秋晴れの一日

west2692011-10-08

こちらは大泉村の古民家。本格的に再生工事の設計に入る前に建物の実測を行う。天井が張られている民家の場合は屋根裏にはほとんど光が入らない。灯光機を持って、頭にヘッドライトを縛り付けて、潜り込む。先ずは写真撮影。
舞い上がった埃がフラッシュの光で白く乱反射しないように、静かに移動しながらシャッターを押す。右の写真。
何だか良く判らない小屋組みがあった。小屋梁の端部が二股に分かれていて柱に取り付く。柱は何故か途中で切れていて、屋根を支えていない。その代り二股に分かれた梁の上側の部分に小屋束が建って棟木を支えるという寸法だ。お札とお札を入れた木箱がぐちゃぐちゃと棟木に縛り付けてあった。箱を開ければ創建時の分かる資料もあるかも知れないが、今日は時間が惜しいし、埃が舞い上がる。
平均的な小屋裏に比べて部材の断面が大きく見えたが、それは100年近い年月に降り積もった埃の厚さだった。
そんな訳でこちらは屋根の外観。

正面の面格子の下に前述の梁が隠れている。
明るい秋晴れの一日だが、暗い小屋裏で過ごすのだった。