新名人伝

west2692009-11-11

名人伝」(中島敦)という話がある。弓の名人を目指して修行に励む。腕を挙げ、道を極める。弓を射ることも無く殺気を放つようになり、名声を極める。そして究極的には弓の存在も忘れるほどの悟りの境地に至る。乱暴に言えば、そんな話だ。

今日の一枚は「石斧」。マサカリ大工の作業場に行くとこんなものが置いてあった。棒を潜り抜ける途中のアメフラシみたいな黒い奴が刃に相当する。人類の歴史で習った新石器時代の道具、磨製石器というものだ。「石器に挑戦する」と話していたけれど、とうとう作ってしまった訳だ。柱や梁の加工実験も行っていた。
下の写真は石斧で削った栗の丸太。

10分(20分だったかな?)程度で切り倒すことができるという。これからは「石斧大工」とか「縄文大工」とか呼ばなきゃいけないと思っていたら、次は石器時代以前の建築に挑戦するんだといっていた。極めると大工道具も必要なくなる訳だ。