民家再生

秋晴れの一日

こちらは大泉村の古民家。本格的に再生工事の設計に入る前に建物の実測を行う。天井が張られている民家の場合は屋根裏にはほとんど光が入らない。灯光機を持って、頭にヘッドライトを縛り付けて、潜り込む。先ずは写真撮影。 舞い上がった埃がフラッシュの光…

健康のため

塩山駅朝6時13分発の電車に乗る為に家を出た。山手線内に9時前に着くためには、遅くてもこの電車に乗らなければならない。 駅は我が家から真っ直ぐ東に向かった所にある。だから以前は線路沿いに一直線に歩いて行けた。数年前に交差点の「改良」工事を行った…

母屋の間隔はどうやって決まったのか

道路工事があちこちで盛んだ。次々と新しい道路が造られて、古い道路も整備され道幅が広がる。 河口湖から甲府盆地に抜ける御坂峠も山道を無理やり広げるために、随分崖を削った。削った崖の表面は概ね間知石という不思議なものを積んで仕上げる。積み上げた…

森に迷う

右の写真は「牡丹」。我が家の向かいの家に咲いている。 今日は北巨摩に出張。2006年に引き渡した→白州の家 の取材なのだ。山梨への移住を望む人向けの情報誌で、こちらの建築主に古民家再生のいきさつや、完成後の感想などを聞きたいとのこと。 久しぶりに…

アントシアニンの効能

今日は日曜日の続き。ザゼンソウを見てから温泉に入った。風呂から上がると4時を過ぎていたが空はまだ明るい。 パソコンの使い過ぎで目が疲れがちだが、さっき食べたアントシアニンが効いているかも知れない。 桜は見えるだろうか。塩山は未だだが、石和は暖…

意図したものは・・・・。

2,3日前に周囲の山が白いのに気が付いた。雪が降ったのだ。春めいてきたと喜んでいた矢先だったのに雪山から吹いてくる風が今日はとても冷たい。簡単には春は来てくれないのだ。 さて、こちらは大月の再生民家の現場の写真。民家の骨組みは露出しているので…

元祖猫間障子

今日の一枚は障子。「小木人の舎」に行くと、障子に一風変わった紙が貼ってある。番茶と書いてあるのはかつてお茶の袋だったんだそうだ。下段のひときわ白い紙には透かしの模様が入っている。他の障子にも様々な種類の和紙がパッチワークに貼られていた。 さ…

白蟻脱走

今日の一枚は一休さんの辞世の句。 数年前に再生した民家にある床の間に飾ってあった。赤い壁は珪藻土にベンガラを混ぜたもの。これは何ですかと聞いたら一休さんの額なのだということ。家に帰って調べたら「須弥南畔 誰か我禅に会う 虚堂来る也 半銭に値せ…

今日の一枚は「鉋」。頭には「気合いの入った」という形容詞が付く。「気合いの入った鉋の写真」です。 那須塩原の現場に行くと大工が3人、水道業者が2人、監督が2人、忙しく立ち働いていた。先ずは内部であれやらこれやら打ち合わせをする。一段落して建…

一年後の鯉のぼり。

今日は佐久に出張。途中南清里というところを通る。今年もそこで谷間に掛け渡した鯉のぼりを撮影した。 昨年、通り掛けに鯉のぼりを見たのは再生工事の実測ために佐久に向かう途中だった。その民家も今月から工事が始まる。下の写真は解体工事の様子。 現役…

田んぼの向こう側

今日の一枚は畦造りの機械。 疑心暗鬼に満ちた4月1日が終わり、今日は2日。昨日までの寒さが嘘(?)のように暖かな日だった。そんな訳で今日の記述は信用できる。31日の答えは「右」。急な話で信じられないでしょうが、今度こそ「本当」です。 那須塩原の現…

黄砂

今日は一日中強い風が吹いていた。何時も窓から見えている山が見えない。黄砂だった。 強い風のせいか、丁度1週間前に開き始めたコブシの花は早くも散り始めた。夕方打ち合わせを終えて家に帰る途中で見かけたスモモ畑では白い花が開き始めていた。花の季節…

春の後は冬が来る

3月5日の東京は暑かった。カバンを持って、コートをはおり、カメラを首から提げて、建築案内の本を持って歩くと、汗ばんでくる。道行く人の中にはシャツ一枚で歩いているツワモノも混じっていた。東京はもう春なのだと思ったが、山梨はそうは甘くない。日曜…

福寿草

今日の一枚は「福寿草」。2月12日に佐久平へ出かけた時には雪が降っていたが、今日はこんなものが咲いていた。毎度のことだけど春が来るのは良いものだ。 長い工期と冬が終わって、韮崎の家もそろそろ完成が近づいてきた。塗装が終わり、建具を入れて、電…

静かな場所

山梨はそろそろ春の気配だが、こちらはまだまだ冬らしい。これは雪の降った田んぼ。 那須塩原の現場に着くとこんな感じなのだった。 昼間からカラオケで騒ぐ人もいれば、トントン、カンカン、バリバリと賑やかな一団もいる。大工が4人、電気職が2人、監督…

真冬の扇風機

今日の一枚は扇風機。韮崎の家は主屋の工事は完成に近づいたが、周囲に6棟の土蔵が連なって残っている。土蔵の壁を造るためには泥を厚く塗らなければならないが、土は一度に厚塗りできないので、少しづつ塗り重ねてゆくしかない。下塗りがしっかり乾かない…

ポアソン分布な日々

右の写真は上棟の様子。白く見えているのは梁に残った雪。 今日は那須塩原の現場に出かけた。途中から雪が降り出した。今回の冬は出かけた先で雪に降られることが多いが、ある本にはこんなことが書いてあった「滅多に起こらないことは、何故か連続して起こる…

コーヒーと土壁

今日は昼食を取りながら打ち合わせ。建築設計の話じゃなくて2月に行われるシンポジウム準備の進捗状況の確認を関係者で行った。 受付・案内・挨拶・議事進行・食事準備や交通手段の手配やら、配布資料のまとめやらなんやらかんやらなのだ。事務所に戻って溜…

雪の日の現場

今年初めて工事中の現場に出かけた。午前中は勝沼に行き、午後は韮崎だった。偶然だがどちらも土壁を塗っている。そして、今日はとても寒くて、お昼近くから雪が降ってきた。 土壁に凍結はタブーだ。 凍らないように勝沼では建物全体をブルーシートで覆って…

気の長い季節

今日の一枚は「馬」。清里の牧場にいたが、動物園じゃないから表示が無いのだ。それにしても足が短いなと思い、念のために相棒に確認したら、シェットランド・ポニーというものなんだそうだ。一応「馬」だとのこと。なかなか難しいものだ。 昨日は今年の仕事…

帰ってきたレトロタイル

今日の一枚は「レトロなタイル」。韮崎の家にはお蔵が5棟あってその1棟の片隅にお風呂が増築されていた。外壁は擬石風な洗い出し仕上げで若干洋風、内壁は緑色の渦巻き模様の付いたタイルと白いタイルが貼ってあって、当時としてはモダンな意匠だったのだろ…

三本木の夕日

今日は那須に出張。11月29日に龍ヶ崎で更地を確認したが、それまで建っていた民家は那須に移築される。 那須では基礎と運び込んだ古材を確認した。右の写真は運び込まれた大黒柱の礎石。石の種類は不明だが、これも少しお化粧直しして再利用する。 打ち合わ…

更地の風景

今日は龍ヶ崎に出張。今日の一枚は「なんだ、何も写ってないじゃないか」と思われるだろうが、民家を撤去したあとの「更科そば」じゃ無くて「更地」なのだ。 頂いた民家を解体して古材を運び出し、瓦礫を片付けた。同時に庭石も植木も無くなった。家がそっく…

葦刈りな日

なにわがたみじかきあしのふしのまも あわでこのよをすごしてよとや(伊勢 百人一首) 篠竹を刈った日には前日刈っておいた葦も運んだ。作業に出かける朝、こんな和歌を思い出した。百人一首は子供の頃は正月の年中行事だった。意味は判らなかったが、いくつ…

竹取の日々

今日の一枚は「竹取り」の風景。再生民家の壁を土壁で仕上げることになった。土壁の下地には竹小舞が必要だ。我が家のある塩山では竹小舞に割り竹を使うが、長野県の佐久市では篠竹を丸太で使うのだそうだ。 それじゃ、地域の流儀に習おうじゃないかというこ…

センバコキ

ワンダースリーの乗り物に似ているけど、宇宙から来た訳じゃない。これは那須塩原で見かけた。 今日の一枚は稲刈りの後の風景。機械で刈るとこんな風に円筒形に稲藁が束状になるんだそうだ。稲刈りと脱穀を同時に済ますという優れものの機械があるのだ。 白…

傾きは直らない

以前読んだ本にこんなことが書いてあった。有名なピサの斜塔は建設当初から傾いていた。地盤が弱くて、最初は頭が北側に倒れていたらしい。水平にするために調整していたら、なんと南に傾いてしまった。そのままフラフラと傾きを変えながらも、倒れることな…

アドリブ

今日の一枚。 韮崎の家玄関にある飾り棚の開口部。 現場には設計図面を基に工事監督が描いた下図が置いてあった。 チョッと違うなあ。時間が有るので、もう少し形を整えようと修正を始めた。 事務所に戻って、データーから原寸の型紙を印刷する方法もあるけ…

鋸引き700回

長野県の千曲川流域では泥壁下地の小舞に竹の替わりに葦が使われることがある。以前、更埴市内で見た解体中の民家の壁には葦が使われていた。今回の再生工事でも地域の伝統に敬意を表して葦小舞を使うことになった。 ところで、土壁を造るにつけて泥の用意は…

出発の準備

今日は龍ヶ崎に出張。朝8時30分に事務所を出て11時45分に到着。所要時間3時間15分。ナビゲーターの検索より早く着いた。帰りは4時30分に出発。渋滞に巻き込まれ、自宅に着いたのは9時45分。今度は反対に5時間も掛かってしまった。長時間座っていたら先日ぶつ…