日独上棟式事情

west2692010-08-20

今日は「8月15日」 の続き。
マサカリ大工のイベントは日本人とドイツ人の大工達が、それぞれの国の伝統的な工法を使って、1日で建て方(骨組みを組み立てること)を行うというものだった。
朝の11時頃現地に着くと、既に日本チームは棟木まで出来上がっていた。その後、何をしているのかと思ったら、竹を切って弓矢を作ったり、5色の旗を立てている。最近は日本国内でも見かけなくなった古式の上棟式の準備なのだった。実に厳かではある。右の写真はそんな上棟式の風景。屋根に上って餅を撒くのはなぜかドイツの大工達だった。
こちらはドイツ風上棟式なんだそうだ。

二人の職人がワインを1本持って屋根に上る。グラスに注いで、自分達が何故日本に来たのかと話し出す。話が一区切りつくと、このように拳を振り上げ、気勢を上げて一気飲みをする。その後順を追って建物の説明やら、設計主旨やら、工事の具体的な手法やら、喋っては気勢を上げて、一気飲みを繰り返す。もちろん自分だけ良い気分で飲むわけにはゆかないのだろう。ユーモアも交え、聴衆を楽しませなければならないようだ。笑い声があちこちから聞こえる。
さて、話はとめどないがワインには限りがある。顔が赤くなり「あの二人足元が危ないんじゃないか」と心配する声が聞こえ始めたころ、ボトルは空になる。「酒が無くなったんで、下に降りるぞ」と宣言し、グラスを投げ捨てたところで、ドイツの仲間から大きな拍手が起きた。