まである。その結果、歩くことすら許されない道ができてしまった。車は頻繁に行き来するが、人通りは途絶えて、町にはデカイ看板ばかり目に付くが、活気は感じられない。
なんだか変な話ではある。日本の街並みの単調さと潤いのなさはこんな所にも原因があるのかもしれない。