かやすぐり

west2692009-11-01

熱は下がったが、咳が止まらない。今日はワインツーリズムの打ち合わせに顔を出すつもりだったけど、1日家にこもる事にした。安静にして、声も出さなければ咳は止まっている。
こんな時は読書に限るが、建築の本は眠くなる。本棚から手塚治虫の漫画を引っ張り出して読むことにした。『ネオ・ファウスト』『ルードリッヒ・B』考えてみたら、どちらも未完のまま作者が亡くなってしまった作品だった。次のページに話が続いてゆくような語り口のまま中断している。この続きを永遠に読むことが出来ないのが残念だ。
そんな訳で今日の写真は。昨日撮った写真。茅葺職人が行っているのは「カヤスグリ」という一連の作業。葺いた表面が美しく仕上がるように、茅の幹からとぼれた皮を取り除き、適切な長さに切断して、再び束ねている。昔は鎌状の道具を使っていたとのことだが、今は下の写真のような機械を使う。

ドラム缶に棘を生やしたような筒をグルグル回転させ、その上に茅をバサッと乗せると、あっという間に枝や表皮が取り除かれる。こうした作業向けに専用の機械が販売されている訳じゃなくて、自分達で工夫して造るんだそうだ。
作業風景を撮りたかったんだけれど、職人は機械を撮るのだと勘違いしたらしい。近づいて行ったら、シャッターを押すまで、作業を停めてじっと待っていてくれた。